季節に寄り添い生きる、旧暦の暮らし
二十四節気(にじゅうしせっき)、七十二候(しちじゅうにこう)とは
七十二候の名称は、気候の変化や動植物の様子が短い文で表されています。私たちの暮らしでは目にする機会の少ない事象もありますが、おおかたはその時期の「兆し」を伝え、繊細な季節のうつろいを感じさせてくれます。
出典:七十二候|暮らし歳時記
啓蟄(3月6日頃)
冬ごもりしていた虫が、地中からはい出る頃。
初候:「蟄虫啓戸」(すごもりのむしとをひらく)
次候:「桃始笑」(ももはじめてさく)
末候:「菜虫化蝶」(なむしちょうとなる)
初候:「蟄虫啓戸」(すごもりのむしとをひらく)
次候:「桃始笑」(ももはじめてさく)
末候:「菜虫化蝶」(なむしちょうとなる)
桃始笑(ももはじめてさく) 3月11日
春分(3月21日頃)
太陽の中心が春分点に達し、全地球上の昼夜の長さがほぼ等しくなる日。
初候:「雀始巣」(すずめはじめてすくう)
次候:「桜始開」(さくらはじめてひらく)
末候:「雷乃発声」(かみなりすなわちこえをはっす)
初候:「雀始巣」(すずめはじめてすくう)
次候:「桜始開」(さくらはじめてひらく)
末候:「雷乃発声」(かみなりすなわちこえをはっす)
桜始開(さくらはじめてひらく) 3月26日
清明(4月5日頃)
春のはじめの清らかで生き生きとした様子「清浄明潔」という語を略したもの。
初候:「玄鳥至」(つばめきたる)
次候:「鴻雁北」(こうがんかえる)
末候:「虹始見」(にじはじめてあらわる)
初候:「玄鳥至」(つばめきたる)
次候:「鴻雁北」(こうがんかえる)
末候:「虹始見」(にじはじめてあらわる)
虹始見(にじはじめてあらわる) 4月15日
穀雨(4月20日頃)
この時期に降る雨は「百穀春雨」、百穀を潤し芽を出させる春雨といわれています。種まきなどを始めるのに適した時期として、農作業の目安になっています。
初候:「葭始生」(あしはじめてしょうず)
次候:「霜止出苗」(しもやみてなえいずる)
末候:「牡丹華」(ぼたんはなさく)
初候:「葭始生」(あしはじめてしょうず)
次候:「霜止出苗」(しもやみてなえいずる)
末候:「牡丹華」(ぼたんはなさく)
牡丹華(ぼたんはなさく) 4月30日
立夏(5月5日頃)
暦の上では立夏から立秋の前日までが「夏」とされています。「夏が立つ」夏の始まりです。
初候:「蛙始鳴」(かわずはじめてなく)
次候:「蚯蚓出」(みみずいずる)
末候:「竹笋生」(たけのこしょうず)
初候:「蛙始鳴」(かわずはじめてなく)
次候:「蚯蚓出」(みみずいずる)
末候:「竹笋生」(たけのこしょうず)
竹笋生(たけのこしょうず) 5月15日
小満(5月21日頃)
陽気が日増しに良くなり、万物が成長して天地に満ち始めることから小満と言われれるそうです。
初候:「蚕起食桑」(かいこおきてくわをはむ)
次候:「紅花栄」(べにばなさかう)
末候:「麦秋至」(むぎのときいたる)
初候:「蚕起食桑」(かいこおきてくわをはむ)
次候:「紅花栄」(べにばなさかう)
末候:「麦秋至」(むぎのときいたる)
麦秋至(むぎのときいたる) 5月31日
芒種(6月6日頃)
稲・麦など芒(のぎ)をもつ穀物の種をまく季節とされたことから、芒種と呼ばれています。実際の種まきはこれより早い時期に行われます。
初候:「蟷螂生」(かまきりしょうず)
次候:「腐草為蛍」(くされたるくさほたるとなる)
末候:「梅子黄」(うめのみきばむ)
初候:「蟷螂生」(かまきりしょうず)
次候:「腐草為蛍」(くされたるくさほたるとなる)
末候:「梅子黄」(うめのみきばむ)
腐草為蛍(かれたるくさほたるとなる) 6月11日
夏至(6月21日頃)
夏至とは「日長きこと至る、きわまる」と言う意味だそうです。一年で昼の長さが最も長く、夜が短い日。正午の太陽の高さも一年で最も高くなります。
初候:「乃東枯」(なつかれくさかるる)
次候:「菖蒲華」(あやめはなさく)
末候:「半夏生」(はんげしょうず)
初候:「乃東枯」(なつかれくさかるる)
次候:「菖蒲華」(あやめはなさく)
末候:「半夏生」(はんげしょうず)
半夏生(はんげしょうず) 7月2日
小暑(7月7日頃)
この頃から暑さがだんだん強くなっていくという意味です。例年では小暑から3~7日くらい遅れて梅雨明けすることが多いようです。
初候:「温風至」(あつかぜいたる)
次候:「蓮始開」(はすはじめてひらく)
末候:「鷹乃学習」(たかすなわちがくしゅうす)
初候:「温風至」(あつかぜいたる)
次候:「蓮始開」(はすはじめてひらく)
末候:「鷹乃学習」(たかすなわちがくしゅうす)
鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす) 7月17日
大暑(7月23日頃)
梅雨明けの時期で、夏の土用もこの頃にあたります。最も暑い頃という意味ですが、現代では実際の暑さのピークはもう少し後になりますね。
初候:「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)
次候:「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)
末候:「大雨時行」(たいうときどきふる)
初候:「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)
次候:「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)
末候:「大雨時行」(たいうときどきふる)
大雨時行(たいうときどきふる) 8月3日
立秋(8月7日頃)
暦の上では秋になりますが、まだまだ残暑が厳しく気温の高い日が続く時期。
初候:「涼風至」(すずかぜいたる)
次候:「寒蝉鳴」(ひぐらしなく)
末候:「蒙霧升降」(ふかききりまとう)
初候:「涼風至」(すずかぜいたる)
次候:「寒蝉鳴」(ひぐらしなく)
末候:「蒙霧升降」(ふかききりまとう)
蒙霧升降(ふかききりまとう) 8月18日
処暑(8月23日頃)
暑さが和らぐという意味。長く厳しかった夏もようやく暑さの峠を越し、朝夕は涼風が吹き始めます。
初候:「綿柎開」(わたのはなしべひらく)
次候:「天地始粛」(てんちはじめてさむし)
末候:「禾乃登」(こくものすなわちみのる)
初候:「綿柎開」(わたのはなしべひらく)
次候:「天地始粛」(てんちはじめてさむし)
末候:「禾乃登」(こくものすなわちみのる)
禾乃登(こくものすなわちみのる) 9月2日
白露(9月8日頃)
夜の間に大気が冷え、草花の上に朝露が宿るという意味。本格的な秋の訪れを感じる頃です。
初候:「草露白」(くさのつゆしろし)
次候:「鶺鴒鳴」(せきれいなく)
末候:「玄鳥去」(つばめさる)
初候:「草露白」(くさのつゆしろし)
次候:「鶺鴒鳴」(せきれいなく)
末候:「玄鳥去」(つばめさる)
玄鳥去(つばめさる) 9月18日
秋分(9月23日頃)
春分と同じく真東から昇った太陽が真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになります。「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざもあるように、この日を境にだんだんと寒さが増していきます。
初候:「雷乃収声」(かみなりすなわちこえをおさむ)
次候:「蟄虫坏戸」(むしかくれてとをふさぐ)
末候:「水始涸」(みずはじめてかるる)
初候:「雷乃収声」(かみなりすなわちこえをおさむ)
次候:「蟄虫坏戸」(むしかくれてとをふさぐ)
末候:「水始涸」(みずはじめてかるる)
雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 9月23日
寒露(10月8日頃)
寒露とは、文字の示す通り晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のことを言います。しんしんと深まりゆく秋、大気も安定して青く高い空、秋晴れの日が多くなる頃です。
初候:「鴻雁来」(こうがんきたる)
次候:「菊花開」(きくのはなひらく)
末候:「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり)
初候:「鴻雁来」(こうがんきたる)
次候:「菊花開」(きくのはなひらく)
末候:「蟋蟀在戸」(きりぎりすとにあり)
菊花開(きくのはなひらく) 10月13日
霜降(10月23日頃)
朝晩の冷え込みがいっそう厳しくなり、朝霜が見られる頃。山や街も紅葉で美しく彩られる季節です。
初候:「霜始降」(しもはじめてふる)
次候:「霎時施」(こさめときどきふる)
末候:「楓蔦黄」(もみじつたきばむ)
初候:「霜始降」(しもはじめてふる)
次候:「霎時施」(こさめときどきふる)
末候:「楓蔦黄」(もみじつたきばむ)
楓蔦黄(もみじつたきばむ) 11月2日
立冬(11月8日頃)
本格的な冬の始まり。「立」には新しい季節になるという意味があり立春、立夏、立秋と並んで季節の大きな節目となります。
初候:「山茶始開」(つばきはじめてひらく)
次候:「地始凍」(ちはじめてこおる)
末候:「金盞香」(きんせんかさく)
初候:「山茶始開」(つばきはじめてひらく)
次候:「地始凍」(ちはじめてこおる)
末候:「金盞香」(きんせんかさく)
金盞香(きんせんかさく) 11月17日
小雪(11月23日頃)
気象庁の天気予報用語での「小雪」は「数時間降り続いても、降水量として1mmに達しない雪」だそうです。
初候:「虹蔵不見」(にじかくれてみえず)
次候:「朔風払葉」(きたかぜこのはをはらう)
末候:「橘始黄」(たちばなはじめてきばむ)
初候:「虹蔵不見」(にじかくれてみえず)
次候:「朔風払葉」(きたかぜこのはをはらう)
末候:「橘始黄」(たちばなはじめてきばむ)
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 11月27日
大雪(12月7日頃)
山だけでなく平野にも降雪のある季節。寒さが日増しに厳しくなってゆきます。
初候:「閉塞成冬」(そらさむくふゆとなる)
次候:「熊蟄穴」(くまあなにこもる)
末候:「鱖魚群」(さけのうおむらがる)
初候:「閉塞成冬」(そらさむくふゆとなる)
次候:「熊蟄穴」(くまあなにこもる)
末候:「鱖魚群」(さけのうおむらがる)
熊蟄穴(くまあなにこもる) 12月12日
出典:stocksnap.io
クマが冬眠するために、穴に入る時期。クマは小型の動物とは異なり冬眠中は中途覚醒や、排便・排尿もしないそうです。飼育されているクマは冬眠はしないのだとか。
冬至(12月22日頃)
日照時間が減り、夏至と反対に夜が最も長く昼が短い日。冬至にかぼちゃを食べるのは風邪を引かない、金運を祈願するというような意味があるそうです。
初候:「乃東生」(なつかれくさしょうず)
次候:「麋角解」(さわしかのつのおつる)
末候:「雪下出麦」(ゆきわたりてむぎのびる)
初候:「乃東生」(なつかれくさしょうず)
次候:「麋角解」(さわしかのつのおつる)
末候:「雪下出麦」(ゆきわたりてむぎのびる)
麋角解(さわしかのつのおつる) 12月27日
小寒(1月5日頃)
寒さが最も厳しくなる前、これから寒さが加わる頃という意味で、いわゆる「寒の入り」です。小寒から節分までの30日間を「寒の内」といい、寒さが厳しくなり冬本番を迎えます。
初候:「芹乃栄」(せりすなわちさかう)
次候:「水泉動」(しみずあたたかをふくむ)
末候:「雉始雊」(きじはじめてなく)
初候:「芹乃栄」(せりすなわちさかう)
次候:「水泉動」(しみずあたたかをふくむ)
末候:「雉始雊」(きじはじめてなく)
芹乃栄(せりすなわちさかう) 1月5日
出典:pixabay.com
セリが盛んに生育する頃。冷たい沢の水辺で育つセリは春の七草のひとつとしてもよく知られています。1月7日に無病息災を願って食べる「七草粥」にも入れられます。セリには鉄分が多く含まれ、増血作用が期待できるとも言われます。
大寒(1月20日頃)
冬の最後の節気、一年で最も寒い時期です。
初候:「款冬華」(ふきのはなさく)
次候:「水沢腹堅」(さわみずこおりつめる)
末候:「鶏始乳」(にわとりはじめてとやにつく)
初候:「款冬華」(ふきのはなさく)
次候:「水沢腹堅」(さわみずこおりつめる)
末候:「鶏始乳」(にわとりはじめてとやにつく)
水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 1月25日
立春(2月4日頃)
立春は一年のはじめとされ、季節の節目はこの日が起点になっています。まだまだ寒いですが、暦上ではこの日から春となります。
初候:「東風解凍」(はるかぜこおりをとく)
次候:「黄鴬睍睆」(おうこうけんかんす)
末候:「魚上氷」(うおこおりをいずる)
初候:「東風解凍」(はるかぜこおりをとく)
次候:「黄鴬睍睆」(おうこうけんかんす)
末候:「魚上氷」(うおこおりをいずる)
黄鶯睍睆(おうこうけんかんす) 2月9日
雨水(2月19日頃)
空から降るのが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になるという意味。春一番が吹くのもこの頃です。
初候:「土脉潤起」(つちのしょううるおいおこる)
次候:「霞始靆」(かすみはじめてたなびく)
末候:「草木萌動」(そうもくめばえいずる)
初候:「土脉潤起」(つちのしょううるおいおこる)
次候:「霞始靆」(かすみはじめてたなびく)
末候:「草木萌動」(そうもくめばえいずる)
草木萠動(そうもくめばえいずる) 3月1日
いかがでしたか?
現代の私たちの生活では目にする機会のない事象もありますが、「暮らしの歳時記」として時にはうつろいゆく季節の美しさをちょっと違う視点から眺めてみるのも面白いかもしれません。
現代の私たちの生活では目にする機会のない事象もありますが、「暮らしの歳時記」として時にはうつろいゆく季節の美しさをちょっと違う視点から眺めてみるのも面白いかもしれません。
日本の暦には二十四の節気と、七十二もの季節があることをご存じですか?