真夏でも冠雪した3000メートル級の峰々が連なる北アルプスに敷かれた立山･黒部アルペンルートは総延長37.2キロメートルの山岳道路です。

富山県側に位置する美女平は、豊かな原生林が生い茂る高原です。天を突くほどに大きく成長したブナや立山杉なに覆われた美女平は、格好の森林浴スポットにもなっています。

東西9キロメートル、標高1600～2100メートル、南北3キロメートルにも及ぶ弥陀ヶ原は、美女平と室堂平とのほぼ中間地点に位置する高原です。

弥陀ヶ原では、至る所に池塘（ちとう）呼ばれる小さな沼池がぽっかりと空いており、独特の景観美をつくり出しています。

標高3000メートル級の山々が眼前に迫る室堂平は、標高約2450メートルの位置にある高原です。ここでは、立山・黒部アルペンルートを散策する観光客だけでなく、立山・剣岳といった日本を代表する名峰登頂を目指す登山者でも賑わっています。

室堂平は、国の特別天然記念物となっている雷鳥の生息地でもあります。運が良ければ、雷鳥に逢えるかもしれませんね。

立山火山の火山湖であるみくりが池は、室堂平でも指折りの景勝地で、標高2405メートルの高原に位置しています。

深みのある紺碧の水面を持つみくりが池の水面が、鏡のように立山連峰を映し出す様は幻想的で、まるでこの地が神々の棲み家であるかのような錯覚さえも感じます。

立山・黒部アルペンルートを代表する展望台となっている大観峰からは、素晴らしい眺めが待っています。

晩秋になると、大観峰からは紅葉した周囲の山々を臨むことができます。山肌を覆う樹々が色とりどりに染まる様は、まるで山肌に鮮やかな絨毯を敷き詰めたかのようです。

黒部湖は、関西電力が設営した黒部ダムによってできた人造湖です。陽射しを浴びてエメラルドグリーンに輝く水面を持つ黒部湖は、人造湖とは思えないほどの美しさです。

立山ロープウェイ、黒部ダムなど様々な場所から黒部湖を眺めることができますが、遊覧船にのって黒部湖を周遊してみるのもおすすめです。静かな水面と、周囲の山岳風景が、神秘的な美しさを持つ黒部湖の魅力を引き立てています。

日本を代表する大規模ダムとして知られている黒部ダムは、立山・黒部アルペンルートにおけるハイライトともいえる場所です。186メートルにも及ぶ黒部ダムの堤防高は日本一で、誰もがその大きさに圧倒されるほどです。

黒部ダムでは、観光放水が行なわれます。大地が揺れるほどの轟音、白いしぶき、七色の虹、雄大な黒部峡谷が織りなす景色は、まさに絶景そのものです。