工場夜景とは、その名の通り、化学プラント、石油化学コンビナート、製鋼所、製鉄所などの大型工場が集中する工業地帯で観ることのできる夜景のことです。

日本を代表する工業地帯、「京浜工業地帯」がある神奈川県川崎市で、2011年の2月に「第1回全国工場夜景サミットin川崎」が開催されてから、工場夜景という言葉は一躍有名になりました。

漆黒の世闇、光を浴びて輝く複雑で幾何学的な構造をした巨大な建物が並び、大きな煙突から立ち込める水蒸気が織りなす景色は、どこか近未来的な雰囲気を漂わせており、まるでSF世界のような光景が広がっています。

堺泉北臨海工業地帯とは、大阪府堺市から高石市にかけて南北に続く工業地帯です。

藍色の夜空を背景に、大阪湾沿岸に並ぶ無数の化学プラントが色鮮やかにライトアップされる様は、思わずカメラに納めたくなるほどの美しさです。

蒸気を吹き出す巨大な煙突、光り輝く丸いプラント、漆黒の夜空が織りなし、堺泉北臨海工業地帯では、SF世界のような光景が広がっています。

阪神工業地帯とは、大阪府・兵庫県にまたがって広がる工業地帯です。阪神工業地帯は、製品出荷額ベースでは、全国第2位を誇る規模で、臨海部を中心に、広範囲で工場夜景を楽しむことができます。

複雑で入り組んだプラント、巨大な煙突、立ち込める蒸気……。阪神工業地帯では、近未来的な風景がどこまでも続いています。

大阪市に隣接している尼崎市は、古くから工業地帯として栄えており化学工場や金属工場が多数あります。また、クルーズ船に乗らなくても高架橋や河川敷から工場夜景を撮影できることから、アクセスのよい工場夜景スポットとして人気を集めています。

播磨臨海工業地帯は、兵庫県姫路市・加古川市を中心に広がる工業地帯です。沿岸部には、無数の鉄鋼業、化学プラント、エネルギープラントなどが立ち並んでおり、近畿地方における工場夜景エリアでも傑出した美しさを誇ります。

兵庫県姫路市網干エリアにあるダイセル化学網干工場は、播磨臨海工業地帯の中でも人気のある工場の一つです。天を突くように真っすぐ伸びる無数の煙突、光り輝くプラントが織りなす景色は、思わずカメラに収めたくなるほどの美しさです。

新日鐵住金の広畑工場も、播磨臨海工業地帯における人気工場の一つです。藍色の夜空、夜闇に浮かび上がる巨大なプラント、立ち込める蒸気……。ここを散策していると、まるでSF映画に迷い込んだかのような錯覚を感じます。

大阪府から少し南へ足を伸ばした場所にある和歌山県有田市も、近畿地方における工場夜景スポットとして人気の場所です。

有田市の工場夜景スポットの中でも特に人気があるのは東燃ゼネラル石油和歌山工場です。複雑に入り組んだ幾本ものパイプは、まるでSF映画に出てくる巨大な要塞のようです。

東燃ゼネラル石油和歌山工場は、沿岸部からではなく、高台となっている展望台からも工場夜景を見渡すことができます。