「となりのトトロ」の舞台のモデルになったと言われるのが、埼玉県所沢市や入間市、東京都の武蔵村山市や瑞穂町など、東西約11km、南北約4kmに広がる狭山丘陵にあります。この「トトロの森」は、1991年に1号地が誕生し、現在は49号地まで増えています。

木漏れ日が差し込む森は、都心から近い場所とは思えないほど自然が豊かです。雑木林の小道は、メイがトトロに出会った場所のよう。

狭山丘陵の東端にある「八国山緑地」は、メイとサツキのお母さんが入院していた「七石山」のモデルにもなった場所なんです。その昔は、標高89.4mの山頂から関東8カ国の山々を眺めることができたことから名づけられたといわれています。

築100年以上のどっしりとした佇まいの古民家は「クロスケの家」。トトロの森の保全活動を行っている団体の拠点になっています。狭山丘陵の北側にあるので、散策途中に立ち寄るのもおすすめです。

母屋には2mもある大トトロがちょこんと座っています。火・水・土の午前10～15時まで敷地を開放しているので、中に入ることも。トトロと並んで記念撮影もできますよ。

敷地にある蔵をよく見ると、トトロを発見！さりげなく描かれているトトロの姿を探すのも楽しそうです。

「百段階段」には7つの部屋があり、建築当初は結婚式場として宴が開かれていました。こちらの「漁樵の間」は、すべて純金箔、純金泥、純金砂子で仕上げられ、まさに絢爛豪華。千と千尋の神隠しの「油屋」のひと部屋のような雰囲気を感じます。

都立小金井公園内にある「江戸東京たてもの園」は、歴史的・文化的価値のある建造物を移築している博物館。7ヘクタールもある広大な敷地には、江戸時代から昭和中期までの建物が展示されています。こちらの建物は、冒頭で主人公・千尋のお父さんとお母さんが豚になってしまうシーンのモデルになったと言われています。のれんの向こうに、お父さんとお母さんが見えそうな気がしませんか？

千尋が働くことになった「油屋」のお風呂も、まさにこんな雰囲気ですよね。

明治初期に創業した文具店「武居三省堂」の内部に入ると、作品のシーンが目に浮かびます。あの釜爺がクモのように長い手を動かして次々と薬草を取り出しているボイラー室のモデルになったと言われています。書道用品の卸や文具の小売りをしていた当時は、たくさんの引き出しにストックがしまわれていたんですね。

この佇まいを見ただけで、油屋を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか？群馬県の四万温泉にある「積善館（せきぜんかん）」は、1691年（元禄4年）から続く由緒ある旅館。赤い橋と共にライトアップされた建物は、映画のセットのよう。昼間もステキですが、夜はいっそう趣きを感じます。日帰り利用もできるので、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか？

「耳をすませば」の舞台は、東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘駅周辺。映画でたびたび登場する坂の勾配は、この「いろは坂」がモデルなんだとか。なだらかな坂をゆっくり歩きながら、作品の世界に想いを馳せてみませんか？

いろは坂を上ると、雫が猫を追いかけて入った小道具屋「地球屋」のあるロータリーに到着。残念ながら「地球屋」はありませんが、住宅街の中にある静かな場所でシーンを思い浮かべて見ましょう。

まっすぐに伸びる階段も、作品に欠かせな場所のひとつ。こんなに遠くまで眺められる高台が都内にあるなんて、なんだか懐かしい気分に♪

雫の同級生の杉村くんが雫に告白をした神社は、「金毘羅宮」をモデルにしたと言われています。社殿の石段に座れば、甘酸っぱい青春時代がよみがえってきます。

多摩丘陵の開発や自然破壊など、深いテーマが大人にも人気の「平成狸合戦ぽんぽこ」。舞台となった多摩ニュータウンは、東京都西南部の多摩丘陵に位置します。八王子市、町田市、多摩市、稲城市にわたるその広さは東西14km、南北2～3kmもあります。タヌキたちが人間たちの開発に驚き、息をのんだ街の夜景が見られる高台は、今ではデートスポットとしても人気です。

開発が進んだとはいえ、まだまだ自然が残る多摩ニュータウン。住宅地にも緑道や池を作り、昔ながらの里山の風景を残すように整備されています。作品に登場したタヌキたちも、この森の中で遊んでいるかも知れませんよ？

「猫の恩返し」は、猫の世界に迷い込んだ女の子・ハルちゃんのちょっと不思議なお話。作品に登場する海外の街にあるような石畳の通りは、横浜元町商店街がモデルになっていると言われています。

ハルちゃんが猫を探しに歩いたのも、こんな雰囲気の通りですよね。雑貨屋さんやカフェなどに寄り道しながら歩くのもおすすめです。

シャンソンの歌声が艶っぽい「紅の豚」の舞台は、イタリアのアドリア海と言われていますが、日本にも紅の豚のイメージにぴったりな場所があるんです。それは、静岡県下田市にある「龍宮窟（りゅうぐうくつ）」。関東地方からは少し離れますが、雰囲気を味わいに足を運んでみてはいかがでしょうか？主人公、ポルコの隠れ家の世界観に近づけます。

龍宮窟は、波が海岸の波にうちつけた時にできる「海食洞（かいしょくどう）」という洞窟の天井が一部崩れたもの。直径40～50mもの大きな天窓を上からのぞいたり、天窓の下に立つと神秘的です。