出典: 寒くなると恋しくなる、温かいうどん。奈良時代から食べられていたと言われるほど、私たちの食生活に古くからなじみのあるうどんは、全国各地に特色があります。そこで今回は、関東エリアの「ご当地うどん」をご紹介。ひとことで「うどん」といっても、形や食感、具や味付けなど、その食べ方はさまざま。お気に入りの名物うどんを探しに出かけてみませんか?
讃岐や稲庭と並ぶ、日本三大うどんのひとつ「水沢うどん」は、弾力とコシがある太めで透き通った白さが特徴。今から400年ほど前に、群馬県渋川市の伊香保町から約4㎞ほどのところにある「水澤観音」で、参拝客向けに提供されたことが始まりとされています。ざるうどんでいただくことが多く、製法や材料などに特に決まりはありません。つけ汁はお醤油や胡麻だれなどお店によって異なる味を楽しめます。
出典: 水沢うどんの元祖と言われる「田丸屋」は、天正10年(1582年)創業の老舗です。趣きのある外観と大きな布袋さまの石像が目印。向かい側に駐車場があるので、車で訪れても安心です。
出典: 店内は、テーブルとお座敷の合計200席。席数が多いので、混んでいても比較的待ち時間が短く入れます。和モダンな雰囲気がステキで、女性同士のお客さんもたくさん訪れています。
出典: 厳選した国産小麦粉とお水、お塩だけで作る真っ白な十割うどんが自慢です。おすすめは、ざるうどんに天ぷら、小鉢と2種類のつゆが付いた「布袋様福膳」。濃厚でクリーミーな胡麻つゆと、昆布とかつお節、鮪節で作った醤油つゆは、どちらも絶品です。
出典: “全粒粉で作るうどんを食べてもらいたい”と誕生したのが「古伝 喜利麦」です。自社工場の石臼で製粉した国産小麦の全粒粉に、水沢のお水と天然塩だけを加えて熟成させた麺は、味と香りがより際立ちます。天然塩とオリーブオイルでいただくというのも新鮮ですね。
出典: JR渋川駅からバスで20分、関越道の渋川伊香保ICから20分ほどのところにある「大澤屋第一店舗」。水沢観音からは車で1~2分なので、観光途中に立ち寄るのもおすすめです。
出典: 300席の店内は、広々としていてまるで旅館の食事処のよう。お座敷のほかに、テーブルと椅子のスペースもあるので、年配の方も安心して入れますね。
出典: 寒い季節は、あったかいうどんを。こちらは、釜揚げうどん、天ぷら、漬物がついた「釜天セット」。天ぷらは、地元の契約農家で栽培した天ぷら専用の舞茸がメインで、味と食感、香りをぜひ堪能してみてください。
出典: もちろん、定番のざるもあります。こちらは、天ぷらがセットになった「楓」。つるっとしたのど越しと弾力感が味わえます。昆布とかつおの出汁が効いたつゆは、上品なまろやかさ。寒い季節でも、水沢うどんはざるで食べたいという常連さんも多いんだとか。
群馬県桐生地方に伝わる「ひもかわうどんは」は、平たいことから“平打ちうどん”とも呼ばれています。名前の由来は、きしめんのルーツでもある「芋川(いもかわ)うどん」がなまったものという説もあるそうです。うどんの幅は、5mmから15cmを超えるものまでさまざまで、厚さは1㎜程度と薄いのも特徴です。つるんとしたのど越しが魅力で、冷たいざるうどんから温かいうどんまでいろいろな食べ方があります。
出典: 東武桐生線・わたらせ渓谷鉄道の相老駅から歩いて5~6分ほどのところにある「麺処酒処ふる川 暮六つ」は、地元をはじめ遠方から訪れる方も多い人気のうどん店。週末には行列ができることもあるんですよ。
出典: 店内は、テーブルとお座敷に分かれています。お座敷は半個室のような形になっているので、小さなお子さん連れでも気兼ねなく過ごせそう。
出典: メディアにもたびたび登場する、幅が15cmのひもかわうどんはこちらの名物。まずは見た目のインパクトに驚き、なめらかな食感に感動します。普通盛りで、このサイズが7枚なので、おなかいっぱいになりますよ。
出典: こちらは、豚バラ肉とナスを炒めたものが、温かい濃いめのつゆに入った「肉なすつけ汁ひもかわ」。ひもかわを1枚ずつつけていただきます。大きくて食べにくいと思うかも知れませんが、厚さがないので意外と食べやすく、豚バラの旨みたっぷりのつゆがよく絡みます。ほかにも、「しめじつけ汁ひもかわ」「かもつけ汁ひもかわ」などメニューが豊富です。
出典: 寒い季節に人気なのが「カレー南蛮ひもかわ」。お出汁の効いたカレーつゆに、ひもかわうどんが入っていて食べごたえのある1杯です。ごはんと半熟玉子がついたセットにするのもおすすめ。ひもかわうどんを食べ終わった後の丼に、ごはんと半熟玉子を入れていただけば二度楽しめます。
出典: JR桐生駅から徒歩15分ほどのところにある「田沼屋」は、桐生の清流水と北海道産の地粉を使用したひもかわうどんが食べられるお店。メディアに取り上げられることも多い人気店で、桐生の郷土料理を味わいましょう。
出典: カウンターとテーブル席のある店内。観光客だけでなく、地元の方も多く訪れるお店は、いつも活気にあふれています。
出典: 代表するメニューのひとつが「黒帯」です。竹炭を練り込んだ真っ黒なひもかわうどんが豆乳スープに入っていて、その見た目に驚きます。お出汁の効いたキーマカレーつゆと豆乳のまろやかさが、絶妙なハーモニーを奏でます。竹炭入りのひもかわうどんが食べられるのは、ここだけとあって、これを目当てに訪れるお客さんも多いんだとか。
出典: こちらは、シンプルなひもかわうどんをカレーつゆでいただく「白帯」。先ほどご紹介した「麺処酒処ふる川 暮六つ」にくらべると、少し幅が狭いのが特徴です。季節や気候で生地を微妙に変えるこだわりのひもかわは、なめらかな食感とのどごしが魅力。
季節のお野菜と手打ちの幅広うどんを煮込んだ「おっきりこみうどん」は、群馬県と埼玉県秩父地方に伝わるうどん料理で、“おきりこみ”や“煮ぼうとう”とも呼ばれています。打ち粉がついたまま生麺の状態で煮込むため、つゆにとろみがついているのも特徴。山梨県の郷土うどん「ほうとう」との違いは、うどんの幅の広さで、おっきりこみうどんは3㎝ほどあります。また、お味噌またはお醤油、もしくは両方で煮込むという点にも違いがあります。
出典: 上毛三山パノラマ街道沿いの「おっきりこみのふる里」は、古民家風の大きな建物です。店先の薪や、軒先に吊るされた干し柿が昔懐かしい雰囲気。群馬県でも数少ないおっきりこみうどんの専門店(63店舗)で開催されている「群馬県おっきりこみスタンプラリー」では、2年連続入賞した実績をのあるお店です。
出典: 古いストーブや木のテーブルや椅子など、田舎風のほっこりとした店内。テーブルの間隔が広いので、ゆったりと過ごせます。
出典: こちらの「おっきりこみ」は、にんじん、ごぼう、青菜、油揚げなど具だくさん。味付けは、お醤油仕立ての薄味で、お野菜の旨みがたっぷり体の芯から温まります。
出典: 「きびめし」とのセットもおすすめです。きびだんごにも使われるきびは、雑穀のひとつでほんのり黄色く粘りがあります。お米と一緒に炊くと、もっちりした食感で、クセのない味はおっきりこみうどんとも相性抜群。お漬け物や小鉢と一緒にどうぞ。
出典: 長瀞観光の途中で立ち寄るのにおすすめなのが、長瀞の石畳に続く通りにある「大黒屋」です。おっきりこみうどんは、長瀞・秩父エリアでも郷土料理として古くから親しまれている味なんですよ。
出典: 鉄鍋のおっきりこみうどんは、寒い日にうれしいメニュー。アツアツのお鍋には、根菜やネギ、青菜などがたっぷり入っています。
出典: 幅広のうどんがお醤油ベースのつゆに絡んで、食べていると体がぽかぽかしてきます。川べりの石畳は冷えるので、おっきりこみうどんを食べて体を温めましょう。
長瀞 / そば
- 住所
- 秩父郡長瀞町長瀞477-3
- 営業時間
- [月]
09:30 - 17:00
[火]
09:30 - 17:00
[水]
09:30 - 17:00
[木]
09:30 - 17:00
[金]
09:30 - 17:00
[土]
09:30 - 17:00
[日]
09:30 - 17:00
■ 定休日
不定休
- 定休日
- 平均予算
- ~¥999
データ提供: 「耳うどん」は、栃木県佐野市の仙波地区に江戸時代終期から伝わる、耳の形をしたうどんです。耳うどんを悪い神さまの耳に見立てて食べることで、家の話を聞かれたり、よそからの悪口が聞こえなくなることから、魔除けになると言い伝えられてきました。うどんというよりはすいとんに近い感じで、季節のお野菜と一緒に濃いめのお醤油のつゆでいただきます。もともとはお正月の保存食として食べていたことから、今でも伊達巻などおせち料理の食材を入れて食べることもあります。
出典: 明治40年創業の「野村屋本店」は、耳うどんを代表するお店と言えばここ!と言われるほどの老舗名店です。佐野駅から歩いて10分くらい、佐野厄除け大師から車で5分ほどなので、お参りのあとに寄るのもおすすめです。
出典: 名物の「耳うどん」は、関東風のお出汁に柚子としいたけの香りが合わさった上品なお味。耳うどんは、店主が一からお店で作っていて、時間によってはうどんを作っている様子を見ることもできますよ。
出典: 長方形に切った生地を少し畳んで、独特の耳のような形にしています。ひと口たべれば、もっちりした食感がクセになりますよ。
出典: 余ったおせち料理を入れて作られていたという名残から、伊達巻やなると、カニ蒲かまなどが使われています。開運グルメの耳うどんを食べたら、良い1年が過ごせそうですね。
「武蔵野うどん」は、東京都多摩地域から埼玉県で食べられている手打ちうどんです。武蔵野台地の地粉を使っていて、太く茶色がかった色が特徴です。足踏みで作ったうどんはコシがかなり強く、小麦の味がしっかりと感じられます。かつお出汁をメインにしたつゆに、うどんをつけて食べるスタイルが多く、数種類のきのこ入れた「きのこ汁うどん」や豚肉を入れた「肉うどん」など種類が豊富です。
出典: 「満月うどん」は、駅から離れた場所にあるので、車やバスで訪れるのがおすすめ。隠れ家のような場所にありますが、うどん通の方が足しげく通う人気店です。
出典: カウンターとテーブル2つのこじんまりとした店内には、お出汁のいい香りが漂っています。
出典: ボリュームのある「肉つけ汁」は、大きなお肉がたくさん入っていてボリューム満点。うどんは基本、硬めのざる盛りです。艶やかな小麦色のうどんは足踏みで作られているため、コシが強いのが特徴。つるっとすすってよく噛んで食べるようにと、地元では“つるつるかめかめ(鶴鶴亀亀)”で縁起が良いとも言われています。アツアツのお出汁につけていただきましょう。
出典: 「ごまつけ汁」も人気のメニュー。太めのうどんに、濃厚なごまだれがよく絡みます。薬味のすりごまやネギのほか、テーブルに置かれたラー油などを加えていただくのもおすすめです。
出典: 首都高の川島ICから5分ほどのところにある「手打うどん庄司」は、地元でもおいしと評判の武蔵野うどん屋さん。うどんが売り切れ次第終了してしまうので、早めの来店がおすすめです。
出典: 活気のある店内は、カウンターやお座敷などが60席ほど。木を多く使った内装で、ひとりでも家族連れでも入りやすい親しみやすさが魅力です。
出典: こちらのうどんは全粒粉を使っているため、小麦本来の味と香りが抜群。アツアツのお出汁につけて食べれば、豊かな味わいを堪能できます。
出典: 冬の限定メニューとして人気が高い「呉汁」。すりつぶした大豆を味噌汁に入れて食べる郷土料理で、全国で食べられていますが、ここ川島町も大豆の生産が盛んなことから生まれたメニューです。大豆のほか、シャキシャキした芋がらや10種類以上のお野菜が入った煮込んだうどんは、体の芯から温まります。3月までの限定なので、ぜひ冬の間に食べてみてはいかがでしょうか?
出典: 日本各地にあると言われる「ご当地うどん」は、それぞれ個性豊か。ご当地うどんが誕生した歴史や文化を知ると、より味わい深くいただけそうですね。今回ご紹介した関東エリアだけでも、さまざまなご当地うどんがあり、わざわざ足をのばして食べに行きたくなるお店がたくさん。まだまだ続く寒い季節を、アツアツのうどんを食べて乗り切りましょう!
水沢うどんの元祖と言われる「田丸屋」は、天正10年(1582年)創業の老舗です。趣きのある外観と大きな布袋さまの石像が目印。向かい側に駐車場があるので、車で訪れても安心です。