“温泉”が、疲労回復に効果があることは、良く知られています。“温泉”と耳にしただけで、湯船の中でリラックスした気分に包まれる感じを思い描く人もきっと多いはず。
冷え性、肩こり、筋肉痛、皮膚炎、リウマチ、痩身、美肌…温泉の効能は数限りなくあります。でも、温泉の一番の効能は、全身をリラックスさせ、心と身体を潤わせることかもしれません。
不安やネガティブな思いにとらわれている時は、呼吸も浅く、身体が強張っているものです。他人が聞けば、一笑に付されてしまうような大した思いではなくても、首にも肩にも腕にも腰にも妙な力が入っていて、心もどこか頑なで、不自然な感じです。
温かな湯に腰を沈めて、「ふぅぅ」「はぁぁ」と一息つき、その心地良さに、多くの人がつい目を細めてしまうのは、誰もがそうした思い、凝り固まったものを後生大事に抱えている証なのかも知れません。
出典: 神事の禊(みそぎ)や神社の手水(てみず)、相撲の力水(ちからみず)が示すように、水には罪や穢(けがれ)を洗い清め、浄化する作用があるとして、日本では古くから、節目節目で水を用いてきました。
【幾筋もの白糸が落下する優美な姿の「玉簾の瀧(たまだれのたき)」。箱根湯本のパワースポットでも有名。】
出典: そして、「水に流す」という言葉が、今も頻繁に使われているように、「水」や「清らかな流れ」のイメージによっても、折々で心の澱を流し去り、心身をリフレッシュさせてきました。【箱根湯本を流れる「早川」】
出典: 水の浄化作用について認識するのは、日本民族固有の精神、文化とは限りません。
ヒンズー教では、ガンジス川といった浄化力のある河川で死者の魂を送り、キリスト教では聖水を用いて洗礼の儀式を行います。またイスラム教では、礼拝前に清水で身体を清めることが戒律となっています。
【箱根湯本の老舗温泉宿「吉池旅館」の旧岩崎邸の別邸の回遊式庭園。箱根の自然と須雲川から引き込んだ清流を上手く取り入れた庭園は、広さ約一万坪にも及び、一年を通して風情ある景観が楽しめる。】
出典: それは、太古から“水”には、物事を浄化させる偉大なる霊力があると、敬服していたからに違いありません。
【「玉簾の瀧(たまだれのたき)」傍らにある「延命の湧き水」。溶岩の層に濾された湧水は、柔らかな口当たり。「玉簾の滝」は、日帰り入浴で人気のホテル「天成園」の敷地内。利用者以外でも自由に見学できる。】
日本における風呂(入浴)の歴史は、仏教の伝来とともに始まったと言われています。仏教では、穢れを落とす“沐浴”は、仕える身にとって大事な勤めでありますが、沐浴で得られる*功徳についても積極的に説かれています。
多くの寺院で、入浴施設として浴堂(湯屋・温室)が建造され、僧侶の沐浴はもちろんのこと、貧しい人や病人へも開放され、施浴(施湯・湯施行)が行われていました。それは、単なる浴室、入浴とは異なり、衛生施設に不足していた時代においては、今日における病院の役割を果たす社会事業であり、“施浴”は、大切な布教活動でもありました。
[*入浴の功徳が説かれている経典『温室洗浴衆僧経(ぶっせつうんしつせんよくしゅそうきょう)』には、入浴は、七つの病を除き、七つの福が得られる「七難即滅七福即生」という言葉があり、入浴で身体を温め、垢を落とせば、病気が治癒し、健康になると説かれている。]
出典: また、今日では、体質改善、毒素排出、代謝アップ等など、水の飲用が身体に良い効果をもたらすことについては、説明するまでもなく、様々に論じられ、広く実践されています。
水の浄化作用については、なにも歴史や文化をわざわざ引き合いに出さずとも、汗をかいた時のコップ一杯の水の美味しさや、白湯の優しい味わい、湯船に浸かった時の人心地ついた気分を思い出せば、私たちは心身を通して、ごく自然に水のもつ“力”を感じています。
◆“温泉”は、浄化作用のある水に“大地のエネルギー”を加えたもの。
温泉は、ミネラル豊富な天然の湧き水や地下水、化石海水に、火山起源によるエネルギーが加わったものです。
地下でプレートが重なり合う日本列島は、世界有数の火山大国です。常に動くプレートは、沈み込む際のエネルギーによってマグマを生じ、周辺の岩石や湧水、地下水を温めます。日本は、噴火災害のリスクを負ってはいるものの、“温泉”という大きな恩恵を自然から得ています。
清らかな水に浄化作用があり、水の湧き出る場所が神聖な領域とされるのなら、古くから大事にされてきた“温泉”には、きっと偉大な力が具わっているはずです。そして、その温泉が“源泉かけ流し”であるならば、温泉のパワーが薄まることなく享受できるはずです。
出典: 以下では、都心部からアクセス抜群の、国内屈指の温泉場「箱根湯本温」の魅力について様々に紹介します。
1.歴史ある温泉場「箱根湯本」
関東圏の伝統ある温泉場
箱根随一の温泉場「箱根湯本」
2.「箱根湯本温泉」の人気を支える6つの要素
①アクセスの良さ
②周辺の自然環境
③個々のニーズに応じられる多様な温泉施設
④誰もが入りやすい泉質・“源泉100%かけ流し”の温泉
⑤食事も。カフェも。お土産も。多彩な商業施設
◆水が美味しい箱根ならではの“3つの食”
⑥観光スポットも豊富。
3.「箱根湯本」のお勧めの過ごし方。
4.日帰り温泉でも満足!
天山湯治郷・箱根湯寮・足洗の湯 和泉・弥次喜多の湯・その他の日帰り温泉施設
旅のInformation
旅のおわりに
出典: 多くの人々が暮らす都市近郊には、わざわざ遠方まで足を運ばなくても、天然温泉が楽しめる銭湯や温泉施設がにあります。
日々忙しい中で利用するにはとても便利ですが、施設周囲の環境は、日常生活の延長に在ることが多く、心身が共に“深く”リフレッシュするには至らないかも知れません。
【箱根湯本「花紋」の客室露天風呂。「花紋」の温泉は、全て自家源泉のかけ流し。施設内には、露天や大浴場、寝湯や洞窟風呂等様々な風呂が楽しめる『湯めぐり茶屋』がある他、貸切露天風呂や足湯があり、客室でも温泉が楽しめる。日帰りプランも豊富に用意されている。】
関東圏には、伊香保温泉(群馬)や草津温泉(群馬)、鬼怒川温泉(栃木県)や和銅温泉(埼玉)や湯河原温泉(神奈川県)等など、古くから評判の温泉場が数々あります。
概ねそうした温泉場の周辺は、自然豊かです。清涼な空気や緑深い山々、清水流れる川や絶景の海等など、自然環境に恵まれ、素晴らしい景観とともに、温泉入浴が楽しめます。【画像は、草津温泉の湯畑】
出典: 神奈川県の箱根も、都市圏から近い歴史ある温泉地の一つです。
美術館などの観光スポット、ロープウェイや海賊船といった乗り物、キャンプ場やハイキングコース、飲食店やリゾートホテルなどが数多に散在しているため、観光リゾート地として認識されやすいですが、ここ「箱根」は、れっきとした日本有数の温泉地。奈良期の僧によって*開湯され、温泉とともに発展した由緒ある地です。
*箱根最古の源泉「惣湯(そうゆ)」は、「ゆや権現」と慕われる神様を祀る「湯本熊野神社」の社殿の下にあり、現在も尽きることなく湧いている。
出典: 江戸期には、五街道(東海道)沿いの温泉地として繁栄し、温泉の質の高さから、湯本や塔ノ沢など“箱根七湯”として広く知られていました。明治期以降には、鉄道やホテルといったインフラや宿泊施設の整備が進むとともに新しい温泉場も次々と生まれ、平成の現在では、強羅や芦ノ湖等など箱根内だけで、20以上の温泉場を抱える程まで開発が進んでいます。
【創業寛永2(1625)年の老舗温泉宿「萬翠楼福住」の檜の露天風呂。国の重要文化財にも指定されている当宿では、毎分100リットル以上も湧出する自噴式源泉を単独管理。豊富に湧き出る温泉は“真綿にくるまれたよう”と評判。(宿泊のみ利用可)】
出典: 「箱根」と一口に言っても、強羅や仙石原、芦ノ湖等など、箱根には様々なエリアがありますが、「箱根湯本」は、標高の高い箱根中央部の山麓部。川沿いに細長く広がる町です。箱根で最も歴史が深い「箱根湯本」は、今もなお、コンコンと湧き出る湯のごとく、その人気が陰ることがありません。【箱根湯本駅からすぐの「あじさい橋」】
出典: 例年温泉人気ランキングで1、2位を争うほど人気を誇る「箱根湯本温泉」の魅力を一言で述べるならば、温泉を純粋に楽しめ、リフレッシュ出来る環境が整っていることに尽きます。
その魅力を支える要素は、都心部からのアクセスの良さ、猥雑さのない自然環境、温泉の質の高さ。そして、利用者の好みに応じられる温泉施設が種々様々にあることです。【「ホテルマイユクール祥月」】
出典: 箱根湯本が、江戸期から現在に至るまで活況を呈し、人気を博しているのは、繰り返しにはなりますが、何といっても都市部からのアクセスの良さです。「箱根湯本」は、草津や伊香保といった北関東の温泉場と異なり、都心部からの移動距離も短く、新宿から「小田急ロマンスカー」が直接乗り入れ、交通アクセスが抜群です。
【ロマンスカーは、全部で6車種。画像は、“ロマンスカーの伝統と魅力をモダンに昇華”した「VSE50000形」。座席角度を窓側に5度傾けて、車窓風景が楽しめる設計になっている。】
出典: 小田急ロマンスカーを利用した場合、新宿駅から約1時間30分で箱根湯本に乗り換えることなく到着できます。
たとえ、特急料金が発生しない快速急行を利用した場合でも、小田原乗り換えで2時間程度ですので、都市圏から“日帰り”でも、十分に温泉を満喫することが出来ます。
【東京メトロ線から箱根湯本へ通じる特急ロマンスカーも運行。画像は、箱根湯本駅に停車中の北千住行「メトロはこね号」。】
出典: 「箱根湯本」は、箱根の玄関口。
強羅や仙石原、芦ノ湖など、箱根の中央部へと繋がる登山鉄道が発着し、また駅周辺は土産物店が軒を連ねているため「箱根湯本」の駅周辺は、休日には多くの人で賑わいます。【箱根湯本駅近くの「あじさい橋」からの眺め】
出典: けれども、駅前の大通り(東海道・国道1号線)から中に一歩入れば、清々しい空気に包まれた当地ならではの自然環境、雰囲気が楽しめます。中央部へと連なる山並みは豊かな緑に覆われ、渓谷の景色も素晴らしく、春から夏の新緑、夏の木陰に渓谷の涼やかさ、赤や黄に染まる秋の山々、雪木立の冬景色と、四季折々の自然風景、景観を目にすることが出来ます。
【大名行列のモチーフがはめ込まれた須雲川に架かる橋】
出典: 「箱根湯本」が魅力的であるのは、現代の多様なライフスタイルと価値観に基づいた温泉施設があることです。「箱根湯本」は、銀山温泉や草津温泉、伊香保温泉といった温泉街の情緒や風情が魅力の伝統的な温泉場とは少々異なります。
【日帰り温泉施設・天山湯治郷「かよい湯治 湯屋一休」】
出典: 「箱根湯本」は、豊かな自然環境を活かしながら、利用者のニーズに応じて発展する温泉地です。老舗温泉宿から日帰りの温泉施設まで、新旧様々な入浴施設が調和しながら混在しています。【日帰り温泉プランが豊富な老舗温泉宿「吉池旅館」】
出典: 現代は、かつてのように皆が皆、旅館に宿泊して、温泉と食事を楽しみ、土産を購入して帰るというスタイルをとるわけではありません。また利用者の年齢層も幅広く、均一ではありません。【「吉池旅館」の日帰り温泉プランの昼食の松花堂弁当】
出典: 個人の背景やライフスタイルが様々であるように、温泉旅行のあり方も人それぞれです。
その日の気分を大切にして、思い立った時にぶらりと出掛け日帰りで温泉を楽しむ人もいれば、散策や食事、カフェタイムに重点をおいて、脱衣をせずに入れる足湯だけでも十分とする人もいます。また、温泉なら一人で行く方がリラックスできると考える人もいますし、それとは反対に、親しい人とゆったり過ごしたいという方も大勢います。
【箱根湯本で人気の菓子店前に設けられた源泉かけ流しの無料足湯】
出典: 「箱根湯本」には、利用者それぞれの様々なニーズに応えられる温泉施設が豊富にあります。
伝統的な温泉旅館や観光ホテルがある一方で、日帰りに特化した温泉施設も充実しています。施設の雰囲気も、食事の内容も様々で、創業当時の風情を保った宿もあれば、新進のモダンなスタイルのホテルもあります。
【伝統工芸・寄木細工を活かした「星野リゾート 界 箱根」のモダンなラウンジ】
出典: また多くの宿泊施設では、日帰り入浴や素泊まりも可能で、一人旅向けに仕様を変更した宿泊施設もあり、宿泊料も入浴料も幅が広く、予算や人数、日程に応じて好みの施設を選択することが可能です。
【女性の一人旅に人気の宿「養生館はるのひかり」の食事処。向かい合わせのテーブル席の外、カウンター席や大テーブルがあり、一人旅でも気軽に食事が頂ける。】
出典: もちろん、それらの施設は、眺望や雰囲気などは、先に述べたように自然豊かな環境を活かしたものであり、都市圏の温泉施設とは一線を画していることは言うまでもありません。【日帰り温泉施設「箱根湯寮」館内】
4.誰もが入りやすい泉質・“源泉100%かけ流し”の温泉
出典: 箱根は広く、温泉の泉質(効能)はエリア毎に異なり、実に様々です。
「箱根湯本」の温泉は、多くの人が患う肩こりや腰痛、筋肉痛や神経痛、冷え性等に効く、単純温泉やナトリウム塩化物泉が多く、無色透明、無味無臭で誰もが入りやすい泉質です。【日帰り温泉施設「箱根湯寮」の貸切露天風呂】
また、箱根湯本の温泉施設では、ほとんどが*“源泉100%かけ流し”です。湧き出したままの成分を損なわいため、効験があらたか。常に湧き出した湯が注ぎ入れられているため、多くの人が利用していても浴槽内はいつも清潔、清浄です。いつでも新鮮な湯で寛げます。
[*“かけ流し”とは、常に新しい湯が注がれ、注がれた分は浴槽外に溢れ出ていること。また溢れた湯を浴槽に戻したり、循環ろ過した湯で不足を補わないことが基本。]
出典: 日帰りでも、宿泊でも。一人でも、家族でも楽しめる「箱根湯本」は、ショッピングもカフェタイムも食事も、十分に楽しめる町です。【箱根湯本の銘菓『湯もち』で有名な「箱根ちもと」】
出典: 多くの人が行き交う駅前の商店街には、伝統工芸の寄木細工や温泉饅頭といった和菓子、相模湾の海の幸の干物や、蒲鉾といった練り物等などを商う店が軒を連ね、色とりどりの品々が並んでいます。【「菊川」の名物『箱根まんじゅう』】
出典: 店頭に並ぶのは、伝統的なものからモダンなスタイルのものまで様々です。土産という枠を超えてショッピングが楽しめます。
【「箱根・ルッカの森」は、箱根湯本で有名菓子店「菜の花」の姉妹店。画像は、パリパリとした食感の皮としっとりとしたスポンジ生地の中に、新栗の渋皮煮が丸ごと入った人気菓子『焼きモンブラン』。】
出典: 駅前の商店街にも多くの飲食店がありますが、路地や川沿い、旅館がならぶ温泉街にも、箱根ならではの食が楽しめる蕎麦店や食事処、ベーカリーなどが点在しています。
【箱根湯本の温泉街に佇む飲食店(画像手前が、豆腐料理が名物の和食店「知客茶家」、奥が自然薯蕎麦「はつ花本店」。)】
出典: その他、箱根湯本の自然景観や古民家の風情を活かしたカフェや、地元に根付いた喫茶店も数々あり、ゆったりとした一時も楽しめます。
【箱根湯本の人気のカフェ「Timuny.(ティムニー)」。落ち着いた雰囲気の店内からは、早川と豊かな緑が望める。(画像は『ベイクドチーズケーキ』)】
出典: 箱根グルメで特に知られているのは、蕎麦・豆腐(湯葉)・パンです。
【箱根湯本の人気蕎麦店「はつ花」のとろろ蕎麦『貞女』。「はつ花」の蕎麦は、自然薯と玉子をつなぎにして打たれている。】
出典: この3つの食は、用いる“水”の質が問われる食べ物です。【早川沿いの和食店「直吉」の人気名物『湯葉丼』】
出典: 箱根は、名水が多く湧き出る地。箱根湯本には、美味しい“水”を活かした、雰囲気も味も素晴らしい店が多々あります。せっかく足を運んだのなら、当地ならではの食も楽しみましょう。
【富士屋ホテル直営のベーカリー「ピコット 箱根湯本駅前店」の人気商品『カレーパン』】
出典: 「箱根湯本」には、早雲寺や阿弥陀寺、深沢銭洗弁財天といった神社仏閣、玉簾の滝や湯坂山といった自然景勝地、旧東海道の石畳といった史跡が点在しています。宿泊して時間があるのなら、豊かな自然を味わいながら、名所やスポットも訪ね歩くことが出来ます。
【箱根湯本駅の隣駅「塔ノ沢駅」にある「深沢銭洗弁財天」。この界隈へは、箱根湯本から徒歩やバスで訪ねられる。】
出典: また、箱根北原ミュージアムといった文化施設や、フォレストアドベンチャーといったアクティビティ施設もあり、ハイキングコースも整備されているので、“温泉”以外のアクティビティも楽しめます。
【6月下旬の「阿弥陀寺」境内。箱根登山鉄道沿線は、あじさいの名所で有名だが、当境内も時期になるとあじさいの花々で彩られる。緑深い山中にある境内へは、ひたすら山道を上るが、訪れるに値する箱根湯本の名所。】
出典: 「箱根湯本」の魅力を列挙しましたが、大人の方々が箱根湯本へ足を運ぶのなら、やはり温泉を中心とした過ごすのがお勧めです。日帰り、宿泊に問わず、温泉施設が豊富で個人の好みに応じて施設を選べるため、ストレスを感じることなく温泉をじっくりと楽しめるからです。
【「養生館はるのひかり」の大浴場。温度別に3つの浴槽が用意され、春から秋の季節は、窓を外して半露天風呂となる。】
出典: 特に“温泉”に関心が向く方は、概ね“疲れ”が溜まっています。身体に特に異常を感じなくても、湯船でほっと寛ぐ心地にきっと惹かれているはずです。
温泉は、先に述べたように、清らかな水に大地のエネルギーが加わったもの。箱根湯本温泉は、湯量豊富な“源泉かけ流し”です。せっかく足を運ぶのですから、好みの温泉施設を選び、自然景観と温泉をゆったりと楽しむのが肝心です。
【日帰り温泉施設「天山湯治郷」内の休憩所】
★観光スポットも巡るのなら、宿泊旅行の日中に。日帰りなら、温泉だけでも十分に満足できます。
出典: 思い立ったら出掛けられるのが「箱根湯本」の魅力ですが、予約不要で入浴出来るのが“日帰り”温泉施設の良さです。「箱根湯本」には、従来の温泉施設とは異なる、当地ならではの環境を活かした日帰り温泉施設が多彩にあります。
【「箱根湯寮」の大浴場】
出典: 「天山湯治郷」は、豊かな自然景観を活かした箱根湯本を代表する温泉施設です。
渓谷沿いに広がる敷地には、「ひがな湯治 天山」・「かよい湯治 一休」の日帰り温泉施設、連泊滞在の温泉宿「逗留湯治 羽衣」が点在し、来訪者の趣向に応じた入浴が楽しめます。
出典: 温泉だけでなく、当施設では、食事も魅力。宿では、身体に優しい野菜中心の料理が頂け、当地ならではの蕎麦を提供する食事処も完備しています。【当地に湧き出る温泉で手打ちした蕎麦が頂ける「じねん蕎麦 すくも」の『ざるそば』】
出典: 古民家風の里山温泉をイメージした「箱根湯寮」は、19室の貸切個室露天風呂「離れ湯屋 花伝」と、大浴場「本殿 湯楽庵」からなる、森の中の日帰り温泉施設です。
出典: 寮内には、食事処、土産売店、リラクセーション施設が併設され、外に出ずとも日がな一日ゆったりと過ごせます。
出典: 食事付きのプランの他、歓送迎会等で利用できる宴会プランもあり、お得に入浴が楽しめます。
【箱根湯寮と箱根湯本駅を繋ぐ送迎バスは、10〜15分間隔で運行。詳細は、以下の公式サイトへ。】
出典: 「和泉」は、日帰り特化した温泉施設。箱根温泉発祥の源泉(惣湯)と当館所有の源泉を楽しめるのが魅力です。館内には、内湯と外湯があり、外湯の「美肌湯」は、肌がツルツルピカピカになると評判です。
出典: 貸室(有料)もある館内は、昔ながらの懐かしい雰囲気。宿泊せずに温泉宿の雰囲気も味わえます。
【湯上がりはやっぱりコレ!絶妙な甘さが美味しい「大木牛乳」は、伊豆や神奈川の一部地域でしか味わえない希少なもの。】
出典: 旅のスタイルはそれぞれです。
「弥次喜多の湯」は、食事処を併設しない、素泊まりに特化した温泉宿。“6つのお風呂を持つ、ホテルでもない、まったく新しいタイプの湯泊りの宿。日帰りの客様大歓迎の施設です”。【「弥次喜多の湯」の貸切風呂】
出典: 箱根湯本温泉では、日帰りでも楽しめる宿泊施設が豊富にあります。
食事やバイキングとセットになったお得のプランも様々に用意され、温泉とともに、宿ならではの雰囲気や食事が楽しめます。以下の観光協会のHPで検索が出来るので、予算や日程などと照らし合わせて、好みの温泉施設を選んでみましょう。
【日帰りでも温泉が楽しめる「箱根の湯 花紋」の『湯めぐり茶屋』】
出典: 【「箱根湯本富士屋ホテル」の客室・トレインビュールーム】
出典: 都心部から箱根湯本に行くのなら「小田急ロマンスカー」は外せません。公式サイトでは、空席照会や予約ができます。
【小田急ロマンスカー・展望席】
出典: 小田急ロマンスカーは、車内販売が充実しています。要予約弁当以外にも、ヒレカツサンドや季節の弁当、ティーブレイクセット等など様々なメニューが用意されているので、ぜひ利用して車中でもゆったりと旅を楽しみましょう。
出典: 箱根湯本では、温泉旅館送迎シャトルバスが出ています。コースは宿別で、A・B・Cの3コースあるので、上手に活用しましょう。バス乗り場、時刻表は、以下の箱根登山観光バスのHPに掲載されています。
出典: ついつい私たちは、日々の暮らしの中で染み付いてしまった行動パターンを、“旅”の中でも繰り返してしまいます。
それは、多くの事を目一杯にこなそうとするものです。
気を休め、骨を休め、気分転換をはかるために“旅”に出るのですから、あれもこれもと目移りし、動き回っては、身体も心も休まりません。湯船に浸かる時の心地良さに集中し、身体を癒やし、心を潤わせて下さい。【「箱根湯寮」】
出典: 箱根湯本は、都市部に暮らし、変容し続ける私たちを優しく抱きとめ、リフレッシュさせる地です。
豊かな自然の中に、様々なスタイルの温泉が用意されています。温泉に浸かり、界隈を散策するだけで、心身がリセットされます。
“温泉”に心惹かれたら、ぜひ「箱根湯本」を訪れてみましょう。あなたが好む“湯”と、きっと出会えるはずです。
【「箱根湯寮」離れ湯屋・花伝】
神事の禊(みそぎ)や神社の手水(てみず)、相撲の力水(ちからみず)が示すように、水には罪や穢(けがれ)を洗い清め、浄化する作用があるとして、日本では古くから、節目節目で水を用いてきました。
【幾筋もの白糸が落下する優美な姿の「玉簾の瀧(たまだれのたき)」。箱根湯本のパワースポットでも有名。】