荘厳な城郭に、格調高い日本庭園。

吉備の国“岡山”
海上にも大小の島々を有し、中国地方で一番の広さを誇り、全国一晴天日が多い“晴れの国”です。
そうした恵まれた環境は太古も同じ。
鷲羽山遺跡や黄島貝塚が残るように、造山古墳や両宮山古墳の大型古墳が示すように、岡山の地には、原始時代から人々が暮らし、温暖な気候と豊かな自然環境を背景にして、高度な文明が築かれ、豊かな文化が育まれてきました。
戦国期には、宇喜多秀家の築城に始まった中心部が、江戸時代に池田氏31万5000石の城下町として栄え、倉敷が紡績で発展したように、明治以降は県内各地で工業も盛んになりました。
現在では、岡山空港や瀬戸大橋、山陽新幹線や岡山自動車道等の高速交通網が整い、中国・四国地方への中枢拠点、果物や米の農産地、瀬戸内の水産地として広く知られています。最近では、児島デニムに注目が集まっているように、倉敷帆布等“Made in岡山”のブランドも人気を博しています。
岡山は、観光名所が盛りだくさん。
四国や京阪神と近く、交通網も整っていることから、観光先として人気の高い県です。そして、大いなる時の中で、恵まれた自然環境を活かして独自の文化を育んだ土地です。そこかしこに文化遺産があり、訪れれば、歴史に根ざした、文化の薫りを肌で感じることができます。
県内で一番人気の観光名所は「倉敷美観地区」です。白壁の蔵や屋敷、町屋が連なる風情ある町並みは、老若男女問わず人気。すでに訪れた方もきっと多いはずです。
でも、自然環境に恵まれ、歴史ある岡山には、「倉敷美観地区」以外にも、訪れたくなる素敵な場所が、数限りないほどにあります。今記事では、「倉敷美観地区」以外の、電車やバスでも気軽に出掛けられる、岡山の観光名所を取り上げます。倉敷にはもう何度も訪れた、倉敷+αで旅程を組みたい、出張や帰省のついでに立ち寄りたいという方向けに、日帰りで楽しめる、飛び切りの岡山の名所を取り上げて紹介します。
本記事で紹介するのは、岡山中心市街・吉備路・高梁・吹屋の4箇所です。
各項毎に、心躍る素敵な風景や文化遺産、また当地ならではの料理やスウィーツを頂ける、居心地抜群のカフェや食事処を、色とりどりに紹介します。
紹介するのは、風情ある古民家を改装したカフェや食事処を中心に、地元の人が愛してやまない味の店や、代々続く老舗菓子店等、全部で36店舗。どの店も、お腹も心も満足し、財布に優しく、気軽に立ち寄れる店ばかりです。日帰りの旅でも、ランチやカフェタイムを十分にとって、店の風情や味わいを十分に楽しんで下さい。
1-1.旅の始まりは、城下町・岡山から。岡山城・後楽園
1-2.城下町岡山でランチ&カフェタイム
1-3.岡山城・後楽園周辺でランチ&カフェ
1-4.旅の発着「岡山駅」で。ランチ&カフェ&定番のお土産
2-1.桃太郎伝説と吉備文化 吉備路を旅して
2-2.吉備路で。ランチ&カフェ
3-1.備中の小京都と雲海に浮かぶ山城 「高梁」
3-2.城下町“高梁”で。ランチ&カフェ&土産物探し
4-1.ベンガラ色の昔町。「吹屋」そぞろ歩き
4-2.ベンガラ色の昔町で。ランチ&カフェ&お土産探し
おわりに
1-1.旅の始まりは、城下町・岡山から。岡山城・後楽園
岡山の中心市街を訪ねるのなら、見どころは2つ。
岡山のシンボル「岡山城」と、日本三名園の一つ「後楽園」です。
岡山城と岡山後楽園は、旭川を挟んで隣接しているので、水辺の景色と豊かな緑を楽しみながら、散策してみましょう。JR岡山駅からアクセス良いので、半日あれば十分に見学できます。
岡山城&後楽園へのアクセス
漆黒の美 天下の名城“岡山城”
緑と水の美しさ 日本三名園「後楽園」

池や築山、曲水(曲がりくねった水路のこと)や樹林等など、様々に移り変わる景色を愛でながら巡り歩けば、豊潤な絵巻物を楽しんだ気分になるはず。
【画像は、花菖蒲畑の「八橋(やつはし)」。曲水に板が架かる風雅な情景。菖蒲は梅雨の季節が見頃。】
1-2.城下町岡山でランチ&カフェタイム
後楽園内で。景色と風情を楽しんで
1-3.岡山城・後楽園周辺でランチ&カフェ
- 住所
- 岡山市北区表町1丁目9-67
- 営業時間
- [営業時間]
LUNCH
11:00~15:00(14:00 O.S)
DINNER
17:00~22:00(21:00 O.S)
全日(15:00~17:00 close )
- 定休日
- 定休日なし
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999 /¥1,000~¥1,999
- 住所
- 岡山市北区表町1-1-8 ライオンズタワー岡山表町 1F
- 営業時間
- 11:00~17:00 (食事・喫茶のラストオーダー16:30)定休日:火曜日
- 定休日
- 火曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
1-4.旅の発着「岡山駅」で。 ランチ&カフェ&定番のお土産
新幹線や在来線、路面電車やバスも発着する岡山駅の周辺には、大型商業施設や宿泊施設が林立し、食事場所には困りません。でも、はるばる遠方から訪れるのなら、地元の方々がこよなく愛する店を訪れて、岡山ならではの美味しいものを頂きましょう。
さっぱりと、和の食事。
- 住所
- 岡山市北区幸町4-26 大重ビル 1F
- 営業時間
- [月・木・金・土・日]11時〜17時
火曜日11時〜15時
売り切れじまいあり
- 定休日
- 水曜日(祝日の場合は翌日)
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
岡山とっておきグルメ
- 住所
- 岡山市北区平和町1-10 野村ビル 1F
- 営業時間
- [火~日・祝]
11:00~14:30
17:30~20:30
- 定休日
- 月曜日
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999 /¥1,000~¥1,999
カフェでランチ&スウィーツ
岡山ならではの定番土産3選
2-1.桃太郎伝説と吉備文化 吉備路を旅して
岡山市の西部から西方向、旧山陽道に沿う“吉備路”も、岡山城や後楽園と並ぶ観光名所。里山ののどやかな風景の中に、備前国一宮「吉備津彦神社」や全国一の大きさを誇る前方後円墳の「造山古墳」等、我が国の歴史に欠かせない古社や古墳が点在しています。
近年では、そうした史跡だけでなく、古民家を改装したカフェやレストランも人気を博し、カフェ巡りをしながら吉備路を楽しむ人が増えています。特に備中国分寺近辺には、数多く点在しています。ぜひ、ランチやカフェを楽しみながら、吉備路を散策してみましょう。
サイクリングでめぐる吉備路
吉備路へのアクセス&サイクリングロード
・荒木レンタサイクル 0866-92-0233
・高谷レンタサイクル 0866-93-3421
・ウエドレンタサイクル 086-284-2311
2時間まで400円以後1時間につき200円加算、1日1,000円
備前一宮「吉備津彦神社」
山陽道屈指の大社「吉備津神社」
吉備路の情景「備中国分寺」
2-2.吉備路でランチ&カフェ
- 住所
- 総社市岡谷1590
- 営業時間
- (火〜日・祝日が月曜日の場合)
11:00~15:30 17:00~20:00(L.O.19:00)
☆水曜日はランチ営業のみ☆
11:00~15:30
その他不定休あり
- 定休日
- 月曜日(月曜日が祝日の場合は営業)
- 平均予算
- ¥1,000~¥1,999
- 住所
- 総社市総社2-12-24
- 営業時間
- [月・火・金・土]
12:00~18:30
[水]
14:00~18:30
[木]
12:00~18:00
- 定休日
- 日曜日
- 平均予算
- ~¥999
吉備路を旅して
“吉備路” 旅のInformation
3-1.備中の小京都と雲海に浮かぶ山城 「高梁」
「高梁」は、鎌倉時代から続く伝統と歴史をもつ城下町です。今もなお往時の面影を残した文化遺産が数多く残り、散策すれば、城下町ならではのしっとりした風情を楽しめます。ここ高梁は、「男はつらいよ」や「バッテリー」など映画のロケ地として登場しています。興味のある方はぜひ立ち寄ってみましょう。(「高梁テクテクマップ」参照のこと)
高梁での見所は、武家屋敷街の「石火矢町ふるさと村」や風情ある町並みの「紺屋川美観地区」、枯山水庭園の「頼久寺」。そして何と言っても、天空の城「備中松山城」と「備中松山城を望む展望台」です。
備中高梁へのアクセス&旅のTIPS
近隣よりのアクセス
車でのアクセス
岡山自動車道賀陽(かよう)インターより国道484号線で市街地まで約15分
岡山自動車道有漢(うかん)インター(高梁市有漢町)より国道313号で市街地まで約25分
電車でのアクセス
岡山駅より伯備線で備中高梁駅まで特急で約35分
倉敷駅より伯備線で備中高梁駅まで特急で約23分
新見駅より伯備線で備中高梁駅まで特急で約32分
高梁で、備中松山城、武家屋敷(2館)、頼久寺庭園、郷土資料館を訪れる予定ならば、4館共通券を購入するとお得です。
武家屋敷が続く町並み「石火矢町ふるさと村」
川沿いの趣き 「紺屋川美観地区」
枯山水の名勝庭園 「頼久寺」
雲海に浮かぶ山城 「備中松山城」
JR高梁駅から「備中松山城」へのアクセス
◆3月から12月の土日曜日、祝日は、一般車両は、城見橋公園に駐車し、登城シャトルバスに乗り換えて、ふいご峠まで移動となるので、要注意のこと。詳細はHPで確認しましょう。
アクセス
<自家用車の場合>
平日及びシャトルバスが運行していない日は、ふいご峠(8合目)まで自家用車であがれます。シャトルバスが運行している日に限り城見橋公園(5合目)に駐車していただき、シャトルバス(往復300円)でふいご峠(8合目)まであがっていただくようになります。ふいご峠(8合目)からは徒歩で約20分程です。
<電車・バスでお越しの場合>
備中高梁駅前観光案内所より『観光乗合タクシー』を運行
いざ!山城へ。備中松山城

天守は、木造本瓦葺。二層二階建てですが、一見すると三階建てに見える特徴的な造りです。土塀共々国の重要文化財に指定されています。【画像右から、天守閣・五の平櫓・六の平櫓】
雲海に浮かぶ備中松山城を望む展望台
雲海に浮かぶ備中松山城を望む展望台
雲海が発生する時期は、9月下旬~4月上旬の明け方から午前8時頃。特に10月下旬~12月上旬の早朝には濃い朝霧が期待できます。雲海に浮かんだ備中松山城の姿は幻想的で、だれもが写真に撮りたいと思うおすすめスポットです。
■雲海が出る条件
・早朝に天候がよく、朝方と日中の気温の差が大きい日
天気予報を見て、「晴れ予報の日」「最低気温が低い日」を狙うと可能性が高いです。
3-2.城下町“高梁”で。ランチ&カフェ&土産物探し
- 住所
- 高梁市頼久寺町13-11
- 営業時間
- 8:00~20:30(L.O.20:00)
モーニングメニュー 8:00~10:30
ランチメニュー 10:30~15:00
オムライスメニュー 10:30~
- 定休日
- 不定休(日曜・祝日は17時に閉店)
- 平均予算
- ~¥999
郷土に愛される素朴な味わい。高梁のお土産
“備中高梁” 旅のInformation
4-1.ベンガラ色の昔町。「吹屋」そぞろ歩き
高梁市の山中にある「吹屋」は、ベンガラの産地として、幕末から明治にかけて栄えた集落です。
現在からは想像しがたいですが、ここは江戸期から戦前まで日本三大銅山の町として大いに栄えた場所で、江戸末期からは、日本でただ一つのベンガラ産地として繁栄しました。
吹屋へのアクセス&散策マップ&Information
「吹屋ふるさと村」を歩いてみましょう。
現在も、この赤い町並みには、地域の人々が暮らしを営んでいます。旧片山家等の一般公開施設以外の家屋に立ち入らないようにしましょう。
4-2.ベンガラ色の昔町で。ランチ&カフェ&お土産探し
昔町をじっくり楽しむのなら、宿泊して。
おわりに
穏やかな風土の下、太古の昔から人々が暮らしを営んできた岡山。
温暖な気候と恵まれた自然環境は、山海の恵みをもたらすだけでなく、人々に豊かな文化をもたらしました。日本最古の藩校が県内に残るように、ここ岡山は教育、人材育成も他の地域よりも進んでいた地です。
古き好き伝統を重んじながらも、革新的。小堀遠州の庭や、吹屋のベンガラ、古民家カフェの設えや、地産食材の料理が語るように、岡山は、いつの時代も新しい技術やデザインを取り込み、さらなる美や価値を積極的に生み出しています。そして、その歩みは今も留まることを知りません。。
ぜひ記事を参考に、岡山を訪れて下さい。きっと、岡山の素晴らしい伝統と革新の軌跡と出会えるはずです。
【画像は、岡山後楽園の「大賀ハス」。】
【岡山のシンボル“岡山城”】