ミュージカル映画の魅力を再発見!
ところで、ミュージカル映画の始まりはいつかご存知ですか?
それは、映画史における偉大な発明と深く結びついています。1920年代、トーキーの発明により映画産業は無声映画に別れを告げました。
ミシェル・アザナヴィシウス監督の映画「アーティスト」は現代におけるサイレント映画として大変話題になりましたが、まさにその時代へのオマージュと言える作品です。歌声や音楽が入ることで、より躍動感ある映画作りへと駆け抜けていった時代。同時にミュージカルはそれを最も象徴するようなジャンルだったのです。
オードリー・ヘップバーンとも「パリの恋人」で共演しました。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
明るく楽しい気分にさせてくれるミュージカル映画
「雨に唄えば」
サイレントからトーキーに移り変わる映画業界の裏側をコメディータッチに描いたこの作品は、痛快さもあってとっても楽しい映画です。
ジーン・ケリーの美しく流れるようなステップ。土砂降りの中を軽やかに。恋する気持ちがいかに素敵か伝わってきます。
「マイ・フェア・レディ」
華麗な衣装も含めて、気分が華やぎ楽しい気分にさせてくれる映画です。可憐でお茶目なオードリーがとっても魅力的です。
「メリー・ポピンズ」
主演は「サウンド・オブ・ミュージック」のジュリー・アンドリュース。今となっては、すっかりメリー・ポピンズ=ジュリー・アンドリュースのイメージが定着しました。共演したディック・ヴァン・ダイクとのダンスシーンは振付もすばらしく、見ごたえもあります。
子どもも大人も存分に楽しめる,そんなミュージカル映画です。
「メリー・ポピンズ(原題:メアリーポピンズ)」の原作者、パメラ・トラバースの人生、ウォルト・ディズニーとの交渉...彼女がどれほど、この「メリーポピンズ」に思い入れがあったか、どれほど、子ども時代を大切に考えていたかを実感させられます。
こちらの映画もあわせて見れば、「メリー・ポピンズ」のキャラクターにさらなる魅力を感じることができるでしょう。
「ロシュフォールの恋人たち」
お祭り準備で活気づくロシュフォールの町を舞台に、さまざまな背景を持つ人々が交差し生まれるストーリー。ポップでカラフルな雰囲気の演出に心が明るくなります。カトリーヌ・ドヌーブとフランソワ・ドルレアックのくるくる変わる表情ととびきりお洒落な帽子やドレスも必見です。
美しく切ないラブストーリー
「ウエスト・サイド物語」
ヒロインが恋人と語らう場面や、グループ同士がぶつかるシーンなど凝った舞台演出も注目されました。
ヒロインは可憐な美しさが魅力のナタリー・ウッド。衣装もとっても素敵でした。
「シェルブールの雨傘」
アルジェリア戦争下のフランスの港町シェルブールを舞台に、時代に翻弄される若い1組のカップルの人生を描きました。語りを一切加えず、全てのセリフにメロディーをつけて完全なミュージカルのスタイルを貫いた作品。純真な男女の恋心が一層切なく、美しく感じる映画です。
カトリーヌ・ドヌーブの繊細な内面を表すかのような目線がとても印象的です。今にも壊れそうなはかなさと、芯の強さ。彼女の目は常にいろんな感情を含んでいるようで、改めて稀有な女優なのだと感じさせます。
「ムーラン・ルージュ」
ストーリーはアレクサンドル・デュマ・フィスの「椿姫」から着想を得ていると言われています。「椿姫」のヒロインの冷たく美しくはかなげなイメージは、二コール・キッドマンにぴったりです。
大勢のダンサーによる華麗なダンスと、きらびやかで美しいものの中にどこか毒を含ませたかのようなバズ・ラーマンの演出に魅了されます。
音楽で大きな感動を伝える王道のミュージカル映画
「サウンド・オブ・ミュージック」
第二次世界大戦下のオーストリアが舞台の本作は、何と言ってもアルプスを望む自然が圧倒的です。主演のジュリー・アンドリュースの透き通るような美しい歌声、子ども達の表情の豊かさ、感動の場面で流れる音楽。いつ見ても色あせない感動を与えてくれる作品です。
テーマには家族の絆があります。家族が共に歌で苦しみを乗り越え、前を向いて生き抜くことを選ぶ力強さに、いつの時代にも通じる希望を感じさせてくれます。
「レ・ミゼラブル」
実力派俳優の共演と、俳優が演じながら歌い、その場で録音したことで話題になりました。より生の、より真に迫った演技を見ることで、観客は深い感動に包まれます。美しく壮大なスペクタクルも映画だから表現できる世界。映画とミュージカルそれぞれの持つ表現の可能性を最大限に高め合った作品と言えるかもしれません。
山場である革命のシーンもミュージカルとは違う映画ならではの迫力に引き込まれます。主人公のジャン・バルジャンの波乱万丈の数奇な人生と、時代に翻弄される登場人物たち。映画が進行する程、引き込まれて、2時間半があっという間に過ぎてしまいます。
「ANNIE/アニー」
「見れば元気になる」、きっと世代を超えて、愛され続けるミュージカル映画です。
めくるめくダンスに魅せられる!ミュージカル映画
「コーラスライン」
ダンスや歌で感動させるとはこういうことなんだと力強く訴えかけ、ショービジネスの根底にあるべきものを垣間見せてくれるような映画です。
ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインに掛ける夢
2006年にブロードウェイでリバイバル上演されたミュージカル「コーラスライン」のオーディション風景を描いた本作は、まさに映画「コーラスライン」がリアルな若者の人生とぴったり重なった瞬間を見ることができます。
彼らのダンスや歌を通して、「どうしても役を掴みたい」「ブロードウェイで成功する」という熱い思いが伝わってきて、こちらまで胸が熱くなります。
「シカゴ」
ショービジネスの世界と刑務所を結びつける斬新な発想がユニークなストーリー。有名になりたい!注目されたい!スターになりたい!、罪を犯して刑務所にいるのに、スターになる夢をあきらめない強欲な女たち。そのむき出しの欲がなぜか爽快に感じたり、映画で描かれる女たちの争いに、気付けば惹きこまれてしまうのが不思議です。
主演のレネー・ゼルヴィガーの演技もすばらしいのですが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが演じた役は彼女にしかできなかったのではないかと思わせるほど、はまり役です。「Cell Block Tango」のシーンで魅せるダンスと歌は、迫力があってとにかくかっこいいの一言。痛快なラストシーンも含めて、女性の強さに感服してしまいます。
メインキャストは、レネー・ゼルヴィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ・リチャード・ギア。この豪華な顔ぶれも魅力的!
ミュージカル映画の新たな可能性を見せてくれる映画
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」
失明する運命にある女性が、同じ運命を辿る息子のためにしたこと。これほど胸が痛くなるミュージカル映画は他にないのではないでしょうか。どん底の生活の中で彼女が見る空想のシーンをミュージカル仕立てでカラフルに描き、非情な現実とのコントラストを見せます。ビョークのピュアな眼差しと突き刺すような歌声がいつまでも心に残る映画です。
トム・ヨークとデュエットした主題歌「I've seen it all」も話題を集めました。
「8人の女たち」
ミステリーをミュージカル仕立てに描くという野心作でもあるこの映画は、それぞれの女優がとにかくすばらしく個性的で魅力的。実力ある女優がこれだけ揃って面白くないわけがありません。クラシカルな衣装やカラフルなセットも華を添えます。
フランスらしいウィットに富んだ作品です。
写真はイメージです