心癒される映画でおうち時間を充実したものに
東京物語
終戦後、尾道に暮らす老夫婦が、東京で暮らす子供たちに会いに上京する。子供たちは両親を歓迎しつつも、自分たちのことで精いっぱいでなかなか構ってもいられない。子供たちがすっかり変わってしまったことに落胆していたところ、唯一受け入れてくれたのは戦死した次男の嫁・紀子であった。
東京オアシス
「マザーウォーター」の松本佳奈監督と「かもめ食堂」「めがね」のプロジェクトチームによって、東京を舞台として創られた「東京オアシス」。お馴染みのキャストによる安心感と心に染み入る演技、美しい映像等に心癒される作品です。
深夜の国道で走るトラックに向かって駆け出そうとしていた喪服姿のトウコ。その様子に気づいたナガノにトウコは助けてもらう。ところ変わってそこは映画館。トウコが目を覚ますとかつての知り合いであるキクチがそこに立っていた。女優である主人公が日々の生活を営む東京での小さな出会いやふとしたふれあいの中で、自分自身を見つめていくヒューマンストーリー。
音楽も少なく会話中心に進んでいく静かな作品ではありますが、なんてことない日常を映し出しただけの美しい風景に、はっとさせられてしまいます。大切なものとは毎日見ている風景の中にあるものとだと気づかせてくれる映画です。
四月物語
「リップヴァンウィンクルの花嫁」「花とアリス殺人事件」といった人気作品を手掛けた岩井俊二監督の初期の作品です。
東京の大学に通うために北海道から上京してきた女子大生の不純な動機とは…。新しい環境、人との出会いを通じて東京での生活に溶け込んでいく。そして淡い恋心の行方は?
物語に大きな変化はないけれど、新しい生活が始まる嬉しさと不安がない交ぜになる四月特有の高揚感を感じ、新鮮な気持ちにさせてくれます。また桜や雨のシーンなど美しいシーンも満載で、眺めているだけで心癒される作品です。
彼らが本気で編むときは
「かもめ食堂」でおなじみの荻上直子監督による、LGBTとさまざまな家族の在り方をテーマに描かれた作品。全体的にゆったりとした空気感の作品ですが、時折見え隠れする社会問題に深く考えさせらる、そんな見ごたえのある作品です。
トランスジェンダーの女性リンコと恋人のマキオ、マキオの姪であるトモの3人がひょんなことから共同生活がはじまります。時間さえあればリンコは編み物で何かを作っています。その正体とは?そして、日々を重ねていくうちにリンコとマキオはトモを本当の家族として受け入れることを決心します。
一見するとトランスジェンダーの女性リンコに焦点がいきがちですが、その他にも性差別、育児放棄、愛着障害といった問題が絡んできます。本当の家族とは?血のつながりとは?ということを深く考えさせられながらも、ゆったりとした作品のムードに癒されてしまいます。
東南角部屋二階の女
カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門に正式招待されるなど注目を浴びている池田千尋監督による初長編監督作品である「東南角部屋二階の女」。西島秀俊と加瀬亮が出演し話題を呼びました。
哀愁が漂う美しい映像が魅力のこの映画は、全編通して8mmフィルムで撮られているとのこと。そのせいもあってか、何の変哲もないごく普通の風景がとても印象的に見え、映画を通して人生の休憩時間を味わうようなそんな気持ちにさせてくれます。疲れたときにおすすめの映画です
戦前から戦後にかけて活躍された名女優、原節子がヒロインの映画「東京物語」。今でもなお多くの人々に愛されている名匠小津安二郎監督の代表作です。