樋口愉美子さんの刺繍の世界
樋口愉美子さんは多摩美術大学を卒業後、ハンドメイドバッグデザイナーとして活動を開始。その後、2008年からは刺繍作家としてすこしずつ作品を発表し始めます。
樋口さんの刺繍作品は、図案の考案から製品として仕上げるところまですべて、ご自身で製作されています。すべての工程において、丁寧にひと針ずつ縫われているなんて驚いてしまいますね。
刺繍を製作される工程や、作品などをインスタグラムで公開されている樋口さん。刺繍の道具もどこかノスタルジックな印象の素敵なものばかりで、見どころが満載です。
刺繍とひと言で言っても、表現方法はさまざまです。樋口さんの刺繍はデザイン性も高く、パネルにして飾っておくのも素敵です。
樋口さんらしさが溢れる*お花のモチーフたち
シロツメクサの花輪はお花の部分がふっくらと立体的に仕上がっていて、まるで本物のお花のよう。春の訪れに心がときめきます。
同じお花のリースでもオーバルに仕立てると雰囲気ががらりと変わります。上品な大人っぽさがプラスされました。
穏やかな色味の糸を使って、ふんわりとした春の空気感を。刺繍枠いっぱいに刺繍することで、迫力のある仕上がりになりましたね。
カラフルな大小さまざまなお花を隙間なく配置して、まるでお花の図鑑のような印象になりました。刺繍の刺し方を変えて、お花や葉っぱの質感を表現しています。
紫のお花をたっぷりと集めて。紫は高貴な雰囲気を作り出すことができる素敵なカラーです。色数を抑えるとすっきりとしたイメージになりますね。
平面的に刺繍をほどこすとまるでプリントされたような均一感が生まれます。リズミカルに繰り返す刺繍は、いろいろなものに展開できそうです。
簡単なステッチも大きく展開すると、こんなに華やかで可愛らしい雰囲気に仕上げることができます。
ナチュラルモチーフをたくさん入れたステッチの見本帳のようなお洒落な作品です。自然が見せてくれるかたちの美しさを実感することができますね。
ウールの糸を使っても、明るい色味をチョイスすると春めいた雰囲気を醸し出すことができます。刺繍は、移り変わる季節を感じさせてくれます。
ゆったりと配置したナチュラルモチーフの間に、こんな風にメッセージを潜ませるのも素敵。たった一言でも、心がしっかりと伝わりそうです。
素朴で可憐なお花畑に、目が奪われます。適度な間隔がよりお花を引き立てています。
使いやすいアイテムに仕立てて
刺繍をクロスに仕立てると、あっという間におうちの中に取り入れやすいアイテムに変わります。樋口さんの刺繍作品は、親しみやすい優しさを暮らしにもたらしてくれます。
シックな雰囲気のお花のリースはセンターピースに仕上げて。壁にそのまま飾ったり、花瓶を飾ったりするのもいいですね。
同じ図案でも布や糸のカラーが変わると、まったく違う印象になります。同じモチーフをいろいろな色で刺繍するチャレンジをしてみたくなります。
白い布に刺繍をほどこした爽やかな雰囲気のミニバッグ。清楚なワンピースに合わせると、おでかけにも行くことができるアイテムに仕上がりました。
革ひもを使ったポーチは二色の刺繍で大人っぽく。エレガントで、持っているだけで気持ちが上がりそうですね。
お花で作った鱗模様のがま口バッグは、そっと触れるとその繊細さにため息が出てしまいそう。深みのある布のカラーと刺繍の雰囲気がよくマッチしています。
樋口さんの新しい本が発売されました
『樋口愉美子の刺繍時間 5つの糸で楽しむ植物と模様』
新作の本から刺繍をご紹介
黒いリネンにグリーンと白の刺繍がとてもシックな雰囲気です。お花モチーフでも、こんなに大人っぽい仕上がりにすることができるんですね。
格子状に並べられたシンプルなお花。布を大きく使った刺繍は、どんなものに仕立てようかと心が躍りますね。
もこもこ具合がキュートなプードルの刺繍。どこを立体的に表現すると趣深くなるのか、緻密に計算されています。
ラメ糸を使って仕上げた豪華な刺繍。控えめに光るお花がとても美しいですね。
素敵な刺繍で心を癒してみてはいかがでしょう
眺めているだけで心がほどけていくような樋口さんの刺繍たち。これまでにもたくさんの本を出版されています。新作の本では新たな世界観が広がっています。ぜひ、樋口さんの素敵な刺繍の世界を味わってみてくださいね♪
刺繍はなんの変哲もない一枚の布を、美しい実用品へと変えてくれる魔法です。樋口愉美子さんの刺繍はどれも味わい深い繊細さに溢れています。中でもお花をモチーフにしたものは、見る人を魅了してやみません。思わずうっとりとしてしまう樋口愉美子さんの刺繍の世界をご案内していきましょう。