秋の夜長は、ゆったりやさしい「ピアノ曲」でリラックス
ゆったりお茶を飲みながら、本や雑誌をめくりながら、もの思いにふけながら…そんな秋のリラックスタイムに素敵な音楽はいかがでしょうか?
今回は、秋の夜長におすすめの、しっとり優雅な気分に浸れる「ピアノ曲」をお届けします。
ショパン ~ノクターン 夜想曲第2番~
秋に聴きたい曲といえば、やはりポーランドの作曲家、フレデリック・ショパン(1810-1849)のピアノ曲。
誰もが一度は耳にしたことのある夜想曲第2番は、ショパンのノクターンの中でも最も有名な曲です。まさに秋の夜長にぴったりの曲と言えるでしょう。
夜想曲のノクターンという意味、もともとは修道院で行われる晩祷のことを指す言葉でした。それをサロン風の音楽として様々な人にも共感を得られる音楽として作り上げていきます。ショパンは20歳から晩年までノクターンを作り続けていました。
シューベルト ~ピアノソナタ第13番~
オーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト(1797-1828)のピアノソナタ第13番は、彼のピアノソナタの中でも特に多くの人に親しまれている作品です。
シューベルトが21歳の夏に旅先で出会った年下の娘ヨゼフィーネのために作られたのがこのピアノソナタ。女性らしい優しさに包まれた愛らしい曲です。
スカルラッティ ~ソナタ ニ短調 K.9 L.413~
小鳥のさえずりのような優しいスカルラッティのソナタ。軽い気持ちで聴けるので、クラシックを普段あまり聴かないという方にもおすすめです。
ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)は、イタリアのナポリ出身。バッハやヘンデルと同時代のバロック時代の作曲家です。
当時は、ピアノではなくチェンバロで演奏されました。チェンバロの演奏も素敵ですが、ピアノの演奏はより気軽に聴きやすい雰囲気です。
スクリャービン ~左手のための2つの小品op.9~
ロシアの作曲家でピアニストのアレクサンドル・スクリャービン(1872-1915)。この小品は、モスクワ音楽院でピアノを学んでいた若いころの作品です。初期はロマン派的な作品を作っているので、ショパンが好きな方にもぜひおすすめしたい曲です。
スクリャービンは、音から色を感じ取ることのできる「共感覚」を持っていたと言われています。
手の小さかったスクリャービン。負けず嫌いな性格も相まって、難しい曲に挑戦したあげく右手首を痛めてしまいます。そこで左手だけで演奏する作品として作ったのがこの「左手のための2つの小品」です。
ブラームス ~シューマンの主題による変奏曲~
ドイツの作曲家でピアニストのヨハネス・ブラームス(1833-1897)は、19世紀を代表する作曲家の一人です。
ブラームスに大きな影響を与えたのがシューマン夫妻です。ブラームスより約20歳年上の彼らはブラームスの才能を認め、ブラームスを世に出すために尽力をつくします。1854年、その後精神を病んだシューマンはライン河に身を投げますが、救助されて病院に収容されます。
この曲は、その頃ブラームスがシューマンの妻で優秀なピアニストだったクララ・シューマンに捧げた曲です。この曲を聴いたシューマンもとても喜んでこの曲を高く評価したといいます。
お気に入りの曲から広がる世界
優しいピアノ曲、いかがでしたか?お気に入りの曲や作曲家があったら、ぜひ別の演奏家の演奏したものや、同じ作曲家の他のピアノ曲も聴いてみてください。宝石のような素敵な曲をたくさん見つけることができますよ。
紅葉が美しく色づき始める秋は、芸術的なものに触れたくなる季節ですよね。