あなたにとって青春ってどんな時代?
そして今、どんな思い出に浸っていますか?大学生のあなた、社会人のあなた、主婦になったあなた、お母さんとして頑張るあなた。そんな全てのあなたを作り上げたものの一つに10代の思い出はとても大切な役割を果たしています。中には本当に映画のような感動的な思い出がある方もいると思います。そんな「あの頃こんな感じだったなぁ」という気持ちに浸りながら観たい青春映画を集めてみました!
汗と涙の部活・サークル編
『スウィングガールズ』
山形県のとある田舎町。落ちこぼれ高校生の友子(上野樹里)ら13人の生徒は、夏休みの補習授業をサボるため、食中毒で入院した吹奏楽部のピンチヒッターに応募する。
楽しい夏休みが明けてからも、演奏の楽しさが忘れられない友子たちはバンドを結成することに。しかし楽器を買うお金も演奏する場所もない!そこでみんなでアルバイトをして楽器代を稼ぎ、練習はカラオケで行うなど地道な努力を続けていく。そんなこんなで紆余曲折しながらもスウィングバンドとして大きな大会に出場する機会を得るのであった!そこでもまた色々とあるが友子達は・・・!
2016年にご結婚された上野樹里さん。こんな感じの青春を送っていたのかなぁとか考えてしまいますね♪
『リンダリンダリンダ』
ブルーハーツ好きにはたまらない映画。ガールズバンドの火付け役となり一躍大ブームを起こしたこの『リンダ リンダ リンダ』。ベース担当の関根史織さんは実際『ベースボールベアー』というバンドでもベースを担当しています。『けいおん』もそうですが、楽器をやっている女の子ってなんでこんなにかっこいいんでしょうねぇ・・・。
高校生活最後の文化祭に向けてバンド練習を重ねてきた恵、響子、望。しかし突然ギターとボーカルが脱退!途方に暮れていた彼女たちの前に救世主として現れたのはなんと韓国からの留学生・ソンだった。
ボーカルを見つけてあとは練習あるのみ!ということで夜、誰もいない学校に忍びこんで練習してきた彼女たち。果たして文化祭のライブは成功するのか、どうなのか・・・!
というアツいバンドのお話のように見えますが、ここに初恋や勉強、進路の悩み、部活など高校生ならではの問題を爽快に取り入れながら話が進んでいきます。
『櫻の園』
さて先ほどはスィングやロックなどバンド関係が続きましたが、続いて演劇部にいきましょう。女子校の演劇部に所属する生徒たちの純粋さ、思春期の複雑な気持ち、友情を描いた作品『櫻の園』。1985年に漫画として登場し、1990年に映画化されました。
音楽学校で夢を諦め、名門女子校・櫻華学園に転校した結城桃(福田沙紀)。転校生として最初は緊張していたものの、同級生と青春の日々を始めようとしていく。そんな中、とある旧校舎の教室で偶然「櫻の園」の台本を見つける。それはかつて学校の創立記念日恒例となっていた演劇の台本だった。
桃はその演劇を復活させようと、友達とこっそりけいこを始めた。しかしそれをかぎつけた教師たちに猛反対され……果たして無事演劇をすることができるのか!というハラハラしつつも演劇の楽しさ、友達の大切さをほんわりと教えてくれる青春映画です。
『僕たちは世界を変えることができない。』
葉田甲太によるノンフィクション作品です。葉田さんが自費出版で発売した同名書籍がもとになっています。単なるサークルでの熱い友情、というだけの話ではありません!
医大生2年の田中甲太はイベントサークルで気楽な学生生活を送っていた。だがある時ボランティア募金のパンフレットを見つけ、150万円集めることができればカンボジアに学校を建てられるということを知る。そこで田中は仲間を集めチャリティーイベントに精を出すが・・・
世界の貧困、教育に目を向けて知識を増やしていくのは簡単ですが、そこから「何かできないか」と行動するのはとてもたいへん。でも仲間(これがまたみんな何かと問題を抱えていたりでおもしろい)とともに必死に考えて考えて行動していく姿はとても感動します。どんな目的にせよ、一つのことにのめり込んでいる人はかっこいいものです。この流れで映画『風に立つライオン』(赤十字病院の医師が海外派遣を通して様々な現実を目の当たりにする)を観るのもおすすめ。
甘酸っぱい恋愛編
『ホットロード』
1980年代すさまじくベストセラーとなった青春漫画を映画化した作品。あの漫画『NANA』で有名な矢沢あいが最も影響を受けた漫画に挙げている一つでもあります。男同士の友情、反抗期の行動、複雑な家庭環境、足りない愛情・・・全てがつながって不器用な初恋がどう発展していくのか、どう心を通わせていくのかがポイントです。
自分が望まれて産まれてきた子どもではないということに深い傷を抱える14歳の宮市和希(能年玲奈)。多感期の彼女にとってそれはとても大きな衝撃だった。そうして徐々に非行へと走っていくが、周りには理解してくれる大人も少なく・・・
ある日親友に誘われ夜の湘南へと向かった和希は、そこで不良グループNights(ナイツ)のメンバーである春山洋志(登坂広臣)と出会う。不良というくくりにいる人達に怯えながもどこか仲間意識を感じる二人。これが彼女の運命を変えることになろうとは誰も知るよしがなかった。
そんな春山のいる不良の世界に戸惑いを感じ反発しながらもどんどん春山に惹かれてゆく和希。やがてNightsのリーダーとなった春山は敵対するチームとの抗争に巻き込まれ・・・80年代、90年代特有の純粋な友情が熱く響く一方、せつなくてもどかしくて、でもどうしようもできないそんな初恋に自分を重ねてみたくなります。
『パラダイス・キス』
矢沢あいの話が出たのでこちらを。涙溢れるせつない青春映画、というよりも夢に向かってがむしゃらに頑張る学生たちの爽快ラブストーリーという感じです。スッと観られる恋愛映画がお好みならぜひこちらをチェック!
受験を控える早坂紫(北川景子)は、優等生として日々学校生活を送りつつも、学校と塾に追われる日々に疑問を感じ始めていた。そんなある日突然街中で声をかけられ、学園祭のショーモデルをすることに。
自分とは全く住む世界の違う専門学校の彼らに、最初は偏見を抱いていた紫。しかし彼らのひたむきに夢を追う姿にだんだん惹かれてゆく・・・
特に独得な雰囲気で周りを魅了するジョージ(向井理)に・・・ジョージのわがままな態度が気に入らず事あるごとに衝突していた二人だが、徐々にお互いを理解し合おうと近づいていく。二人の恋愛、青春の葛藤を含め友情も大切に描いたファッショナブルな作品です。実際にこういうことありそう・・・あったらいいなぁ。
言葉にできないもどかしさ編
『ジョゼと虎と魚たち』
1984年に田辺聖子が発表した小説が待望の映画化されました。監督は『グーグーだって猫である』『のぼうの城』などで知られる犬童一心。独特のテンポ感と雰囲気に少なめのBGMが折り重なって進むストーリーには生々しい現実感が溢れています。
脚が不自由であまり外に出たことのないジョゼ(池脇千鶴)。彼女の唯一の楽しみは、乳母車に乗っておばあさんに押してもらいながら散歩に出かけることだった。
そんなジョゼの不思議な魅力に惹かれてゆく大学生の恒夫(妻夫木聡)。分かり合えない部分も受け入れながら近づいていく二人は、真冬の寒い中、旅に出るのだった・・・脚が不自由ということで社会から距離を置いてきたジョゼの孤独、どこにでもいそうなごく普通の大学生の恒夫がどう心を通わせていくのかが見どころです。恋愛映画でありながら、人間とは何なのかをじっくり考えさせられるところがまさに犬童監督の作品という感じ。
『blue』
高校3年生の桐島カヤ子(市川実日子)は、いつも一人でいる遠藤雅美(小西真奈美)ととあるきっかけで仲良くなった。大人っぽい趣味をもつ遠藤から、今まで知らなかった外国の音楽や芸術を教えてもらい、徐々に遠藤への憧れが強くなる桐島。
今では少しずつ受け入れられるようになった同性愛。昔からあったにも関わらず、隠れて愛し合い、見つかれば刑罰が下された、そんな歴史を重すぎず軽すぎずちょうどいいテンポ感で伝えるにはどうすればいいか、そんなことも製作者たちは話し合ったんじゃないかなと思います。
人が人を好きになるということ、誰にも言えない闇を抱えながら生きるということ、友情をはぐくむのがとても大切だということ、いろんな角度からいろんな経験を教えてくれます。海の映える景色と季節の移り変わりの中で変化していく彼女たちの心模様をご覧ください。
『ノルウェイの森』
村上春樹の大人気作品が遂に映画化!村上さんはこの作品についてこう語っています。
「この話は基本的にカジュアルティーズ(戦闘員の減損と訳されるが明確な訳はない)についての話なのだ。それは僕のまわりで死んでいった、あるいは失われていった少なからざるカジュアルティーズについての話であり、あるいは僕自身の中で死んで失われていった少なからざるカジュアルティーズについての話である」
37歳の「僕」が、ハンブルク空港に着いた飛行機のBGMでビートルズの「ノルウェーの森」を聴き学生時代を回想するシーンから始まります。高校2年のときに付き合った直子のこと、その後付き合った子を置いて東京の大学に進学したこと、右翼団体に入ったことなど様々な出来事を思い出します。
特にこの直子という人物が「僕」にとって大きな鍵となります。直子と分かれた後偶然再会し何度か会っていたが突然「僕」の前から姿を消した直子・その後彼女が亡くなり、同居人のレイコさんと話をする中でギターで「ノルウェーの森」を奏でる……。
ビートルズ好きはもちろん、そうでない方もこの世界観に引き込まれること間違いなしです。松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子の演技にも注目。
熱い友情編
『下妻物語』
かなりコアなところもひとつはさんでおこうと思いまして。これは好き嫌い分かれるのかなぁという感じもしますが、とにかくぜひ多くの人に観て頂きたい青春映画として挙げさせて頂きました。
茨城県下妻市。ロリータ・ファッションをこよなく愛する竜ヶ崎桃子(深田恭子)は、わがままで自己中な性格からなかなか友達ができなかった。しかしそこへヤンキーの白百合イチゴ(土屋アンナ)が現れ・・・
ひょんなことがきっかけで一緒に過ごすようになった桃子とイチゴ。わがままな桃子と不器用なイチゴはお互いに自己主張が激しくケンカばかりだったが、本音でぶつかるうちに次第にお互いを理解し始める。そんな中、イチゴが不良のレディースグループを抜けようとしたことでリーダーに呼び出され・・・
「友情ってこういうものなのか」「え、本当にこれが友情でいいの?」と色々思うところはありますが(笑)これだけ熱苦しいくらいムサムサの友情を軽やかに観れるのはやはり深田恭子と土屋アンナだからなのでしょうか。とにかく若者の無鉄砲で向こう見ずな行動にハラハラしつつも「こんな青春かっこいいな」と思える映画です。
『69 sixty nine』
若き頃の妻夫木聡が主演。「脚本 宮藤官九郎」というだけで観る価値ありかと。先ほどの『下妻物語』のムサムサ感を爽やかにせず映画化したイメージ(笑)。
1969年。学生運動とベトナム戦争に揺れていたこの頃、佐世保北高校に通うケン(妻夫木聡)は、教師含め大人たちに反抗するため(本当は同級生のマドンナの気を惹くため)親友のアダマ(安藤政信)たちとともに“フェスティバル”を企画する。しかしその企画の話がどんどんふくれ上がり、遂には報道陣や警察まで来る騒ぎに。果たして彼らのいうフェスティバルは成功するのか・・・!成功したらどうなってしまうのか・・・!
学生運動が盛んだった頃、今よりも学生は大人だったのでしょうか?もっと政治や世界情勢に目を向けていたのでしょうか?そんなことをふと思いながらも、やっぱり男っていつの時代もみんなで楽しむことが好きなんだなと思わざるをえません。そんな熱い青春、というかもはや事件なので映画の中だけで留めておきましょう(笑)
『ヒポクラテスたち』
モラトリアム(一人前の社会人となることを猶予されている状態)の1年を通した医学生たちの日常をフレッシュに描いた作品。1980年公開で若き火の内藤剛志が見られます。
荻野愛作は河本、大島、果糖、王、みどりらとともに洛北医科大学の6回生。医学生の最終学年で行う臨床実習を通して彼らは次第に医者の卵として成長していくというストーリーです。
実際に医学生だったという大森一樹監督はテレビドラマでも法医学系のものをいくつか制作しています。
既に妻子もちの人もいたり、有名産婦人科のボンボンの息子もいたり、天才、野球少年、紅一点のみどりなどその個性はさまざま。また当時学生運動が活発化し、そんな政治問題に真剣に向き合いながら前進していく若者の姿や、医者としての勉強に追われる中で「自分は何のために医者を目指しているのか」「人の命と向き合うというのはどういうことなのか」を深く考えさせられます。
好きな先輩と廊下ですれ違ってドキドキ・・・掃除の時間にみんなでほうきを持ってふざけ合ったり・・・当日まで熱く燃えた文化祭・・・嫌いな教科は友達に助けてもらったりしながら頑張った定期テストなど色んな思い出がある10代。あなたはどんな日々を過ごしましたか?