赤ワインを愉しめる大人に憧れる
ワインの代表格「赤」の魅力を知ろう
白ワインとの違い
その違いの一つはブドウの種類にあります。赤ワインは、黒い皮で覆われた「黒ブドウ」が主な原料。ブドウの果肉自体は黒くありませんが、果皮も一緒に発酵させるので、果皮に含まれた色素成分が果汁に染み出ることによって、独特の鮮やかな赤になります。一方白ワインは皮の色が薄い白ブドウから造ることが多いのが特徴。
醸造にも違いがあります。赤ワインは果皮や種も丸ごと発酵させ、その後に絞るのに対し、白ワインは絞った果汁のみを発酵させます。つまり赤と白では醸造の工程が違うということ。赤ワイン特有の渋みや苦みは、果皮や種を発酵させる工程で発生していたのです。
ボディとは?
フルボディ
アルコール度数は13~14%ほどと高く、ポリフェノールの含有量も豊富。そのため渋みや重さが感じられ、初心者の人は飲みにくいと思うかもしれません。しかし“デキャンタ―ジュ”といって、専用の容器(デキャンタ)に移し替えて空気に多く触れさせれば、味がまろやかになり飲みやすくなりますよ。
ミディアムボディ
ライトボディ
赤ワインに使うブドウの品種
最もポピュラー:カルベネ・ソーヴィニヨン種
豊満な味わい:メルロー種
繊細で軽め:ピノ・ノワール種
赤ワインの飲み方・楽しみ方
適温を知る
低い温度の場合は、渋みや酸味がはっきりと際立ち、シャープな印象に。一方温度が高くなると、甘味が強くなりまろやかな味わいになります。
フルボディは、冷し過ぎると渋みが強調されてしまうので、16~18℃のなるべく常温で飲むのが適温です。夏場や部屋の温度が高い場合は、飲む30分ほど前に冷蔵庫に入れて適温にしましょう。
ライトボディは、少し冷やすと口当たりがよく、すっきりした味わいになります。冷蔵庫や氷を使って10~12℃にするのがおすすめ。
ミディアムボディは中間の15℃前後がベストです。
色を楽しむ
出来立ての若い赤ワインは青みがかった紫色をしています。それが時間の経過に伴って、深い赤、茶色っぽい赤へと変化します。この色の変化を知っていれば、熟成の進み具合が推測できますよ。
香りを堪能する
開栓してすぐと、空気に触れさせた後でも香りに変化が。ワインを注いだ時にグラスを回す仕草を見たことがありますよね。それはスワリングといって空気に触れさせて香りをより引き出すため。注いですぐはワインそのものの果実や花の香り。スワリング後は熟成中に生まれた複雑な香りが感じられます。
スワリングのやり方
料理とのペアリングを味わう
フルボディのように重厚で渋みのあるワインには、濃い味付けのものや肉料理がおすすめ。ステーキやビーフシチュー、すき焼きなど重さのある料理と合わせることでバランスがとれ、肉の脂分をワインの渋みでちょうどよく中和してくれます。
ミディアムボディには肉じゃがやハンバーグ、赤身の刺身など家庭で出されるジューシーな肉料理や魚料理と相性が良いですよ。
ライトボディのように軽めのタッチのワインにはシーフードやハム、焼き鳥など淡白な味わいのものと合わせましょう。
さぁ飲んでみよう!初心者におすすめ『赤ワイン8選』
赤ワイン初心者にも飲みやすい
セラー・セレクション・ピノ・ノワール
赤ワインは渋くて苦手、そんな方におすすめしたいのがこちら。グラスから湧き上がるスミレやイチゴ、クランベリーのような麗しいアロマは、どこかで聞いた「ワインは香りを楽しむもの」という言葉を実感できるでしょう。スルスルと喉を通るシルクのような舌触りと、やや酸味の効いた大人の甘さを楽しめます。少し冷やしておくのがポイントです。
モンテス・アルファ・カベルネ・ソーヴィニヨン
フルボディで重厚なワインにトライしてみたい方には、チリの雄モンテス社のカベルネ・ソーヴィニョンがおすすめです。カシスやシナモンなどの濃厚なアロマとたっぷりとコクのある味わいの中に、チョコレートのようなニュアンス。本格的な赤ワインならではの複雑な風味を楽しめます。一口目から「美味しい!」と思えるのが、このワインの良いところ。牛肉を使ったお料理を作った日に試してみてください。
ムートン・カデ・クラシック
やっぱり王道のフランスワインを試してみたい!という方におすすめなのがこちらのムートン・カデ・クラシックです。造っているのはフランス・ボルドー地方で5本の指に入る「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」を擁するバロン・ド・ロスチャイルド社。超一流のエッセンスを感じることが出来る、まろやかで飲みやすい味わいは、初めてのフレンチワインにピッタリですよ。
ナチュラル派にうれしいオーガニック
バルダ
イタリアワインの名門サッシカイア・ファミリーがアルゼンチンのパタゴニアで造るビオディナミワイン。パタゴニアの厳しい自然環境を逆手に取り、化学薬品や化学肥料を全く用いないビオディナミ栽培を実践しています。そんな苦労の末に、造られるワインはとっても華やか。「まるで香水のような」と評される豊かなアロマをお楽しみください。
コート・デュ・ローヌ レ・ザンティマーニュ
ラベルのフンコロガシがトレードマークの南フランスで三代続く自然派ワイナリー。認証こそ取得していませんが、農薬や除草剤は使用しないポリシーでワイン造りを行っています。品質向上のために20-25hl/haという驚くべき低収量を実践。摘みたての果実をそのまま食べたようなフレッシュな果実味が特徴で、南仏ワインは初めてという方にもおすすめです。
レゼルヴァ・カベルネ・ソーヴィニヨン
クリスタルガラスで有名なスワロフスキー社がアルゼンチンで造るオーガニックワイン。アルゼンチンの乾燥した気候により病害や害虫の危険がないため、殺虫剤や除草剤を使用することなく、オーガニックでブドウ栽培が行われています。コスパも抜群で、日経プラスワンなんでもランキングで、3千円以下の赤ワインの中から1位に輝いたこともあるほど。濃厚な赤ワイン好きには特におすすめの1本です。
たまには贅沢な1本を
ポイヤック・ド・ランシュ・バージュ
大人の女性としては、ボルドーワインを嗜みたいところですが、人気シャトーのワインは価格が高く、なかなか自分用の贅沢としては手が届きにくいもの。そんな時に、人気シャトーの作るセカンドワインやサードワイン(※)を試してみませんか?こちらは格付け5級、「シャトー・ランシュ・バージュ」が手掛けるサードワイン。一流シャトーの貫録はそのままに、若くから楽しめるカジュアルさがあります。このワインを使いこなせば、ちょっと通にみられるかも?
※シャトーの誇る代表作がファーストワイン。セカンドワインやサードワインとは、ファーストワインでは使われなかったブドウや若い樹齢のものを使用しているワインで、比較的リーズナブル。とはいえ同じ醸造家が造るワインなのでとっても高品質で人気です。
バローロ
今日は奮発して、とにかく美味しいワインを飲みたい!という時におすすめしたいのがこちら。「王のワイン」と言われ、イタリアワインの最高峰として知られているバローロ。その中でもマッソリーノは100年以上の歴史を持つ名門です。グラスを手にしたときから立ち込める、バラやオレンジピール、スパイスの華やかな香りにうっとりとします。10年以上寝かせることも出来る品質で、ワイン好きの方へのプレゼントにもおすすめです。
ワインセットはどう選ぶ?
佐藤さんによると、『エノテカ・オンライン』では月替わりでワインセットが販売されています。イタリアやアロマティックな白ワインといったように、地域や味わいなどのテーマをもったセットになっており、代表的なワイン産地や品種をまとめて試せるとのこと。
地域や味わいで揃えられているなら、選びやすいですね。気になるものがあったら是非飲み比べを。
世界のワインが揃う、「ワインショップ・エノテカ」
飲みかけワインの保存方法
場所
期間
ストッパー
またほかの方法として小ぶりの瓶に移し替えることも有効。瓶内の空気の量が少なければそれだけ酸化を遅らせることができます。