今回のお題：シューズ
デザインや履き心地が気に入って購入した靴。いざ履いて1日を過ごしてみると、踵のすれや指の当たりが気になり、結局靴箱の奥で眠っている……。そんな残念な靴を一足はお持ちではないでしょうか？
今回は、全国に39名しかいない、最上級資格のマスターシューフィッター・澤田かおるさん監修の元、自分に合った足型を正しく理解し、3種類のシューズをとことんレビューしていきます。ぜひみなさんも靴選びの際の参考にしてみてくださいね。
今回は、全国に39名しかいない、最上級資格のマスターシューフィッター・澤田かおるさん監修の元、自分に合った足型を正しく理解し、3種類のシューズをとことんレビューしていきます。ぜひみなさんも靴選びの際の参考にしてみてくださいね。
この記事の監修者
マスターオブシューフィッテング
澤田かおる
まずは自分の足型をCHECK！
足型には大きく分けて「エジプト型」「ギリシャ型」「スクエア型」の3タイプがあります。まず自分と近しい足型を知ることが靴選びを成功させる近道。どんな特徴があるのか、ひとつずつ確認していきましょう！
「エジプト型」は写真のように親指が一番長いのが特徴。親指から小指までなだらかに下がっているのがよく分かります。日本人に一番多い足型で、統計上は約70～80%ぐらいの方が該当するといわれています。
合う靴：オブリークトゥ
足の形通り、親指が一番長くデザインされたオブリークトゥというタイプが、最も相性がよいといわれています。親指が緩やかなラウンド形になっているので、指を圧迫せずに履くことができます。
合わない靴：ポインテッドトゥ
先の尖ったポインテッドトゥは、人差し指にデザインの頂点がきているものが多く、親指が長いエジプト型には不向き。親指が内側に押されることで、足の指に痛みを伴い、外反母趾の原因になることも。
人差し指が一番長い「ギリシャ型」。3つの中で比較的どんな靴でも履きこなすことができます。小指との差に極端な傾斜がある足指が特徴で、若い方や細く華奢な方に多くみられます。ここ数年は該当する方が増えている足型でもあります。
合う靴：ポインテッドトゥ
ギリシャ型にとって、人差し指につま先の頂点がくるポインテッドトゥは得意中の得意！きれいに足の指通り履くことができます。サイズを上げたり下げたりせずに、一番長い人差し指から踵までのジャストサイズを選ぶようにしてください。
合わない靴：オブリークトゥ
オブリークトゥのように親指に余裕がある靴を履くと、人差し指が曲がってしまう可能性が。靴選びの際に注意が必要です。
親指、人差し指、中指の3本がほぼ同じ長さで、薬指、小指が下がっているタイプ。写真の通り、全体的に四角い形で、親指と小指の角度はそれほどありません。撮影時に該当者を探すのに苦労しましたが、統計上も10%と少ないことが分かっています。
合う靴：スクエアトゥ
指の付け根から緩やかで比較的角度がない、スクエアトゥがベスト。指の潰れを防ぐために、幅広でソフトな素材感のものを選ぶようにしましょう。幅がゆったりとしたラウンド型も相性がよくおすすめです。
合わない靴：ポインテッドトゥ
靴選びが難しいスクエア型が最も苦手とするのは、先の尖ったポインテッドトゥ。親指と小指がぎゅっと折り畳まれてしまうため、なるべくは避けるようにしてください。
ピッタリフィットが見つかる！3種類のおすすめシューズ
足型によって向き不向きがあるのはわかっても、どうしても履きたい靴もある。ここからは、人気の3種類の靴の中から、それぞれの足型によりフィットするものをご紹介。「足型に合わないから…」と諦めず、おしゃれを楽しんじゃいましょう！
バレエシューズ
シューフィッター澤田さんのコメント
「エジプト型にぴったりな、親指側が比較的真っ直ぐ作られたバレエシューズ。天然皮革を使用しているので、足馴染みがよく疲れにくい特徴も」
着用したスタッフの感想
「親指への当たりを軽減してくれるデザインと、柔らかな天然皮革はフィット感が抜群！合わせる靴下の素材によってリボンで調整ができるのもうれしい」
着用したのはこちら
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シューフィッター澤田さんのコメント
「もともとギリシャ型にはつま先の丸いバレエシューズはあまり相性のよい靴型とはいえません。ただこちらは素材が柔らかく踵にシャーリングゴムが入っているので、サイズにふり幅があるのが特徴。人差し指が長いギリシャ型でも履きやすい一足です」
着用したスタッフの感想
「踵のシャーリングと素材の柔らかさが、抜群の相乗効果を生み出している一足。違和感のある当たりは一切なく、ピタッとフィットする履き心地の良さに驚きました」
着用したのはこちら
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シューフィッター澤田さんのコメント
「しなやかな山羊革がソフトな履き心地で、足幅の広いスクエア型によく合います。すっぽりと甲が被るデザインは、ホールド感が増します。甲の高さに合わせて、リボンの調整ができるのもポイント」
着用したスタッフの感想
「柔らかな山羊革が履き始めから足馴染みがよく使いやすそう！リボンでフィット感の調整ができるので、これからのシーズンは厚手のタイツや靴下で足元コーデを楽しみたいです」
着用したのはこちら
サボ
シューフィッター澤田さんのコメント
「親指から小指にかけて緩やかに傾斜がある「オグリークトゥ」デザイン。エジプト型が最も得意とするシルエットで、足型との相性がとてもいい一足です」
着用したスタッフの感想
「ずっと気になっていたビルケンのボストン。甲のベルトでフィット感の調整ができるので、踵がないサボでも脱げにくく、ホールド感もありとても快適でした」
着用したのはこちら
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シューフィッター澤田さんのコメント
「今回ご紹介するサボの中で一番細身なデザイン。ギリシャ型の方は足囲が細い方が多いので、前に滑ってしまわないように甲にピタッとフィットさせることが重要。甲部分を靴の“ウエスト部”といい、このサボはウエストが一番しまっているので、ギリシャ型の足におすすめの一足です」
着用したスタッフの感想
「すっきりとした細身のラインが、幅の狭い私の足にジャストフィットしました！つま先から踵、甲も隙間なく履くことで、たくさん歩く日にも疲れにくく大活躍してくれそうです」
着用したのはこちら
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シューフィッター澤田さんのコメント
「つま先部分の幅と周り寸が充分にあるデザインのため、幅のあるスクエア型に適しています。また、甲部分が低めに作られているので、前に滑りにくく止まりがいい一足」
着用したスタッフの感想
「アッパーには厚みのある天然素材が使用されていますが、指が痛くなることはなく素足で履いても快適でした。ストアが推奨しているように、室内履きにしてもよさそうです」
着用したのはこちら
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ローファー
シューフィッター澤田さんのコメント
「親指側が真っ直ぐ作られているので、親指が長いエジプト型の方でも快適に履ける一足。どのデザインのローファーでもいえることですが、くるぶしの位置が自分の足に合っているものを見極めて選ぶことが大切です」
着用したスタッフの感想
「学生時代の経験から、ローファーは親指があたって当たり前だと思っていたので、快適な履き心地に驚きました！そして目立ちにくいスニーカーソールも、“ローファーは足が疲れやすい”というこれまでの当たり前を、いい意味で裏切ってくれた一足となりました」
着用したのはこちら
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シューフィッター澤田さんのコメント
「すっきりとした細身なシルエットのローファー。このような甲をしっかり押さえたデザインはギリシャ型にぴったりです。サイズを上げ下げせずに、難なく履きこなすことができるでしょう」
着用したスタッフの感想
「足に馴染む美しいフォルムに思わずうっとり。つま先から足の付け根まで比較的長さのある作りなので、人差し指が折り畳まれることなく快適に履くことができました」
着用したのはこちら
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シューフィッター澤田さんのコメント
「幅広シルエットで柔らかなレザーを使用しているので、当たりがやさしいのが特徴です。スクエア型は固めのレザーだと薬指と小指が当たってしまいますが、こちらは安心して履くことができますよ」
着用したスタッフの感想
「まるで履いていないかのような、軽く気持ちがいいローファーでした。脱げやすいのかな？と思っていた踵も、フィット感がよくやみつきになりそうです」
着用したのはこちら
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シューフィッターさん教えて！靴と足のお悩みQ＆A
自分の足型やぴったりな靴は見つかりましたか？このコーナーでは、まだまだ尽きない「靴と足のお悩み・ギモン」を解決！さらに細かいポイントをチェックして、快適な一足を増やしていきましょう♪
Q. 足が疲れやすい靴があるのはどうして？
A. 自分の適性サイズ、足型を正しく理解しよう。
自分の足のサイズや足型に靴が合っていないと、疲れやすくなります。まずは正しい足のサイズや特徴を知る事が大切。ただ、人によって合うと感じる感覚が異なるため、間違ったサイズを選ばないためにも、プロに頼るのも解決策のひとつ。ぜひ一度シューフィッターにサイズを測ってもらい、正しいサイズや足の特徴を把握する事をおすすめします。
Q. 踵が浮きやすいです。靴選びでどんなことを気を付けたらいいですか？
A. 手を使わずに脱ぎ履き出来る靴には、プラス1の機能が備わったものを。
足と合っていない幅が細かったり太い靴だったりすると、踵周りが浮きやすくなります。甲が深くフィットするタイプや、踵周りにしっかりした芯が入っているものがおすすめです。スムーズに履けるという理由でサイズを上げて選ぶ方もいますが、履きやすい＝歩きやすい靴ではありません。手を使わず脱ぎ履き出来るタイプは、逆をいうと簡単に脱げやすい靴でもあるということを覚えておきましょう。
Q. 夕方足がむくんで靴がきつく感じます
A. つま先に10～15mmの空きがあるかチェックして！
甲にデザインが乗っていたり、縫い止めされていたりする部分がある靴は、伸びづらく余計きつく感じてしまうのかもしれません。購入時にむくみのことまで考慮している方は少ないかもしれませんが、適切なつま先余裕寸として10mm〜15mmの空きがあるかが重要！つま先余裕寸を充分に取った、ストラップやベルト、紐がある靴なら、夕方以降もフィット感の調整ができるのでおすすめです。
Q. 自分の足型じゃない手持ちの靴の活かし方を知りたいです
A. 履き分けや短時間での目的別の使用をおすすめします。
自分の足型と相性の良くない靴を活かすには、履き分けや短時間での使用をおすすめします。歩く靴と見せる靴のように、目的別の履き分けや、足に支障が出ない程度の短時間での使用を試してみてください。また、合わない原因を調べると、適切な調整で多少改善する事もあるので、購入した店舗やお近くのシューフィッターに相談してみるのも手かもしれません。
足型を知れば、もう靴選びも怖くない！
これまで好きなデザインと履ける靴のギャップに苦しめられてきた靴選び。今回自分の足型や合う靴型を知ることで、どうして合わないのかの疑問が、理解して選べる安心感へ変わっていくのを感じました。これからは自分に合った一足を、楽しみながら見つけていきたいと思います。
（Photo：Takaki Iwata）
同協会が実施する養成講座（プライマリーコース）の実技指導員も務める。