心も満たされる。今行きたい、個性溢れる『福岡パン屋さん巡り』

福岡は今、空前のパンブームと言って良いほど、個性ある魅力的なパン屋さんがたくさんあります。今回は、博多駅を起点にして、長く地元で愛されているお店からニューオープンのお店まで、筆者がおすすめするパン屋さんをたっぷりご紹介します。さあ、福岡のパン屋さんを一緒に巡りましょう。

博多駅から車で約20分。閑静な住宅地のなかに佇む「フルフルヴィレッジ」。生産量・品質が安定していなかった約30年前から国産小麦を使って、安心安全なパンをつくり続けているパン屋さんです。

幅広い世代の方がパンを楽しめるように…と用意されている、豊富なランナップもフルフルならでは。お子さんが食べやすいふんわり食感のパンや、ミニサイズのパンの種類もいっぱい。子連れには嬉しいですね。

こちらは、フルフル名物の明太フランス。外はパリパリ、中はもっちりのフランスパンに風味豊かな明太子とバターをはさみ、こんがりと焼き上げています。焼き上がりの時刻には、多くの人が行列をつくる人気の逸品。少しくらい並んでもその価値がある、納得の美味しさですよ。

可愛い店名が耳に残る「コココッペ」。長きにわたり福岡県内の学校給食のパンをつくっている「唐人ベーカリー」が手掛けるコッペパンの専門店です。おやつコッペ、スイーツコッペ、おかずコッペ、あげコッペの4ジャンルあり、好きな具材を選んで目の前ではさんでもらえます。

ランチとしていただくなら、コココッペイートインセット540円（税込）を。コッペパンはおかわり自由で、お好みのフィリング2種類、本日のスープ、お好みのドリンクが選べます。給食で食べた、あの優しくで素朴なコッペパンを心ゆくまで。お子さんも大満足間違いなしですよ。

福岡のなかも、近年めざましい発展を遂げている街が六本松。博多駅から約20分、懐かしさと新しさが交錯するこの街にほっこりと優しい雰囲気で佇むのが「マツパン」です。

可愛らしいシェフのイラストがインパクトたっぷり。「おじゃましまーす」とノックしたくなる素朴な外観が目印です。

中に入ると小さな店内にパンが所せましと並んでいます。小麦本来のおいしさを引き出したパンは、「いつも食卓にあって、もっとおかわりしたくなる」のコンセプトどおり、本格的でありながら素朴で優しい雰囲気に溢れています。

スイーツ系のパンだけでなく、お惣菜系パンも豊富に揃っているのが嬉しいところ。一見ハード系に見えますが、なかはもっちりとした食感で、お子さんでも食べやすいですよ。

こちらは甘辛く味付けされたゴボウが入ったエピ。和のお惣菜をパンと融合させたパンメニューも並びます。スタイリッシュな店内ですが、幅広い世代が毎日通いたくなる親しみやすい品揃えで気軽に立ち寄れる雰囲気ですよ。

福岡の春日で誕生した「パン・ナガタ」は、県内に本店を含め4店舗を構える人気のパン屋さん。こちらは、博多駅から普通電車で2駅の場所にある箱崎店です。昭和レトロな雰囲気で、お店の周りは一瞬昭和へタイムスリップしたかのような風情。

パン屋さんとしてはめずらしい、対面販売もパン・ナガタ箱崎店の特徴。ガラスのショーケースにアルミのバットが敷き詰められ、所せましとパンが並びます。お店の雰囲気と同様に、パンのラインナップもどこか昭和を彷彿とさせる素朴なものがずらり。ついついまとめ買いしたくなる、リーズナブルな価格も魅力です。

2階は、購入したパンをいただけるイートインスペースも。筥崎宮のすぐ目の前にあるお店なので、風情ある街並みを眺めながらゆっくりとパンを楽しめます。

店内は対面販売になっていて、お客さんも2・3人入ればいっぱいに。オープン棚にはぺったんオリジナルのパンがずらりと並び、スタッフさんにお願いしてパンを出してもらうスタイルです。

ぱん屋ぺったんのパンの特徴は、何といってもこの面白可愛い見た目。博多の定番みやげとしてもおなじみの「博多にわか」や動物をモチーフにしたパンは、思わずくすっとなってしまうユーモアに溢れています。

お店に並ぶパンは、昼過ぎに訪れるとほとんど売り切れてしまうほどの人気ぶり。写真にも映えるインパクトたっぷりの見た目だけではなく、優しく素朴な味わいも多くの人たちに愛される秘密です。

博多駅から普通電車で2駅、箱崎駅から徒歩10分。言わずと知れたパンの有名店、福岡のパンブームを牽引し続けるお店が「パンストック」です。ただパンを提供するだけでなく、その演出や販売方法にも斬新さを感じさせるパン屋さん。各種メディアにも多く取り上げられ、その名は全国区となりました。

「パンを作ること。美味しいものを食べていただくこと。」ただそれだけのことがしたくて始まったというパンストック。そのシンプルな思いが、こだわりのパンひとつひとつに詰まっています。

まるで舞台に並ぶ役者のように、パンがずらりと出迎えてくれる店内。冷凍しても美味しく食べられる工夫が凝らされたパンは、遠方から訪れてまとめ買いする方も多く閉店間際にはほとんど売り切れている人気ぶりです。

数あるパンメニューの中でも、筆者がおすすめするのは野菜をふんだんに盛り付けたお惣菜系パン。いずれも食材やソース、スパイスの組み合わせが斬新で、ひと口ごとに違った味わいを発見できるものばかりです。1個でランチをいただいたような満足感は、さすがのひと言。

その華やかでボリューミーなハード系の創作パンが目を惹くラインナップ。他ではお目にかかれない斬新な具材の組み合わせで訪れる人を驚かせます。

そんな中、ちょっぴり遠慮がちに並んでいたシンプルな見た目の「きび糖パン」が、筆者はとても気に入ってしまいました。優しい甘さと、ほっこりと優しい食感。懐かしい味わいなのに新しさも感じる、お子さんにもぴったりのおやつ系パン。

ドライフラワーで彩られた圧倒的な存在感を放つ外観と内装。スタイリッシュさが印象的ですが、素朴なパンの味わいも心に残りました。

博多駅から車で約30分。少し足を伸ばしてでも訪れたいパン屋さんが「古民家のYORIMICHI」。こちらのお店、なんと靴を脱いでスリッパに履き替えて入店するのです。まず、そのスタイルに驚き。

美しく整えられたお庭に面してカウンターテーブルがあり、買ったパンをその場でいただけます。心地良い光と古民家ならではの優しい雰囲気で、ついつい長居してしまいそう。

YORIMICHIのパンは、ひとつひとつ丁寧につくられているのがわかる美しい見た目と、甘さ辛さが濃すぎない上品な味わいが魅力。一見ハードに見えるパンも、なかはもっちりと柔らかくお子さんでも自分でちぎって食べられます。

多くの人に愛される福岡のパン屋さんの数々、いかがでしたか。今回、たくさんのお店を巡って感じたのは、ひとくちに「パン」と言ってもそのスタイルや見せ方、販売スタイルは実にさまざまだということ。それぞれのお店で工夫が凝らされていて、魅力的なお店ばかりでした。でも、いずれのお店にも共通する思いは「パンがもたらす幸せなひととき」なのではないでしょうか。

福岡のパン屋さんはブームに終わらず、これからも良きものを残しつつ進化を遂げることでしょう。あなたもぜひ、福岡を訪れた時には個性豊かなパン屋さんを巡ってみませんか。