昔の暮らしの風景を今に伝える「ならまち」
奈良に「奈良町」という地名は実際にはありませんが、旧市街地、元興寺の旧境内の一画を通称「ならまち(奈良町)」と呼び、昔ながらの町屋が残る風景が、訪れた人をやさしく迎えてくれます。
江戸時代にはお伊勢参りの宿場町として栄え、周囲には興福寺、東大寺、奈良公園と見どころも多い「ならまち」。
おしゃれなカフェやレストランも多くある人気のスポットに、2015年11月新たな観光スポットがオープンしました。
奈良の魅力を発信する「鹿の舟(しかのふね)」
プロデュースするのは、人気カフェ「くるみの木」
「くるみの木」は1984年にオープンした、カフェ&生活雑貨店。全国各地からたくさんの人が訪れる、大人気のカフェです。
石村由起子さんは、『奈良「くるみの木」のレシピ』や『奈良・秋篠の森「なず菜」のおいしい暮らしとレシピ』など著作も多く、デパートなどでの企画展も人気。独自の審美眼で集められた生活雑貨と空間にはたくさんのファンがいます。
観光案内施設「繭 Mayu」
大正初期につくられた、和洋折衷の建物を利用した「繭 mayu」。「ならまち振興館」をリニューアルした一階には「奈良町南観光案内所」が入り、観光案内だけにとどまらず、奈良町の情報や文化を学べる「読書室」や、ワークショップ「生活学校」も開講しています。
訪れた観光客に寄り添い、旅のスタートを手伝ってくれる「奈良町南観光案内所」。フリーWi-Fiで、レンタサイクルやiPadレンタルも。ならまちを中心とした鹿の舟オリジナルの観光マップもあるので、旅のはじめにまずは立ち寄りたい場所です。
重厚な蔵を利用した「展示室」
蔵を利用した「展示室」。写真展や陶展などで使われています。長い間大切な物を守ってきた、重厚な扉は圧巻の一言。
静かにページを繰りたい「読書室」
蚊帳で囲まれた静かな読書室では、約800冊もある「奈良」「伝統文化」「民芸」「農」「食」に関する図書をじっくりと読むことができます。
気になる講座ばかり「生活学校」
2階の広い畳敷きのスペースでは、「これからの生活」をテーマにした「生活学校」も開講しています。“生活とは命をつなぐことであり、住まうこと、着ること、食べることそのもの。”年間を通して6つの講座が開かれるので、興味がある方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
こちらは「季節のワークショップ」の、茶花のお稽古 「山野草と苔庭」より。山野草を、自分の手で植え、実際に育てるまでを学ぶ講座が開講されました。
食堂&グローサリー「竈 Kamado」
「繭 Mayu」の目の前にあるのが、グローサリーと食事処を備えた「竈 Kamado」です。広々とした空間では、かまどで炊きたての奈良産のお米を使った和定食を食べたり、奈良漬や醤油など奈良ならではの加工品をお土産に求めたりできます。
朝ごはん定食。素敵な一日のスタートがきれそうな、心のこもった優しいお味です。
昼ごはん定食。炊きたてご飯と、奈良の食材をつかったおかずがついたヘルシーな和定食が楽しめます。ご飯が無くなると終了してしまうので、お早めに。
ごはんのお供がいっぱい「グローサリー」
食堂で使用しているお米や味噌、醤油、みりんなどを始め、ごはんのお供にぴったりの奈良産の農産物や加工品のほか、日本各地から集められた、てづくりの台所用品も手に入ります。
喫茶室&ギャラリー「囀 Saezuri」
カフェメニューが味わえる喫茶室の「囀 Saezuri」は、大きく開いた窓から四季折々の風景が楽しめるのも魅力的です。
「囀 Saezuri」の窓の外に広がるのは、「鹿の舟」の田んぼスペース。稲穂がすくすくと成長しています。「囀 Saezuri」で涼を得つつ、過ぎ行く季節を眺めてみては?
夏野菜がたっぷり入った「いかとズッキーニの葛うどんカルボナーラ」には、「おぼろ昆布とレモンのスープ」、「グリーンリーフのサラダ」がついています。
夏季限定「丸ごと完熟トマト」のかき氷。奈良の老舗氷屋「日乃出製氷」の純氷を使ったふわふわのかき氷に、奈良県産の完熟トマトのコンポートを丸ごとのせた、贅沢な一品です。
涼し気なデザートやドリンクも楽しみの1つ。一息ついたら、さあ奈良町観光に出かけましょう。
いかがでしたか?
「ならまち」の新たな観光拠点「鹿の舟」。旅に行きたくなる、素敵な場所に誘われて、奈良に出かけてみませんか?
JR桜井線「京終駅(きょうばてえき)」より徒歩10分。近鉄「奈良駅」9番のりば、JR「奈良駅」5番乗り場より奈良交通バス市内循環「内回り」に乗って「田中町」バス停下車すぐです。車の方は、隣接する有料の「奈良町南観光駐車場」が利用できます。
奈良市法蓮町にある「くるみの木」