アーティチョークはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富な健康食材。苦味と甘みが溶け合う独特の味わい深さがあります。特に、フレッシュなアーティチョークのホックリとした食感は格別。また、水煮やオイル漬けでは酸味を含み、サラダや肉・魚料理によく合います。

単体で十分個性があるため、海外では塩やオリーブオイルをまぶしてシンプルに食べられていることがあります。日本のレストランでは、時にはピュレ状となってソースに使われ、はたまた米料理やパスタに加えられ味のアクセントとなっていることも。メニューごとに姿と味を変えて、とにかく幅広い料理に登場します。

アーティチョークは、地中海沿岸を原産地とするキク科の多年草です。和名は、チョウセンアザミ。成長して夏になると、15cmほどの鮮やかな紫の花を咲かせます。
世界でもっともアーティチョークを生産している国はイタリア。日本最大の産地はというと、三浦半島。国産ものはまだ珍しいのですが、無添加の良質なアーティチョークが日本でも生産されています。

食用とされるのは、若いつぼみの部分です。それも、ガクの根元と、内側の一部のみ。大きく見えても食べられる量が限られているという希少さが、アーティチョークの魅力でもあります。

スペイン料理界の最先端を行く星付きレンストラン。カタルーニャ出身のカルメ・ルスカイェーダ氏による極上の創作料理と、厳選されたワインが味わえます。

イタリアでの修行を積んだ経験豊かなシェフが生み出すのは、食材の旨味を最大限に引き出しているクリエイティブな料理。季節によって、前菜やパスタにアーティチョークが使われています。

こちらの写真は、ホタルイカとアーティチョークのタリアテッレ。これはあくまでも一例ですが、旬の食材を使った珍しいアーティチョーク料理に出合えます。

イタリアでは、アーティチョークのことを「カルチョーフィ」と言います。こちらの店でのメニューでは「カフチョーフィ」をチェックして。写真はメニューの一例で、カルチョーフィとスズキのコンフィ。

目も舌も感動させてくれるコース料理が待っているのが、住宅街に店を構える「ライラ」。仕入れによってメニューが変わるので、必ずアーティチョークが食べられるというわけではないのですが、旬の時期には登場する可能性アリ。こちらの写真はコースの一例で、アーティチョークを器に見立てたサラダ。表現力が豊かですね。

「ガレット エ ポムポム」では、グランドメニューでアーティチョークが食べられます。それが、「イベリコ豚の生ハムとセミドライトマト、 アーティチョークのガレット」。国産のそば粉を使ったもっちりガレットの上に、贅沢な100%純血イベリコ豚の生ハム“ベジョータ”が盛り付けられています。アーティチョークの酸味と苦味が美味しさの決め手に。

どうやって食べるのかわからない見た目をして、実際に食べられるのはほんの一部。一見とっつきにくいような食材ですが、でも、一度食べるとハマってしまう人が続出。「あぁ～、あの苦味と食感が恋しい！」とムズムズしてくるような、クセになる魅力があります。もしあなたがまだ未体験だとしたら、知らずに過ごすのは惜しいですよ。