動画の世界を掘り下げてみよう
そこでおすすめしたいのが「ジンバル」です。早速、その魅力や撮影テクニックをチェックしてみましょう。
ジンバルとは?
なめらかな動画撮影が可能
ジンバルの目的でありメリット、それが動画の動きをなめらかにすること。カメラを手で持って撮影するとどうしてもブレてしまいますよね。ジンバルは取り付けたカメラを常に定位置にあるよう維持するシステムなので、動画がとてもなめらかになるんです。その違いは一目瞭然ですよ。
ポイントは「自分が動く」こと
ジンバルを使った動画撮影のコツは、カメラだけでなく自分も動くことです。被写体をアップにするためにズームを使うのは、動画撮影ではあまりおすすめしません。動画内で画質が変化してしまいますし、ズームのときのぎこちない動きがせっかくのジンバル撮影を少し残念にしてしまうから。
カメラを横に振ることをパンと言いますが、もちろんパンの映像を撮りたいときもあるでしょう。しかし、ジンバルはカメラがたくさん動いてもブレずになめらかであることが最大の強み。カメラと一緒に自分も移動し、動きのあるダイナミックな映像にするのがおすすめです。
小型なジンバル付きカメラが急増中
さて、このジンバルですが、通常はデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラ、さらにはビデオカメラなどをセットして使用します。しかし、このカメラを取り付ける作業は実は大変。軸をブレさせないジンバルですが、初めにしっかりと水平な位置を探して取り付けなくてはならず、かなり繊細な作業なのです。
そうした最初のカメラ取り付け作業が不要で、誰でも気軽に簡単に動画撮影を開始できるのが、ジンバルとカメラが一体となったアイテム。バッグにスマートに収納できるほどのコンパクトサイズながら、4K対応など画質のよさはしっかりと備えています。誰でも簡単にプロのような動画をつくれるんです。
初心者さんでもプロさながらに!4つの【撮影テクニック】
1.ドリーショット
ジンバル撮影の基本中の基本とも言えるのが「ドリーショット」。被写体に対して直線的に近寄ったり、または離れたりする撮影法です。「ドリーショット」をしたいからジンバルを使うといっても過言ではないテクニックですよ。
「カメラのズーム機能を使えばいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、カメラそのものが被写体に動くことで背景がダイナミックに動き、それこそがジンバル撮影の醍醐味。特に人物に対して「ドリーショット」を使うと、撮影場所の風景や景色を強調できます。見る側の没入感を高めてくれるテクニックです。
2.フォローショット
「ドリーショット」を覚えたら次にやってみてもらいたいのが「フォローショット」。動く被写体に対して行う撮影テクニックで、たとえば被写体が人物の場合、被写体との位置を一定に保ちながら同じスピード、同じ画角で移動します。映像を見た人が、被写体と一緒に行動しているような感覚の映像が撮影できます。
はじめは、被写体をしっかりと捉えやすい後ろからの「フォローショット」がおすすめ。慣れてきたら横からや、後ろ歩きで前から被写体を捉える「フォローショット」にも挑戦してみください。撮影場所の安全を事前にしっかりと確認してから行ってくださいね。
3.サークルショット
被写体をカメラの中心に捉えたまま、撮影者が被写体の周りをグルっと一周する撮影方法が、「サークルショット」です。とても簡単な動きですが慣れるまでは被写体がフレームアウトしてしまうことも。確実に被写体が画面の中心にいることを意識しながら、ゆっくりと動いてみましょう。
動かない被写体を印象的に撮るのにおすすめの方法ですが、人物に対しても効果的。たとえば人物を見上げるように下側からサークルを描いてみましょう。背景に感動していたり、驚いているようなシーンを撮影でき、画角を変えるだけでより印象的になります。カメラがまわる方向と逆側に振り向いたり回転してもらうと、さらに効果を強調できますよ。
4.クレーンショット
人の視線では体験できない高さから、被写体をフレームインさせたりフレームアウトさせるテクニックが、「クレーンショット」です。名前の通り、まるでクレーンを使ったような印象にあり、テレビ番組の導入場面などでも多く使われていますよ。ジンバルを持った手を思いっきり上げて高い位置から、または地面すれすれの低い位置から、次第に被写体が映り込むように移動させてみましょう。
たとえば背景だけを高い位置から撮影し始めて、歩いている被写体に向けておろしていくことで、場所や時間、雰囲気などがより伝わりやすくなります。ジンバルにスタンドをつなげてさらに高いところから撮影すれば、まるでドローンで撮影したかのようなショットも可能です。重たいカメラでは難しいアングルなので、小型ジンバルカメラだからこそやってみたいテクニックと言えます。
小型ジンバル付きカメラおすすめ3選
OSMO POCKET 2/DJI
ジンバルと言えばこのメーカー、DJI。そのDJIの小型ジンバル付きカメラが、「OSMO POCKET 2」です。バッグどころかポケットに入るほどのコンパクトさと軽量さ。立ち上がりが早く、すぐに動画撮影に入れるのが魅力です。また、ストーリーモードという簡単に短編動画を編集してくれる機能付き。動画連続撮影時間は約140分です。
Feiyu Pocket/Feiyu Tech
Feiyu TechもDJIと同じくジンバルでよく知られたメーカー。「Feiyu pocket」は、重さも約115gととても軽量です。120°の広角レンズを使用しており、小さいながらも視野の広い動画が撮影できます。タイムラプス機能付きで、空などの定点撮影にも使えますよ。撮影時間は4Kで約210分、ハイビジョンで約270分です。
FIMI PALM/xiaomi
低予算でおさえたいユーザーにおすすめなのが、「FIMI PALM 2」です。大容量のバッテリーを搭載し、最大300分以上という圧倒的に長い撮影時間が可能になりました。被写体を自動で追尾してくれるスマート追跡や、ビデオテンプレートを利用して短編動画を編集できるストーリーモードがついています。連続撮影時間は約308分です。
スマホ用ジンバルおすすめ3選
ZHIYUN-Smooth-4/ZHIYUN
こちらもジンバルでよく知られたメーカー、ZHIYUN。国内正規代理店もあるので、フォローしてもらいやすいという安心感があります。撮影しながらの充電が可能なところが大きなメリット。持ち歩きに便利な収納バッグや撮影に便利な小型三脚がついていますよ。
hohem iSteady X/hohem
とにかくお手頃価格ではじめたい!という方におすすめなのが、「hohem iSteady X」です。ジンバルでは珍しいホワイトカラーがあるのも嬉しいポイント。自撮りモードを備え、ジンバル機能をきって自撮り棒として使うこともできます。音楽やフィルターなど複数の機能を追加して動画編集できるモーションモードも備えていますよ。
Osmo Mobile 4/DJI
最後はDJIから「OSMO Mobile 4」です。最大の特徴でありメリット、そして革新的とも言えるポイントが、スマホ磁気ホルダーを取り付ければ、マグネットで着脱できるところ。撮影のためのセットアップが格段に早くなります。もちろん安定したなめらかな動画撮影が可能で、簡単編集モードも搭載していますよ。
ジンバルの仕組みは、ジャイロスコープのようなもの。横軸と縦軸が交わりあうことで中心を位置する、といった仕組みです。ジンバルと同じ目的のツールでスタビライザーというものがありますが、こちらは下に重りを下げて振り子の原理で安定させるツール。ジンバルのほうがコンパクトなので、気軽に使うならシンバルがおすすめです。