『夏休み』
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姫路駅で名物の「駅そば」をすする。
そこから、二度乗り換えて着いたのは兵庫県上郡町(途中乗り過ごさなければ本当は一度で済む)。
黄色い車体が懐かしい。
母の育った町にやってきた。
そこから、二度乗り換えて着いたのは兵庫県上郡町(途中乗り過ごさなければ本当は一度で済む)。
黄色い車体が懐かしい。
母の育った町にやってきた。
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僕が大人になったからだろう。
もっとずっと大きかったように感じる廊下と洗面台。
けど、家の匂いは同じまま。
手を洗ったら冷たい麦茶とおやつが僕を待っている。
もっとずっと大きかったように感じる廊下と洗面台。
けど、家の匂いは同じまま。
手を洗ったら冷たい麦茶とおやつが僕を待っている。
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五年前に雲の上へと旅立ったじぃちゃん。
駅で出逢ったのが二人の馴れ初めらしい。
ストレートに聞いてみる、「それナンパ?」。
ちょっと恥ずかしそうに、にっこりはにかむ。
駅で出逢ったのが二人の馴れ初めらしい。
ストレートに聞いてみる、「それナンパ?」。
ちょっと恥ずかしそうに、にっこりはにかむ。
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縁側から見えるさるすべり。
庭には丁寧に手入れされた花が咲いている。
それはばぁちゃんの趣味だと思っていたけど、
本当はじぃちゃんが好きだったから。
庭には丁寧に手入れされた花が咲いている。
それはばぁちゃんの趣味だと思っていたけど、
本当はじぃちゃんが好きだったから。
どこかで見たことがあるような気がする台所。
ぶら下がった調理器具、牛乳パック、冷蔵庫に貼られた栄養管理表。
母は、ばぁちゃんの子なのだ。
ぶら下がった調理器具、牛乳パック、冷蔵庫に貼られた栄養管理表。
母は、ばぁちゃんの子なのだ。
いつもガレージの椅子に座っていたじぃちゃん。
そこから見える景色をファインダー越しに覗きながら、
僕はじぃちゃんを撮らなかったことを後悔する。
撮ることに難しい理由は無くたっていい。
大切だと感じたら素直に写真に焼き付ける。
今はそれで十分だと思う。
そこから見える景色をファインダー越しに覗きながら、
僕はじぃちゃんを撮らなかったことを後悔する。
撮ることに難しい理由は無くたっていい。
大切だと感じたら素直に写真に焼き付ける。
今はそれで十分だと思う。
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マイベスト唐揚げは、“ここで食べるの”と決まっている。
進む白米。おかげさまでしっかり一キロほど大きくなる。
次に会うときにはそのレシピを聞かなくちゃ。
進む白米。おかげさまでしっかり一キロほど大きくなる。
次に会うときにはそのレシピを聞かなくちゃ。
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久しぶりに会ったからか話は止まらない。
しかし、そろそろ帰らないといけない時間。
夕焼けが不思議な色をしている。
“綺麗”ではなく“変な色やな”、と言ってしまえるその正直さが羨ましい。
「元気でね。」
お決まりの別れ台詞と共に、また黄色い電車に乗り込んだ。
しかし、そろそろ帰らないといけない時間。
夕焼けが不思議な色をしている。
“綺麗”ではなく“変な色やな”、と言ってしまえるその正直さが羨ましい。
「元気でね。」
お決まりの別れ台詞と共に、また黄色い電車に乗り込んだ。
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All photos taken by Leica M10+ SUMMICRON-M F2.0/50mm
写真家・川原﨑宣喜
かわはらざきのぶき/Nobuki Kawaharazaki
東京都在住。
2017年、スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て独立。
雑誌やWeb媒体を中心に幅広いジャンルの撮影を手がけている。
最近は焼き餃子より水餃子派。
東京都在住。
2017年、スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て独立。
雑誌やWeb媒体を中心に幅広いジャンルの撮影を手がけている。
最近は焼き餃子より水餃子派。
#写日好日 #レンズの向こうに
*「写日好日(しゃじつこうじつ)」…写真を撮った日は、いずれ思い出をもたらす好日になること