『梅雨』
僕は滋賀と兵庫のハーフ、幼少時代を過ごしたのは大阪だ。
帰省すると「東京に魂売ったな!」と揶揄されるが、
上京して一言口を開けば「関西ですか?」。
紫陽花は土の成分によって色が変わるらしいけれど、僕の浪速色が抜けることはないかも。
帰省すると「東京に魂売ったな!」と揶揄されるが、
上京して一言口を開けば「関西ですか?」。
紫陽花は土の成分によって色が変わるらしいけれど、僕の浪速色が抜けることはないかも。
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『傘』
D600+ AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
突然降り出した雨。
しぶしぶコンビニで傘を買う。
靴も濡れて、今すぐにでも靴下を脱ぎたい。
駅から遠いアパートを借りたことを後悔する。
けれど、レンズ越しにみたら、憎らしかった雫が愛おしくなる。
しぶしぶコンビニで傘を買う。
靴も濡れて、今すぐにでも靴下を脱ぎたい。
駅から遠いアパートを借りたことを後悔する。
けれど、レンズ越しにみたら、憎らしかった雫が愛おしくなる。
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『カフェ』
LEICA M10+SUMMICRON-M F2.0/50mm
居心地が良くって、あいにくの空模様を言い訳に長居する。
カフェって万能だ。
談笑に、打ち合わせに、小説を読むのに、時には恋人との別れ話に。
怒った彼女に珈琲をかけられた、なんてドラマも起こったりするのだろうか(僕は経験したくないけど)。
原稿を書きながら、そんなくだらないことを考える。
カフェって万能だ。
談笑に、打ち合わせに、小説を読むのに、時には恋人との別れ話に。
怒った彼女に珈琲をかけられた、なんてドラマも起こったりするのだろうか(僕は経験したくないけど)。
原稿を書きながら、そんなくだらないことを考える。
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『いどちゃん』
FUJIFILM X100F
いどちゃんとの出会いは近所のバーだった。
同い歳、関西出身で家も近所。
一杯飲みに行こうと言って、24時を超えるのがお決まり。
「水道が止まったから泊めて」
この日は髪を湿気でクルッとさせてやって来た。まるで芸人。
僕が引っ越して会う回数は減ったけれど、いつでも頼ってくれたら嬉しい。
出世払いに期待して。
同い歳、関西出身で家も近所。
一杯飲みに行こうと言って、24時を超えるのがお決まり。
「水道が止まったから泊めて」
この日は髪を湿気でクルッとさせてやって来た。まるで芸人。
僕が引っ越して会う回数は減ったけれど、いつでも頼ってくれたら嬉しい。
出世払いに期待して。
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『田舎暮らし』
D750+SIGMA 50mm f1.4 DG HSM ART
ここは奈良の山奥。
撮影を終えて、そのまま縁側でごろごろさせてもらう。
落ちつかない毎日を過ごしているからか、
田舎でゆっくりとした暮らしをしてみたいなと思う。
いや、でも今はまだ駆け抜けないと。
なんて考えていると、湿り気を帯びていく樹々の匂いが。
そろそろ東京に戻らなくちゃ。
撮影を終えて、そのまま縁側でごろごろさせてもらう。
落ちつかない毎日を過ごしているからか、
田舎でゆっくりとした暮らしをしてみたいなと思う。
いや、でも今はまだ駆け抜けないと。
なんて考えていると、湿り気を帯びていく樹々の匂いが。
そろそろ東京に戻らなくちゃ。
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『おとん』
LEICA M10+SUMMICRON-M F2.0/50mm
関西の仕事が入って実家に寄る。
帰りは父に車で送ってもらう。ここが駆けひき。
一本で東京まで戻れる新神戸駅か、乗り換えの必要な最寄り駅までか。
しかし、この日は父の日のお祝いも兼ねて、お鮨をご馳走するという布石を打ってある。
これで新神戸駅まで送ってほしい僕のお願いは断れまい。
帰りは父に車で送ってもらう。ここが駆けひき。
一本で東京まで戻れる新神戸駅か、乗り換えの必要な最寄り駅までか。
しかし、この日は父の日のお祝いも兼ねて、お鮨をご馳走するという布石を打ってある。
これで新神戸駅まで送ってほしい僕のお願いは断れまい。
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『猫』
D750+SIGMA 50mm f1.4 DG HSM ART
雲の隙間から太陽が出てきた午後。
フリーランスなんて言うとちょっとカッコイイ耳触りだけど、この先どうなっちゃうんだろなぁ。
思いを巡らせながら近所をふらふら。
「もっと気楽に行けよ」
猫が言っている気がした。
フリーランスなんて言うとちょっとカッコイイ耳触りだけど、この先どうなっちゃうんだろなぁ。
思いを巡らせながら近所をふらふら。
「もっと気楽に行けよ」
猫が言っている気がした。
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『青い刻』
D750+SIGMA 50mm f1.4 DG HSM ART
アスファルトに落ちる水滴の音はもう聞こえない。
不必要になった傘を片手に、写真を撮る。
土砂降りで撮影は遅くなってしまって、もう外は青い刻。
でも、だから出合えた静かな風景。
僕は雨が少し好きかもしれない。
不必要になった傘を片手に、写真を撮る。
土砂降りで撮影は遅くなってしまって、もう外は青い刻。
でも、だから出合えた静かな風景。
僕は雨が少し好きかもしれない。
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写真家・川原﨑宣喜
かわはらざきのぶき/Nobuki Kawaharazaki
東京都在住。
2017年、スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て独立。
雑誌やWeb媒体を中心に幅広いジャンルの撮影を手がけている。
東京都在住。
2017年、スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て独立。
雑誌やWeb媒体を中心に幅広いジャンルの撮影を手がけている。
#写日好日 #レンズの向こうに
*「写日好日(しゃじつこうじつ)」…写真を撮った日は、いずれ思い出をもたらす好日になること
『紫陽花』
D750+SIGMA 50mm f1.4 DG HSM ART