『旅』
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最後のひとり旅はいつだったか。
金曜日に船と宿の予約をして、日曜日の夜にはもう大型船に乗り込んでいた。
リーズナブルな二等室は雑魚寝、隣のおっちゃんは爆睡。どこででも寝られる能力が羨ましい。
東京から船に揺られて10時間ほど、着いたのは伊豆諸島、新島。
それでもここは東京。短い旅が始まった。
金曜日に船と宿の予約をして、日曜日の夜にはもう大型船に乗り込んでいた。
リーズナブルな二等室は雑魚寝、隣のおっちゃんは爆睡。どこででも寝られる能力が羨ましい。
東京から船に揺られて10時間ほど、着いたのは伊豆諸島、新島。
それでもここは東京。短い旅が始まった。
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荷物をホテルに預けたら、本やネットで評判のパン屋に。
どうやらコッペパンサンドが美味しいらしい。
具のオススメを聞くと、「自分の好きなので」。愛嬌のない返事に面食らう。
島だもの、サカナサンドに。
海で牛乳と一緒に食べた。
二つ買わなかったことを後悔した。
どうやらコッペパンサンドが美味しいらしい。
具のオススメを聞くと、「自分の好きなので」。愛嬌のない返事に面食らう。
島だもの、サカナサンドに。
海で牛乳と一緒に食べた。
二つ買わなかったことを後悔した。
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「シークレットビーチ」という名だが、所々に道案内がまぁまぁある。
もはや全然秘密じゃない。
錆びて哀愁溢れる自転車を止めて小道を進む。
鳥の声だけが聞こえる。虫が飛んでくる。
人気のないうっそうとした雰囲気に、ちょっと怖くなって早歩きになる僕は小心者。
海はすぐそこ。
もはや全然秘密じゃない。
錆びて哀愁溢れる自転車を止めて小道を進む。
鳥の声だけが聞こえる。虫が飛んでくる。
人気のないうっそうとした雰囲気に、ちょっと怖くなって早歩きになる僕は小心者。
海はすぐそこ。
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海から戻ってお目当ての食堂に。
しかし、悲しい三文字が僕を迎えた。
お腹は18時まで待てないと言うし、小雨も降ってきた。
思わず飛び出た「なんでやねん」。
島魚の海鮮丼、食べたかったなぁ。
しかし、悲しい三文字が僕を迎えた。
お腹は18時まで待てないと言うし、小雨も降ってきた。
思わず飛び出た「なんでやねん」。
島魚の海鮮丼、食べたかったなぁ。
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二日目は朝から雨。
開き直って珈琲をすすりながらのんびり本を読む。
読み疲れたらボーッとする。
家でもできることを旅でする。
いつもより体が沈むソファ、自分で入れるよりも少し濃い珈琲。
携帯はお休み。
なんて贅沢。
開き直って珈琲をすすりながらのんびり本を読む。
読み疲れたらボーッとする。
家でもできることを旅でする。
いつもより体が沈むソファ、自分で入れるよりも少し濃い珈琲。
携帯はお休み。
なんて贅沢。
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帰りの船。
行きたかったお店はオフシーズンで大体閉まっているし、雨は降るし。
思い通り行かなかったなぁ（もちろん素敵な恋が始まるなんてこともない）と思っている矢先に。
この季節だから出会えた、とびきりカラフルな島の景色。
行きたかったお店はオフシーズンで大体閉まっているし、雨は降るし。
思い通り行かなかったなぁ（もちろん素敵な恋が始まるなんてこともない）と思っている矢先に。
この季節だから出会えた、とびきりカラフルな島の景色。
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東京に戻る前に大島で乗り換え。
新島で食べられなかった島寿司を頬張る。
山の向こうに沈んでいく光が、透き通った海に反射する。
乗船のアナウンスが鳴る。
次は椿が鮮やかな時季に、ここへ訪れるのもよいかもしれない。
新島で食べられなかった島寿司を頬張る。
山の向こうに沈んでいく光が、透き通った海に反射する。
乗船のアナウンスが鳴る。
次は椿が鮮やかな時季に、ここへ訪れるのもよいかもしれない。
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こんなにも何もしなかった旅は初めてだ。
だらだらと本を読んだり、
少し真面目に写真のことを考えたり、
あの娘のことを考えてみたり。
良い旅かどうかは分からないけれど、
駆け足の毎日から少し離れられたこと、それで十分な気がする。
高速船の中、竹芝桟橋まで一度も起きずに寝てしまっていた。
だらだらと本を読んだり、
少し真面目に写真のことを考えたり、
あの娘のことを考えてみたり。
良い旅かどうかは分からないけれど、
駆け足の毎日から少し離れられたこと、それで十分な気がする。
高速船の中、竹芝桟橋まで一度も起きずに寝てしまっていた。
写真家・川原﨑宣喜
かわはらざきのぶき／Nobuki Kawaharazaki
東京都在住。
2017年、スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て独立。
雑誌やWeb媒体を中心に幅広いジャンルの撮影を手がけている。
東京都在住。
2017年、スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て独立。
雑誌やWeb媒体を中心に幅広いジャンルの撮影を手がけている。
#写日好日 #レンズの向こうに
*「写日好日（しゃじつこうじつ）」…写真を撮った日は、いずれ思い出をもたらす好日になること
