アルネヤコブセン
アルネ・ヤコブセン(Arne Emil Jacobsen)は建築家、デザイナーである。 1902年デンマーク生まれ。 1924年、友人の勧めで建築の基礎を学ぶためにデンマーク王立芸術アカデミーに入学する。在学中の1925年にカイ・フィスカーの下で椅子の設計に参加し、その椅子はパリ万博・デンマークパヴィリオンにて展示された。1927年パウル・ホルセーの事務所に入所。 1929年、建築の道を勧めた友人である建築家フレミング・ラッセンと共に、モダニズム形式の未来の家をコンペに出すと、一躍注目を浴び、世に知られることとなり、様々な建築デザインを手がける。 1940年、ナチスドイツがデンマークを占領。ユダヤ人であるアルネ・ヤコブセンはその迫害から逃れるためにスウェーデンに亡命する。この期間は建築設計をまともに行うことができず、妻と共にテキスタイルのデザインなどをして生活を保った。 1945年、大戦の終了に伴いデンマークへ帰国し、建築設計の仕事を再開。 1950年代は家具のデザインもスタート。それを期に世界的に著名なデザイナーとなっていく。 デザインを手掛けたものは建築や家具に留まらず、照明、テキスタイル、テーブルウエアなど多岐に渡る。 アルネ・ヤコブセンの名を世界に広めたきっかけである家具は現在も愛用者が多い。 代表作はアントチェアの後継として1955年に発表された“セブンチェア”である。美しいラインでカーブを描く合板とシンプルなスチールパイプの脚。仕上げの加工の違いで様々なカラーリングがある。その他手掛けたものでは時計も人気が高い。デザインはその他のものと共通して、やはりとてもシンプルである。ぱっと見は無駄な飾り気のないあっさりとしたものばかりだが、ケースには珍しい鉢型のデザインがなされているなど、細やかなこだわりがある。 版権が切れているので、現在は多くのヤコブセンデザイン製品のリプロダクト製品やジェネリック製品が作られている。