憧れのクラシックホテル
大正ロマンを感じる「宝塚ホテル」（兵庫県・宝塚市）
1926年、大正15年に創業の老舗ホテル。阪急今津線 宝塚南口駅より徒歩約1分、またホテルから徒歩約10分のところに宝塚大劇場があり、オフィシャルホテルとして認定されています。宝塚を鑑賞してから自然に囲まれのんびりした滞在を楽しんでもいいですし、神戸や大阪にも約30分で行ける観光でもお出かけしやすい立地です。
ロビーでは大理石とシャンデリがお出迎え。
内装はアーチ型の壁など、クラシックな意匠も魅力的で、格式高い伝統が感じられますね。
そんな格式高いホテルも老朽化のため取り壊しが決定しており、新しいホテルは心機一転、宝塚劇場の隣と場所も移動し2020年春に開業予定。それまでは今の建物を使い、通常通り営業しているので取り壊されてしまう前にぜひ泊って、建物やインテリアのすみずみまで目に焼き付けておきたいですね。
室内もレッドカーペットにストライプのソファーとレトロな雰囲気でまとめられています。大正ロマンを彷彿とさせるようなインテリアです。
あるお部屋のベッドサイドに佇むレトロクラシックな電話も素敵すぎます。
宝塚オフィシャルホテルということもあり、ホテル内には舞台で使われた衣装や宝塚のトップスターの写真や、舞台写真などが飾られており、部屋内でも宝塚の放送が見られるようです。宝塚ファンであってもそうでもなくとも見ごたえたっぷりです。
奈良ホテル（奈良県・奈良市）
1909年、明治42年に創業した奈良ホテルは関西の迎賓館とも言われ国内外からのVIPにも愛されてきた由緒あるホテルです。歴史が感じられる本館は東京駅を設計した建築家、辰野金吾氏が手がけました。JR奈良駅から徒歩約25分、近鉄奈良駅から徒歩約15分と鉄道駅からは少し離れていますが、奈良交通バスで奈良ホテル前で下車するとすぐです。興福寺がすぐそばにあるので観光がてら見物してから向かうのも◎
ロビーは吹き抜けの作りとなっており照明や絵画、どれを取ってもクラシカルな雰囲気いっぱいです。館内の隅々までじっくりと周って趣を肌で感じたいですね。
本館デラックスルームはベッドルームとラウンジエリアが暖簾で仕切られており、その先には豪華な応接セットと鏡台、書き物ができるデスクが。ベッドタイプの洋室ですが和のムードが漂い、海外からのお客様からの評判が高いのも納得です。
本館のお部屋は電話までもがこんなレトロな仕様になっています。携帯電話やスマホでつながるのがあたり前の昨今、ダイヤル式の電話なんて滅多に見かけないので、ついどこかにかけたくなっちゃいますね。
和風建築でありながら、暖炉やピアノがあったりと洋風の雰囲気が随所に感じられます。このピアノは上に置かれた写真でもわかるようにアインシュタインが弾いたピアノだそうです。戦後は混乱が続き、当時の従業員がピアノを守ろうと大阪の倉庫に避難させて以来、ずっと眠ったままでしたが、2009年に晴れてこの奈良ホテルにまた戻ってきたのだそうです。
ホテルのティーラウンジは古時計とどっしりとソファーが並び、まるでタイムスリップしたような気分になるかも？ここでゆっくりコーヒーを飲みながら読書したり、ほっと一息つきたいです。
川奈ホテル（静岡県・伊東市）
東京駅から新幹線を利用して1時間ほどのところにある静岡・伊豆にある川奈ホテルはゴルフ場を兼ね備えたリゾートホテル。東京の御三家ホテルとして知られる、ホテルオークラ創設者で有名な大倉喜七郎がイギリス留学中に訪れたリゾートホテルに感銘を受け、大倉財閥の別荘として建設したのが始まりです。
1936年、昭和11年の創業当時のものも多く使われており、リゾートホテルでありながらもクラシックホテルであることが実感できます。暖炉の上に飾られたホテルのエンブレムは、海外の紋章を参考にして創業当時に製作されたそう。照明はアンティークガラスで作られており暖かな光りでロビーを照らしてくれます。
カフェルームはぐるりと開放的な大きな窓から、眺め抜群のオーシャンビューが叶います！リゾート感たっぷりの雰囲気の中で頂くコーヒーやケーキ、サンドイッチは格別なお味です♪
窓を開けると、海風が心地いい。ゆったり落ち着いたお部屋で寛ぎのひとときを。アメニティも充実しています。
雨の日の滞在には「明日は天気になりますように」とてるてる坊主がお部屋に置かれることも。にこにこ顔のてるてる坊主に癒されます。
観光地ではよく望遠鏡を見ることがありますが、ここまでレトロで貴重なものがホテル内にあるって珍しいですよね。今まで何人の方々が覗いてきたんでしょう。もちろん現在もこちらを使って遠くを見渡すことができますよ！
蒲郡クラシックホテル（愛知県・蒲郡市）
東京から新幹線を使って最短約1時間40分、大阪から新幹線で約2時間、JR名古屋駅から約40分の愛知県蒲郡市にある蒲郡クラシックホテルは創業から100年以上の歴史を誇る由緒あるホテルです。国の天然記念物に指定されている「竹島」や三河湾の美しい景色が楽しめる高台にあります。
アール・デコ 様式のクラシカルな雰囲気でいっぱいのロビーは季節のお花が活けられとっても華やかです。重厚な雰囲気のロビーは暖炉をバックにウェディングの写真撮影スポットとしても人気なのだそう。
お部屋は窓が大きく、開放感たっぷりでくつろげます。庭園はつつじの名所としても有名で、毎年4月末～5月初旬に開催される「つつじ祭り」は多くの人でにぎわうのだそう。
エレベーターの階数を表示するのはデジタルではなくアナログ表示。こちらは創業当時から使われている指針盤だそうで、あたたかみがあります。
朝食前には、レストランに隣接したテラスでのコーヒーサービスが。窓の外には自然がいっぱい、緑あふれる景色を堪能しながらも、吹き抜けになったロビーの意匠から館内の歴史を感じることもでき、非日常のゆったりとした時間が楽しめますね。
フランス料理が頂ける「メインダイニングルーム」は、重厚なカーテンに囲まれた素敵なレストランです。三河湾の美味しい食材を竹島の景色を見ながら頂けるなんて最高の贅沢！
いかがでしたでしょうか？
いかがでしたでしょうか？どのホテルも歴史的装飾品や建物などのハード面だけでなく、心の通ったホスピタリティなどソフト面でも個性や品格が表れていて、どのホテルもとっても居心地が良さそうですよね。連泊して観光しながらホテル時間も楽しむ、またはホテルだけを隅々まで堪能するのも素敵な旅だと思います。一生に一度は泊ってみたいクラシックホテル、ぜひお出かけしてみてくださいね！
クラシックホテルとは特に明確な定義はないものの戦前の建物を利用したホテルや戦前から営業しているホテルを指す事が多いようです。今回は、『日本クラシックホテルの会』に加盟している『奈良ホテル』、『川奈ホテル』と『蒲郡クラシックホテル』の３軒と2020年に今現在の建物での営業は終了することが決まっている『宝塚ホテル』をご紹介していきます。