ノスタルジックな時間が流れる。「吉祥寺」古きよき文化の香り漂うディープな喫茶店巡り

東京駅から約30分、新宿や渋谷からもアクセスの良い街「吉祥寺」は、駅ビルやカフェ、ブティックが建ち並び、週末になると沢山の人で賑わいます。

昭和54年「江戸糸あやつり人形劇団 結城座」の劇団員によって作られた喫茶店「COFFEE HALL くぐつ草」は、おいしいコクのあるオールドコーヒーとカレーが人気です。階段を下りて重厚な扉を開けると穴蔵のような空間が広がります。

味のある手書きのメニュー。オムライスやカレーなどの食事メニューも豊富です。

10種類以上のスパイスを一日がかりで煮込んで作る定番メニュー「くぐつ草カレー」は、開店以来変わらない味。

吉祥寺はジャズの街としても知られています。その文化を担うお店の一つがジャズの老舗ライブハウス「サムタイム」。シカゴの地下街をイメージした店内で、おいしい食事とお酒を飲みながら気軽にライブが楽しめます。

お昼はランチタイムがお得。ドリンク付きで800円で煮込みハンバーグ、カレー、タコライスのセットメニューが食べられます。遅めの時間までランチ営業しているのも嬉しいですね。

井之頭公園へ行く通り沿いの2階にある「武蔵野珈琲店」は、クラシック音楽が流れる静かな空間。ドラマ「火花」にも登場し、著者の又吉さん自身もお気に入りのお店だそうです。

ネルドリップで丁寧に淹れられたコーヒー。落ち着いた空間で、ホッとする一杯を味わってみませんか？

もともと早稲田大学にあった「茶房 早稲田文庫」で働いた店主が、後に独立して1985年に吉祥寺にオープンした「茶房　武蔵野文庫」。

こちらは鶏肉とジャガイモをこってりと煮込んだ名物のカレーセット。

デザートの「ボーネントルテ（おからのケーキ）」や「焼きりんご」は、どこか懐かしい優しい味わいです。

もともと吉祥寺にはたくさんのジャズ喫茶がありました。

その中でもジャズ好きの人で知らない人はいないと言われるジャズ喫茶「メグ」は、日本の有名なジャズ評論家の寺島靖国さんがオーナーのお店です。

ピンクのスピーカーはアバンギャルドという超高級スピーカー。最近ではライブも行われています。

メグの隣にあるのが、40年以上の歴史のあるクラシック喫茶バロック。昭和の時代は若者がクラシック喫茶で音楽に浸るのが流行していました。そのときと変わらずの佇まい。

味のあるスピーカーで聴くアナログディスクから流れるクラシック音楽は体験してみる価値ありです。いかにもバロックな店内は、音楽を聴くことが最優先の喫茶店なので会話は禁止です。

演奏中の曲と次の演奏の曲が掲示されているのも味がありますね。曲のリクエストもできます。

コーヒーと共に、こころゆくまで音楽の世界に浸ることができますよ。

変わるものと変わらないものが交差する街「吉祥寺」。地元の文化に触れるには、昔から今もなお愛され続けている喫茶店を覗いてみるのが一番です。きっと今まで知らなかった古き良き吉祥寺の魅力に触れることができますよ。