TIER(タイヤー)ってどんなブランドなの?
水引を使ったスタイリッシュなデザインを多数発表されているブランド、TIER。福岡県出身のデザイナー、長浦ちえさんが立ち上げられたブランドです。
TIER〈タイヤー〉とは「結ぶ人、結びつける人」という意味を持ちます。
水引と紙、異なる素材と素材、モノとコト、点と線...
それらをちょっと違う角度から結びつけてみると、何かワクワクすることが起こるかもしれない。
私もその一部となりながら、ヒトとヒトを繋いでいけたら嬉しいです。
1979年生まれの長浦ちえさん。2003年に武蔵野美術大学油絵学科卒業後、水引デザイナーとして活動されていましたが、2004年に水引を広めるためにフランスに渡りました。
2005年に帰国後は、企業のプロモーションなどを多数手がけています。2008年には活動拠点を福岡に移し、2013年にはご自身のブランドとしてTIERを立ち上げられました。
長浦さんは、既存の概念を覆す美しい水引のデザインを多数、発表されています。水引を紹介する本も執筆されており、お洒落な雑貨として水引を知る人たちも増えています。
水引ってどんなもの?
水引をもっともよく目にするのは、やはりご祝儀袋ですよね。水引は、細く切った紙を撚って作ったこよりにに糊をつけて乾かし、そのこよりを染め付けてさまざまなカラーバリエーションを作ったものです。
現代では、この紐自体の種類も増え、さまざまな表情のある水引が生まれています。
水引は古い歴史を持ち、飛鳥時代にはすでに献上品に染めた紅白の麻紐を使っていたという説もあるんですよ。贈り物をする人に対する想いを込めるためのアイテムとして、江戸時代に広く知られるようになりました。
水引は、美しく並べられた紐を隙間なく結びつけて、さまざまなデザインを作り上げます。紐の組み合わせや結び方に意味を持たせることなどもあり、日本人の美意識を深く感じます。
長浦さんは、水引を使って立体的な作品も多数発表されています。ころんとした可愛らしいアイテムは、金封につける以外の水引の可能性を広げてくれました。
TIERの美しい水引の世界
金封とぽち袋
シックな色合いの金封は、お渡しするときの装いとリンクさせてみるのも素敵です。ニュアンスのあるカラーなので、秋から冬にかけて重宝しそうです。
爽やかな色味の金封は、「雨音」という名がつけられています。シンプルな結びにすることで、さっぱりとした美しさが生まれましたね。
鮮やかなピンクの小さな封筒には、封緘のように水引を使いました。和と洋の調和がとても素敵です。
こちらはなんと水引で人気キャラクターを作ったという実にユニークな作品です。シンプルな水引のラインを使って、キャラクターの顔をあらわすのは高い技術力を必要とします。
日本で唯一の手扱き、手染めを行う水引職人が作った水引を使った両わな結びのご祝儀袋です。
世界の国旗をあらわしたなんともキュートなカラフルぽち袋。ご贔屓の国のものを使いたくなってしまいますね。
長寿の象徴であるあわびに見立てた装飾結びで、淡路結びとも呼ばれます。日本らしい、かたちの可愛らしい結び方です。
幾何学模様風にラッピングペーパーをアレンジしています。水引の装飾の大きさが違うと、受ける印象も大きく変わるということがよくわかります。
ラッピングアレンジ
常盤色の水引は清々しいイメージですね。立体的な水引をプラスしただけで、華やかな印象になります。
お花をアレンジした水引たちは、清楚で愛おしさを感じさせてくれます。白い箱をベースにしているので、美しい水引の色味が強調されています。
小さな袋には、パンジーの水引を添えて。手作りのタグも一緒につけたら、お洒落度がアップしました。
ラッピングペーパー自体に柄が入っているものに水引をかけると、とても良いアクセントになります。
ちょっとしたものを差し上げたいときに便利なおすそ分けラッピング。赤とグリーンが効いていますね。
水引を使った立体作品
紅白のたっぷりとした水引の束に、白い鶴をアレンジした立体のお正月飾りです。迫力があって、お正月らしい華やかさを感じます。
やわらかなピンクのグラデーションと淡い水色の水引を使ったフラミンゴのお飾り。それぞれ、かたちが微妙に違って味わいがありますね。
大きく翼を広げた鶴は、カラーバリエーションがとてもお洒落ですね。長く引く尾の色味の違いにきゅんとときめきます。
水引の束の流れがとても美しく表現されています。シンプルにお花をアレンジして、お正月らしいお飾りに仕上がっています。
まるで金平糖のようなパステルカラーが、やさしい印象の水引たち。同系色のグラデーションだけではなく、いろいろな色を組み合わせることで、水引の無限の可能性を感じます。
体の部分を真っ白な水引だけであらわした鶴は、とてもおめでたい雰囲気です。たくさんの鶴が一斉に飛び立つのを眺めたら、幸せな気分が訪れます。
なんともキュートな輪切りのスイカ。簡単なデザインなのに、ぐっと目を惹きますね。
イラストと水引のコラボレーションというとても楽しい作品です。立体の水引の部分に影が淡く出ているところが面白いですね。
たくさんの本を出版されています
これまでに三冊のご本を出版されている長浦さん。ご祝儀袋のものという認識しかなかった世の中に、水引の新しい価値観を教えてくれるきっかけになった本たちです。
身近に使える水引を、もっともっと楽しんで
長浦さんの水引デザインは、作り手の優しさを感じさせるものばかりです。ラッピングやお飾りなど、私たちの身近なところでも水引を使うチャンスはたくさんあります。ぜひ日本らしさを感じることができる、美しい水引を楽しんでみてくださいね♪
ご祝儀袋には必ずかかっているのが紅白の水引。わたしたちが普段、水引と関わるのはこうしたご祝儀袋が一般的ですが、水引デザイナー/アーティストの長浦ちえさんは、もっと自由な発想で、水引の世界観を大きく広げてくれました。日本らしい繊細な美しさを表現してくれる「TIER(タイヤー)」の水引の魅力に迫っていきましょう。