のんびりてくてく歩いてみよう。パリが薫る街、神楽坂お散歩手帖

新宿区神楽坂は、大人がのんびり散歩を楽しめる落ち着いた雰囲気の街。早稲田通りの途中にある坂を中心としたエリアで、大正時代ににぎわったという花街の名残りから、路地裏には趣のある石畳が長く続いています。

路地裏を散策していると、素敵なお店がひょっこり現れることもしばしば。また、神楽坂には「アンスティチュ・フランセ(旧東京日仏学院)」やフランス語のインターナショナルスクールがあるため、都内でも特に在住フランス人が多く、どことなくパリの雰囲気を感じさせるエリアでもあるんです。

一方で、老舗の飲食店や歴史の長い寺社なども点在しており、歩く場所によっていろいろな表情を持っているのが魅力です。そこで今回は、神楽坂の街を「日本」と「フランス」という二つのジャンルに分けてご紹介しましょう♪和の風情と洗練されたヨーロッパの雰囲気を一緒に楽しめますよ！

昭和38年創業の【鳥茶屋】(とりぢゃや)は、神楽坂の地にうどんすきなどの関西料理を広めた老舗店。こちらの別亭は「芸者小道」と呼ばれる路地の奥にあり、いかにも大人の隠れ家的なひっそりとした佇まいです。

純和風の店内はほとんどがお座敷席。普段の食事はもちろん、宴会や記念日などにぴったりの個室も完備されています。

別亭の人気メニューはランチの親子丼。旨みと柔らかさが自慢の富士高原鶏と、毎日仕入れるという岩手産の地卵を使ったこだわりの逸品です。本店では扱っていない限定メニューで、デザートも付きますよ♪

2階にはのんびりできるお座敷席も。つい長居してしまいたくなる居心地の良さがあります。

人気メニューは、濃厚な味がたまらない「抹茶ババロア」。【紀の善】自慢の粒あんもたっぷり添えられており、かなりボリュームがあります。テイクアウトもできるので、お店で召し上がった後はお土産にぜひどうぞ！

神楽坂の【亀井堂】が有名になったのは、こちらのクリームパンがきっかけ。トングでつかめないほどクリームたっぷりで柔らかく、買う時はヘラを使ってトレイに乗せます！一日に400～500個売れる時もあるほどの人気なんですよ☆

続いては、神楽坂にある有名な寺社をご紹介しましょう。まずは、日蓮宗の寺院である【毘沙門天 善國寺】(びしゃもんてん ぜんこくじ)。神楽坂通りを坂上に向かって進むと、左手に朱色の門と本堂が見えます。

毘沙門天は開運・厄除けにご利益のある神様で、境内にはたくさんの絵馬やおみくじが奉納されています。また、本堂の左右に据えられた石虎は江戸時代後期の物なのだそう！長い歴史を感じますね。

こちらは、東京メトロ・神楽坂駅から徒歩1分の場所にある【赤城神社】(あかぎじんじゃ)。鳥居をくぐって階段を上ると、目の前に和モダンな雰囲気の本殿が現れます。設計監修を担当したのは、あの世界的建築家・隈研吾氏。神楽坂在住で【赤城神社】の氏子だったこともあり、再建計画の際に氏自らが申し出たのだそうです。

そして境内には、同じく隈氏が設計したマンションが建っています。こちらも神社の再生計画の一つで、約70年間不動産会社に土地を貸し、その収入を神社の運営にあてるというもの。期限を迎えた際にはマンションを取り壊し、再び鎮守の森を作るという壮大なプロジェクトなのだそうです。

日替わりのワンプレートランチや、前菜・パスタなどのディナー、デザートといったメニューが盛りだくさん。いろいろな時間帯に利用できるおすすめのカフェです。

続いては、神楽坂で人気の文化的スポットをご紹介しましょう。こちらは2014年にオープンしたキュレーションストア【la kagu】(ラ カグ)。ファッション・雑貨・インテリア・カフェ・本・レクチャースペースと、幅広いジャンルが集合した新しいスタイルの施設です。

2階にあるレクチャースペース「sōko」(ソーコ)では、トークショー・ワークショップ・展覧会などが頻繁に行われています。トークショーには人気作家が登場することも多いので、本好きの方は要チェックですよ！

また、2016年8月のリニューアルオープン時には、京都の人気カフェ【マドラグ】(LA MADRAGUE)の東京店も誕生しました。【マドラグ】の看板メニュー「コロナの玉子サンド」は、惜しまれつつ閉店した老舗洋食店【コロナ】から継承されたもの。東京でその味を堪能できるとあって、美味しいもの好きな人たちの間で話題になっています♪

東京メトロ・神楽坂駅から徒歩3分、路地裏にひっそりと佇むおしゃれなお店は、古本&雑貨を扱う【クラシコ書店】です。モザイク風のタイルと若草色の扉が目印ですよ。

店主がセレクトした古本や雑貨が並ぶ店内は、静かで居心地の良い雰囲気。さらに、カウンターではコーヒーやお酒を味わうこともできます。一人でものんびり過ごせるおすすめスポットです☆

都内でも特にフランス人が多く暮らしている街・神楽坂では、そこかしこにフランスの優雅で上品な気配を感じることができます。神楽坂の街中にあるフランスを探してみましょう♪

神楽坂について語る時に外せない存在なのが、1952年に開校したフランス語学校【アンスティチュ・フランセ（旧東京日仏学院）】です。フランス語のレッスンはもちろん、フランス文化を学ぶ講座や、映画・展覧会・コンサートなどのイベント、図書の貸し出しなど、誰もが気軽に利用できるサービスが充実しています。

敷地内には【リヴ ゴーシュ】(RIVE GAUCHE)というフランス書籍の専門店があります。パリの街角にいるようなおしゃれなお店で、雑誌や絵本なども取り揃えていますよ☆

メニューは気軽にかつ本格的に味わえる正統派のものばかり。ア・ラ・カルトで好きに組み合わせたり、コースでたっぷり味わったりと、いろいろな楽しみ方ができますよ。

神楽坂は小さなエリアですが、一日では回りきれないほど素敵な場所がたくさんあります。路地裏をのんびり散策しながら、お気に入りのスポットを見つけてみましょう！