ロールストランド
ロールストランド(Rorstrand)は北欧スウェーデンの陶器メーカー。 1726年にヨハン・ウルフによって創業。スウェーデン王室御用達の焼釜であった。 この頃のヨーロッパは激動の時代。スウェーデンも例外ではなく、経済の再建が必要となり、1746年から製品の輸出を開始する。ヨーロッパ各地をはじめ、世界へとロールストランドの製品は広まった。王室御用達ならではの上品で美しい絵付けであるものの、気取らない雰囲気によって愛用者やコレクターが増えていった。 1945年に第二次世界大戦が終戦すると、スウェーデン工業協会の働きかけによってスカンジナビア・デザインを展開。デザイナーや陶芸家などによって、芸術性が高く、シンプルで機能的なデザインの製品が生まれ多くの人を魅了した。 2001年にフィンランドのデザイン企業iittalaグループの傘下となる。 ノーベル賞授賞式の晩餐会では必ず使用される食器がロールストランドの「ノーベル」であることは有名である。 ロールストランドの製品は“カジュアルスタイル”“クラシックスタイル”と各ラインに分かれている。“カジュアルスタイル”は日常使いにぴったりの製品で、ペルゴラ、モナミ、クリナラの3シリーズを展開。中でも1950年代に発表された、白磁に大きめの青い花が描かれたモナミは人気が高いシリーズ。 “クラシックスタイル”ではオスティンディア、スウェディッシュグレース、スンドボーンの3シリーズを展開。人気はスウェディッシュグレース。1930年に発表されたクラシックなデザインではあるものの、優しい色展開が魅力的。 2000年代に入ってから、日本に限らず世界においても古くからある技法やデザインへの注目が高まっている。ロールストランドの製品は現代デザインのヒントとして使われていることも少なくない。長い時を超えても衰えることのない魅力を持つブランドである。