JICON
JICON(ジコン)は日本の磁器ブランド。株式会社陶悦窯によって運営されている。 株式会社陶悦窯の創業は1641年で、370年以上の歴史を持つ。佐賀県佐世保市にて窯を開き、江戸藩御用達の窯として務め、十代目の時代に廃藩置県によって御用窯も廃止となる。 窯場を広げるために1963年、同県有田町に窯を移す。茶道具を中心に作品を製作し、茶道をたしなむ人々にはじまり、その名を知られるようになる。 2012年、デザイナー大治将典氏を迎えて新たなブランド『JICON』を立ち上げる。 JICONは漢字で「磁今」と書き今、現代に作る磁器をいう意味と、仏教用語で“今を生きる”という意味を持つ『爾今(じこん)』が重ねられている。 有田焼は青白い、完璧な白のものが一般的になっているが、磁土や釉薬を再度見直して素材感を生かす作品を作ろうと考えた。 そうして辿りついたのが、JICONのあたたかみのある生成り色の磁器。 デザイナーを務める大治将典氏は、漂白されたような白ではなく、自然な白を作り出すためにあえて通常より低めの1240度で焼き上げることで、磁土に元々含まれている褐色の微粒子もそのままに正直な色合いを保っていると話す。 生活に馴染む、やさしいJICONの磁器は数ある有田焼の中で独特の存在感を放っている。 JICONの作品で一番の人気は大きな菊の花が開いたような『菊皿』。 使いやすい3サイズ展開で、すっきりした白は上に乗せた料理がとても映える。 その他にも、美しいカーブで作られたハンドルのついたマグカップ、ぐるりと面取り細工されたぐいのみや蕎麦猪口、静かに佇んで挿した花を引き立てる花瓶も人気。 ブランド誕生から数年とまだ若いブランドながら、今後の作品がすでに楽しみに思う。