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“普通の食べ物”こそ面白い!
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“普通の食べ物”こそ面白い!
思わず笑顔になる名エッセイ

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2022年07月08日作成
なんだか元気がでないとき。ちょっと嫌なことがあって落ち込んだとき。
気分転換の方法は多々ありますが、私は本を読むことが多いです。それも長編ではなく短編で、読みやすくて、沈んでいた気持ちを忘れさせてくれる面白いもの。となればもうこれしかありません。東海林さだおさんの「丸かじり」シリーズ(文春文庫)です。
文春文庫からは現時点でなんと42冊も発刊されている人気シリーズ。学生時代からちょこちょこ買い集めています

文春文庫からは現時点でなんと42冊も発刊されている人気シリーズ。学生時代からちょこちょこ買い集めています

このインパクトのある表紙、見覚えがある方も多いかもしれません。それもそのはず、「丸かじり」シリーズは『週刊朝日』で35年も続いている人気連載「あれも食いたいこれも食いたい」をまとめたもの。1冊に35編ほどの食べ物に関する短いエッセイが収録されています。

取り上げられる食べ物は毎回とても身近なものばかり。語り口は軽妙でユーモラス。たとえば『メンチカツの丸かじり』からタイトルをいくつか抜粋すると、
「すき焼き、廃墟となる」
「昆布のような人なりき」
「クッキーの苦しみ」
「ワサビ、この階級社会」
「ラーメンスープの残し方」
……とこんな具合。すき焼きを食べ終わった後の荒れ果てた鍋に思いを馳せ、クッキー缶を開けたところでハタとどれを何個食べるのか思い悩み、ラーメンのスープのほどよい残し方を考える。慣れ親しんだなんてことない食べ物でも、東海林さんの目を通して見ることでとんでもなく面白いものに感じられるんです。
『メンチカツの丸かじり』より「稲荷ずしに異変」

『メンチカツの丸かじり』より「稲荷ずしに異変」

毎回挿入される東海林さんのイラストにも思わず吹き出してしまうことが多く、電車のなかで読むのはとても危ういのですが、それでも「今日は丸かじりシリーズだな」と感じた日には懲りずに持って出かけています(そして必死に笑いをこらえながら電車内で読んでいます)。

どんなときでも、読めば文字通り笑顔になれる「丸かじり」シリーズ。まずは気になった表紙のものからでも、愛すべき“東海林ワールド”を訪れてみませんか。

この記事を書いた人

編集 ナツ
キナリノ編集部
編集 ナツ
グルメ、雑貨、インテリアなどのライフスタイル全般を担当。宝塚と辛いもの、台湾旅行が心の糧。服でも物でも、「かわいい!」と思ったらついつい買ってしまいます。

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