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“いつもの夜”に飲む、ちょっと特別な白ワイン

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2021年11月12日作成
ビールに始まり日本酒や焼酎など、お酒と名の付くものはもれなく大好き。この2年間、おうち飲みが増えてからはもっぱらワイン派の道を進んでおります。

品種や味・産地の多さから、自分で選んだり買ったりするのは少しハードルが高いと思われがちなワイン。でも“もっぱらワイン派”なんて言うわたしも、語れるほどの引き出しは持ち合わせていません。あるのは店員さんやお酒好きの父から聞きかじった付け焼刃の知識、それから魔法の呪文を一言知っているだけ。
その一言とは「フルーティーな辛口」。自分の好みをざっくり言語化したこの一言を酒屋さんに伝えるだけで、品種や産地を細かく伝えなくても、舌にぴったり合うおいしいワインが手に入る……ということに気づいてから、ワイン選びがとっても楽しくなりました。こちらの国産白ワイン『くらむぼん 樽甲州』も、呪文が引き合わせてくれた1本です。
“いつもの夜”に飲む、ちょっと特別な白ワイン
口に含むと爽やかに広がる、柑橘系のフレッシュな果実味。そこに「樽甲州」の名前の通り、ほんのり樽香の香ばしさが感じられることで、なんとも深みのある豊かな味わいに仕上がっています。

白ワインは、魚や野菜などのさっぱりした料理に合うイメージがありますが「樽甲州」はその枠に留まりません。おいしさが何層にも重なって嗅覚と味覚を刺激してくるからか、強めの味付けにも負けない力強さと華やかさがあるんです。個人的には豚バラと白菜の重ね蒸しや水炊きなど、お肉を使った日常料理とも相性良好だと思っています。

単体で飲めば味そのものの奥深さを楽しめて、料理と合わせればメインの味を引き立たせる食中酒としてスマートに寄り添ってくれる。白ワインとしてはちょっと珍しい、オールマイティな1本です。
“いつもの夜”に飲む、ちょっと特別な白ワイン
ワインの名前「くらむぼん」は、宮沢賢治の短編小説「やまなし」に登場する名前に由来したもの。小学校の国語で「クラムボンはかぷかぷわらったよ」という一文を読んだ記憶がある人もいるのではないでしょうか。エチケットに描かれたぽってりとした梨も、同じく「やまなし」のワンシーンに由来しています。

こちらの梨、「やまなし」の中で一番印象に残っているアイテム。川底に住む蟹の親子が水面に浮かぶ梨を見上げて「沈んでくるのを待とう、そのうちおいしいお酒ができるから」と話すのですが、あまりに幻想的な描写にクラクラして何度も読み返したのを覚えています。どんな味がするのか、香りは、色は……思えば、人生で最初にお酒に焦がれた瞬間かもしれません。
そんなわたしの前に、この『くらむぼん・樽甲州』が現れたときの衝撃たるや。梨のお酒ではないけれど、自分の中では川にとぷんと沈んで熟した“あの”お酒といえばこの「樽甲州」になりました。子どもの頃に焦がれた幻の味を肴にグラスを一杯傾ける、なーんてちょっと粋な(不思議な?)飲み方で、最近は夜を楽しんでいます。

この記事を書いた人

編集 michaka
キナリノ編集部
編集 michaka
お酒とくだもの、酸っぱいものに目がありません。生活雑貨・家電・グルメなどなど、幅広く担当しています。晴れた日に屋外で読む小説と、深夜に見る映画が好きです。

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