インタビュー
vol.99 陶芸作家・小川綾さん
届けたいのは、道具ではなく「情景」をつくりだす花のカバー画像

vol.99 陶芸作家・小川綾さん
届けたいのは、道具ではなく「情景」をつくりだす花器

写真:岩田貴樹

友達のような存在であったら。そんな願いを込めて花器を作るのは、陶芸作家・小川綾さん。儚く、美しい色は、土の配合や形の凹凸によって同じ釉薬でも異なる表情が現れます。まだまだわからないことだらけ、と陶芸の面白さを探求するように、一つひとつ丁寧に作られる花器。日々を大切に、一歩ずつ前を向いて歩んできた道のりは、作品の魅力となり、多くの人々を魅了しています。

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2019年04月05日作成
vol.99 陶芸作家・小川綾さん
届けたいのは、道具ではなく「情景」をつくりだす花器
両手にすっぽりとおさまってしまう小さな花器。陶芸作家・小川綾さんが作る花器は、その大きさとは裏腹に、存在感を放ち続けます。

儚くも美しい色に、沸いてくるのは、自然を尊ぶ気持ち。陶器ながらやわらかな質感に、思わず手をのばして感触を確かめてみたくなります。そして、ひとたび手にすれば、どんな感情も受け止めてくれるような温もり。さまざまな思いがかけめぐる、不思議な魅力のある花器。

そっと一輪挿したなら、名の知らない花さえも、命を示すように活き活きとしてきます。
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届けたいのは、道具ではなく「情景」をつくりだす花器
2018年、小川さんは東京に工房を構えました。小さな一室にところ狭しと並ぶのは、素焼き前の作品やバケツに入った釉薬、信楽の⼟。片隅には、ろくろがひとつ。別の部屋には⼩さな電気釜が置かれ、取材の日も静かな音を立てながら焼いている真っ最中。日本のみならず、ヨーロッパや北欧など世界中から入るオーダーを受け、こつこつと丁寧に手作りされた花器は、お店に並ぶとたちまち売り切れてしまう人気ぶりです。
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届けたいのは、道具ではなく「情景」をつくりだす花器
小川さんの作る花器は、華やかな花より、野花のような可憐な花がよく似合います。「たとえ雑草でも、好きなものを活けたらいいんじゃないかなと思うんです」そういって微笑む小川さん。大切にしている原風景が映し出されているのかもしれません。
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道具ではなく、情景につながる花器を

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生まれ育ったご実家には小さな庭がありました。ひっそりと根を張る木々や花は、春には花を咲かせ、夏には陽を照りかえすように青々しい姿に。そして、秋には小さな実をつけ彩ってくれました。つまんだ草を食事に見立てておままごとをしたりと、庭は格好の遊び場。都会の真ん中で、季節の巡りを映し出し、命の営みを見せてくれました。
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「子どものときに庭で花を摘んで母に持って行った思い出があるんです。そういうときにお気に入りの花器があったらいいなと思って。お花を見つけたときに、あの花器があるから活けてみようとか、あの人が好きな花器を持っているからお花を贈ろうとか、気持ちをつないでいくものを作れたらいいなと思っていて。それが、その人の大切な情景につながることもあると思うんです。ただの道具ではなく、心をつないでいくものになってくれたらなと思います」

⼩川さんが今でも覚えているある⽇の情景は、作品を作るうえで⼤切な記憶です。
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2018年には、東京・飯田橋にオープンしたレストラン「INUA(イヌア)」のプロジェクトチームに参加し、お皿作りに初挑戦。世界一予約がとれないといわれるコペンハーゲンのレストラン「noma(ノーマ)」で活躍したシェフが開いたお店です。オファーの理由は、ファミリー感を感じること。一つひとつ色が異なっても、組み合わせたときに作品が調和して生まれる心地良さは、花器を通して伝わっていたのです。さまざまな世界で活躍するプロまでを魅了し、小川さんは新たな活躍の場を広げています。

好奇心を頼りに、一歩ずつ前へ

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小川さんは高校卒業後に大学へ進学。幅広く興味のあることを学び、充実した時間を過ごしていました。大学3年生になると周囲は就職活動であわただしくなりましたが、小川さんには、将来について思い悩む時間はありませんでした。ご家庭の事情から自宅で仕事をするため、大学を卒業すると派遣会社に登録。興味があったデザインソフトを講習に通って学び、WEBのデザインやサイトの更新などさまざまな会社の仕事を自宅でこなしました。
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「当時は技術を持っている人がまだ少なかったので、重宝されたんでしょうね」
こう振り返る小川さんの表情は変わらずに穏やかなまま。きっと悲しみや不安で眠れない夜もあったに違いありません。当時、インターネットが急速に普及し始め、技術もまたたく間に進歩していった時代。デザインだけでなく、⾃分でもプログラミングを勉強し、知識を補いながら仕事をする必要がありました。立ち止まりそうな小川さんを、新しいことへの好奇心が前に引っ張ってくれたのかもしれません。

難しいからこそ面白い。陶芸に魅せられて

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あるとき、⾳楽や広告制作の会社の求人に応募すると、これまでの仕事ぶりが認められ非常勤ながら正社員として入社できることに。高校生のころから音楽が好きだった小川さん。90年代は、ドラマや映画の主題歌として洋楽が多いに賑わいを見せました。小川さんは、映画のサントラ盤を買って友達と聴いたり、やっと手に入れたチケットを握りしめライブや演劇を観に行くことが楽しみだったのです。

入社してからは、放送局の番組企画から、音楽配信のサイト運営やレコード会社との契約など、ディレクションをメインに華やかな業界の裏方として奮闘します。目の前のことに真摯に向き合ってきた⼩川さんは、いつしか憧れていた世界に⾜を踏み⼊れていました。
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東京での仕事も落ち着き始めたころ、会社からあった大阪行きの話。将来への不安を抱いていた小川さんは、自身のキャリアを重ねていこうと打診を受けることにします。⼤阪への転勤後は、新規プロジェクトの立ち上げに関わることが多く、再びめまぐるしい⽇々が始まりました。
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「手を動かして何かを作ってみたい」
仕事に慣れ時間に余裕が出てくるにつれ、いつしか小川さんの中で大きくなっていった気持ち。次から次へとパソコンでせわしなくこなす仕事と、いわば真逆のことをすることで、くずれてしまうような心のバランスをとろうとしていたのかもしれません。そんなとき、たまたま友人に勧められた陶芸の体験教室に参加することにします。

以前から北欧ブランドの「ARABIA(アラビア)」や「Marimekko(マリメッコ)」が好きだった小川さん。「自分で作った器に料理をのせたら楽しいかもしれない」。気軽な動機でしたが、ろくろを触らせてもらうと一気に気持ちが高揚しました。

「水の中で土が生きているように動いている感触が、それまで味わったことがなかったんでしょうね。夏だったから余計に感じたのかもしれないですけど、冷たくて気持ちが良かったんです」
最初は自分用に作っていたマグカップも⼈気アイテムのひとつ

最初は自分用に作っていたマグカップも⼈気アイテムのひとつ

「何度作ってもうまくできないので、どうやったらうまくできるんだろうってところに面白さを感じました。せっかく成形がうまくできたのに、削りの作業で失敗して穴が空いてしまったり。当然なんですけど、すぐにはできないものなんだなって感覚があったんです」

どこまでいっても宿題を出されるような陶芸の世界。その難しさこそ、小川さんにとって面白く、わくわくとした躍る気持ちは、凝り固まった心をほぐしてくれるようでした。
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届けたいのは、道具ではなく「情景」をつくりだす花器

小さくやさしい花器が生まれるまで

花器を作るきっかけとなったエリックの花器。ワークショップの最後の日、エリックにお願いして買ったもの

花器を作るきっかけとなったエリックの花器。ワークショップの最後の日、エリックにお願いして買ったもの

毎週末、教室へ通って陶芸を学び始めた小川さんの日課は、海外のセラミックアーティストの作品や作陶風景をSNSで見ること。あるとき、デンマークのセラミックアーティスト、エリック・ランドン氏が作った花器に目が留まります。ピンクとオレンジが融合したような鮮やかな色。「こんな色が生まれるなんて!」その感動はたちまち好奇心に変わりました。エリック氏が夏に開くワークショップが残り一枠だと知ると、英語もほとんど話せない状態でしたが、居ても立ってもいられずにすぐに申し込んだ小川さん。「航空券と宿さえ決めればどうにかなると思ったんです」。少し照れたように笑うと、持ち前の度胸の良さが顔を出しました。
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ワークショップは、スペインやイギリスなど世界中から集まった人たちとろくろで自由に作品を作る充実した時間でした。初めてろくろに触るという人からプロとして活動する人まで技術のレベルはさまざまでしたが、陶芸への好奇心は共通。ランチは庭で一緒に食べ、空いた時間には美術館へ出かけ、身振り手振りを交えながらいろいろな話をしたといいます。
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みんなで楽しく過ごしたエリックのアトリエに大きな花器が置いてありました。
「エリックが作った花器にドライフラワーを1本挿して置いてあるだけだったんですけど、すごく素敵だったんです。部屋の空気が一変するような。花器があるのとないのとではこんなにも違うものなのかと驚きました。日本の家では、大きい花器を置くのは難しいし、小さい花器をいろいろな形で作ったら面白いんじゃないかなと思ったんです」

大阪へ戻ると、さっそく花器づくりをスタート。小川さんが使用する釉薬は、美しい色や質感を生み出し、同じものを使っても土の配合が違えば、まるで別もののような色と濃淡が現れます。小川さんは、師匠である⽊村先⽣(陶芸スタジオ「陶音」)に教えてもらいながら、思い描く色を求めて土の探求にのめり込んでいきました。
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届けたいのは、道具ではなく「情景」をつくりだす花器
「同じ釉薬でもこれだけ表情が違うんですよ」
そういうと案内してくれたのは、アトリエに掛けられている小川さんが作った色のサンプル。横は一列ごとに同じ釉薬、縦列は同じ土を使用したもの。説明してくれた小川さんは、陶芸の不思議な魅力を尊ぶようなやさしい眼差しをしています。
L字型なのは釉薬が流れて溜まったときにどんな色になるのか見るため。もとは青い釉薬も、のりかたによってグリーンがかった色になることも

L字型なのは釉薬が流れて溜まったときにどんな色になるのか見るため。もとは青い釉薬も、のりかたによってグリーンがかった色になることも

同じ土、釉薬で作った花器。釉薬の濃度、窯に入れたときの熱源との距離など、微妙な違いでこんなにも違う色に

同じ土、釉薬で作った花器。釉薬の濃度、窯に入れたときの熱源との距離など、微妙な違いでこんなにも違う色に

土の配合だけではなく、形や凹凸によっても釉薬の色に変化が現れることがわかると、ますます陶芸の面白さに魅了されていきました。熱によって釉薬が溶けると、出っ張っているところは流れて素地に近い色に。反対に、へこんでいる箇所には釉薬が溜まって濃く現れます。予測がつかない変化を楽しみながら「真っ直ぐにしたらどんな色になるのだろう」「今度は丸みを出してみよう」試行錯誤を繰り返すうちに、小川さんのトレドーマークの小さな花器が生まれていきました。

楽しく作っていいものを届ける―シンプルなものづくりの軸

作品を撮影するNikonのカメラ。美しい写真もSNSが人気の理由。SNSでのコミュニケーションを大切にし、海外の方とのやりとりも楽しんでいます

作品を撮影するNikonのカメラ。美しい写真もSNSが人気の理由。SNSでのコミュニケーションを大切にし、海外の方とのやりとりも楽しんでいます

陶芸を始めて数年経ち、SNSに作品をアップしていた小川さん。販売は⽬的とせず、⽇記のように綴っていましたが、あるとき友人の誘いで蚤の市に出店してみることに。そのことをSNSにアップすると、意図せず作品を販売していることが伝わり、ショップから次から次へと注文が舞い込みました。信じられない気持ちのほうが⼤きかった⼩川さんですが、その気持ちとは裏腹に、作品を⼿にするのを⼼待ちにしているファンが全国にいたのです。
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それからは注⽂分の作品を作るため、⼟⽇に陶芸教室に通い、終わらなかった分は持ち帰って平⽇の夜に作る⽇々。やがて会社と陶芸の両立が難しくなり、東京に戻って工房を構えることにします。会社はシフト勤務となりましたが、引っ越してすぐに「イヌア」のプロジェクトがスタート。全⼒以上の⼒を注ぎ⾛り続けていた⼩川さんは、思い切って作品作りを休むことにします。

「オーダーが重なって⼀気に納品したあと消耗して疲れてしまったんですよね。『はぁ、やらなくちゃ』という気持ちで作ったものを、誰かに届けるのは申し訳ないなと思ったんです。だから、作りたくなるまで割り切って、掃除や料理などほかのことをしたり、ろくろは触らずにリセットすることにしました」
今は週2回会社に出勤しながら作品を作っています。「会社が私の希望を認めてくれたことが大きいです」と感謝をにじませます

今は週2回会社に出勤しながら作品を作っています。「会社が私の希望を認めてくれたことが大きいです」と感謝をにじませます

大切なことは「楽しんで作って、心を込めていいものを届けること」――小川さんの中でシンプルなものづくりの軸が生まれました。一人前になろうと追い立てるのではく、作家と会社員どちらの自分も大事にして歩んでいけばいい。それが"自分らしさ"だと気づくと、心はどんどん身軽になっていきました。

友達のように。願いを込めて作られる作品

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届けたいのは、道具ではなく「情景」をつくりだす花器
陶器ながら、作品からにじみでるやわらかさ。ふっくらとした丸みのある佇まいには、小川さんのある思いが込められています。

「みんな疲れているなって思って。⼀⽣懸命働いているのに、もっと頑張れという⾵潮を感じていて。そのくらいでいいんじゃない?って気持ちを作品で伝えられたらいいなと思うんです」

「友達みたいな存在でいてくれたらと思って」こう続ける小川さんの表情がいっそう穏やかになりました。うれしいこと、悲しいこと、たくさんの経験をしっかりと受け止め、前を向いて歩んできた小川さんは、周りの人たちの心の情景まで見えているようです。花器から伝わる、やさしく、そして凛とした強さは、小川さんの人柄が伝わっているように思えてなりません。
右から2番目のこげ茶色の花器は、気に入らずにずっと隅に置いてありました。ほかの花器と一緒に置くと、調和して互いが引き立て合っているかのよう。花を挿すとまた違った表情に見えてきます

右から2番目のこげ茶色の花器は、気に入らずにずっと隅に置いてありました。ほかの花器と一緒に置くと、調和して互いが引き立て合っているかのよう。花を挿すとまた違った表情に見えてきます

小川さんは、無骨すぎてあまり好きじゃなかったという花器をとると、ほかの花器の合間にそっと置きました。

「組み合わせるとそれなりに成⽴して素敵になったりするのって⾯⽩いなと思って。⼈の弱点やそれに対して劣等感があったとしても、もしかしたらそれはその⼈だけが思っていることで、周りから⾒たらいいところかもしれないというのが救いだと思うんです。この花器が気に⼊らないというのは勝⼿な主観ですよね。花を⼊れたときにこんなに良くなるんだって気づいたりとか、並べたときにこれはこれで成⽴するって思うとうれしくなるし、ダメなものじゃないんだなって。作品を⼈と重ね合わせて考えることがあります」

ゆっくりと進んでいく、誠実なものづくり

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2018年末、小川さんのもとに届いた「フィンランド美術賞展(※)」入選のお知らせ。小川さんは、たくさんの人に受け入れてもらえることは嬉しいことではありましたが、学校で学んだり、窯元で修行をしたことがない自分に自信が持てずにいました。「本当に私の作品は認めてもらえるだけのものなのだろうか……」。何かを確かめたくて公募した展覧会。入選したことで「作っていいよ」といってもらえたような気がしたといいます。

立ち返りながらゆっくりと進む、小川さんの誠実なものづくり――「まだまだ未熟だけれど、今だから作れる作品の良さもあるのかもしれないと思えるようになりました」そう語る小川さんの表情は晴れやかです。
※正式名称:第51回 欧美国際公募 フィンランド美術賞展2019
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トレードマークのブルーに、アンティークブルーという名前をつけた小川さん。これは、フィンランドのセカンドハンドという考えに惹かれたから。フィンランドでは、蚤の市に出品して次の使い手につないだり、子どもや孫に引き継いだり、世代を超えてひとつのものを使い続けていくという文化があります。

「陶器って燃えないので不燃ごみになるんですよね。私が作るのは少ない量ではありますけど、たくさん作ってゴミになるのはいやだなって。環境的にも自分的にもうれしいことではないので、循環できるだけの量を作りたいという思いがあるんです。いつか役目を終えて不要になったものを修復して、また誰かに渡せるようになりたいなと思っています」
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最近、小川さんはご近所の金継ぎ教室に通い始めました。まるで気持ちを知っていたかのように、「イヌア」から欠けてしまったお皿を直してもらえませんか、と依頼があったのです。

「何年かやっていたら金継ぎもできるようになると思うんです」

変わらず、やさしい表情で微笑む小川さん。今を楽しく、丁寧に。背中を押してくれるのは、陶芸への好奇心です。一歩ずつ前に向かって進んでいく未来には、どんな作品が生まれていくのでしょうか。さまざまな経験をやさしい力に変えて、小川さんの魅力はますます輝きます。


(取材・文/井口惠美子)
小川綾|おがわあや小川綾|おがわあや

小川綾|おがわあや

陶芸作家・小川綾さんが作る小さな花器は、美しく、あたたかな雰囲気に満ちています。しのぎや丸みを持たせた、シンプルながらデザイン性にとんだ花器は、多くの人々を魅了し、セレクトショップやオンラインショップなど、国内外問わずオーダーが⼊ります。レストラン「イヌア」での食器や、植木とコラボレーションした盆栽鉢など、新たな作品にも挑戦しています。

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