いつからだろう、ドラえもんが遠い存在になってしまったのは。物心つく頃からドラえもんが側にいて、生まれる前に録画していたであろう「大晦日だよドラえもん」のVHSは擦り切れるほどに見返したものです。歳の離れた兄から譲り受け必死になって集めた漫画は、いつの間にか甥・姪の愛読書に。のび太くんの年齢を越えた頃なのか、心の友よと呼べる友達に出会えた頃なのか。ドラえもんはいつも側にいたはずなのに、勝手に自分が遠くに行ってしまったよう……。
ところが最近、戻ってきましたドラえもんブーム。ただいま絶賛再燃中なのです!
ところが最近、戻ってきましたドラえもんブーム。ただいま絶賛再燃中なのです!
きっかけは連載開始から50周年を迎えた昨年に刊行された『とっておきドラえもん』(小学館)。漫画『ドラえもん』の中からテーマに沿ったエピソードを厳選して再編集したコミックシリーズです。ADの脇田あすかさんが手掛けたという装丁を見て、思わずジャケ買い。周年のポスターも担当されていて、漫画版のドラえもんをこんなにも素敵に、愛らしく表現する方だなと思っていたタイミングでした。絶妙な紙色に箔押しロゴはまさに大人仕様!ひと目見た瞬間にぎゅっと心を掴まれてしまいました。
収録されているエピソードはその名のとおり“とっておき”なものばかり。あの頃読んでいた思い出に残る名シーンがたくさん詰まっています。「むねいっぱい 感動編」の「さようなら、ドラえもん」は名作中の名作ですし(ただの引き出しに戻った机を見つめるび太くんの表情…主演男優賞を贈りたい!)、次話の「帰ってきたドラえもん」を続けて読めるのも嬉しい(単行本では別々で収録されているのです)。巻末のドラえもん愛に溢れた著名人による解説も必見です。
現在「むねいっぱい 感動編」のほかに「わきあいあい 家族編」「おいしいうれしい グルメ編」の全3巻が発売中。馴染みのあるてんとう虫コミックスよりも大きいB6判サイズで、本を開くと大きなコマが飛び出てくるような躍動感は、デジタルでは味わえない醍醐味です。
クスクス笑って、ほろりと涙して、ぐぅとお腹を鳴らして…気づくとあなたの側にも。ただいま、ドラえもん!
クスクス笑って、ほろりと涙して、ぐぅとお腹を鳴らして…気づくとあなたの側にも。ただいま、ドラえもん!
コミックを購入するとくじびきができる、書店フェアで引いたポスタ-。お目当てを引き抜いた瞬間は思わず声が出てしまいました…。お気に入りの一枚、自慢したくなる宝物。
この記事を書いた人
キナリノ編集部
編集 こじめぐ
ファッション担当/キナリノコエスタッフ。ボブ歴8年目のボーダー好きなアラフォー。健康のためにピラティスを始めたものの、何かと理由をつけて行っていない。
「おいしいうれしい グルメ編」収録「おかし牧場」より。のび太くんの「なぜだ!!なぜおかしは食べるとなくなるのだ!」の迷言とともに始まり、“おかし牧草”でチョコレートを育てるというお話(チョコレートの家族が可愛い!)。当時、何度も読み返した大好きな作品です。© 藤子プロ・小学館