お腹は減った、だけどどうにも料理をする気になれない。インスタントや冷凍食品もいいけど、それよりはもう少し手作り感のあるものが食べたい。おいしくて、食べ応えがあって、やる気のないときでも簡単に作れるもの。そんなときは、ずばり“スープかけごはん”の出番です。

スープ作家・有賀薫さんの『なんにも考えたくない日は スープかけごはんで、いいんじゃない?』（ライツ社）。その名の通り、ごはんにスープをかけるだけの簡単レシピが多数掲載されています。
「ねこまんま」などと言われちょっと行儀の悪いものとして扱われがちなスープかけごはん。しかし有賀さんは、「そんな常識誰が決めた！おいしいスープかけごはんを堂々と食べよう！」と「ねこまんま」を全肯定してくれます。

本の帯に「おうちごはん史上、最高の発明！」とありますが、作ってみてその通り！と大きくうなずきました。まず何よりどのレシピもすごくおいしい！そして家にあるものでパッと作れて洗い物も少なく、疲れてなんにもする気が起きないときでも「スープかけごはんなら作れそう……」とのっそり起き上がることができるんです。

この組み合わせは絶対においしいだろうな～と想像できるものから、自分では絶対に思いつかない組み合わせまで。この「塩辛アボカドの湯漬け」はまさに後者で、最初に見たときはびっくりしたのですが、今では自分の中で定番化するほどお気に入りになったレシピです。

作り方は簡単。
①アボカドをスプーンでくりぬき、塩辛、醤油と混ぜながらつぶす
②ごはんに載せ、お湯をかける
……以上！

アボカドと塩辛にお湯？と思うかもしれませんが、スプーンでごはんと一緒にすくって食べてみると全てが混然一体となった新次元の味わい。濃厚なアボカドに塩辛のしょっぱさと旨味がよく合い、それをお湯がマイルドなスープに変化させながらごはん全体にいきわたらせてくれています。シンプルな材料＆工程ながら、1×1×1=100になったような不思議なおいしさに毎回感動しています。

そのほかにも、ストック缶詰やコンビニ食材でできるものやたっぷり作って夜ごはんとしてもよさそうなしっかり目のもの、ごはん＆お味噌汁の元祖ねこまんまをアレンジしたものなど、便利なレシピがたくさん。すでに10種類ほど作ってみましたがどれも最高です。簡単でおいしくて、食べるとなんだかやさしい気持ちになれるスープかけごはん。「おうちごはん史上、最高の発明！」をぜひ一度試してみて。