新しさと、懐かしさ――「和モダン」の魅力ってなんだろう
その魅力は一言で表現できないけれど……ただ「好き」。自然に惹かれてしまうのは、わたしたちのアイデンティティかもしれません。
なぜか“しっくり”くる。レトロで和モダンな『腕時計』
『Riki』は、名デザイナー・渡辺力氏のデザインスピリットを受け継いだ、シンプルモダンなデザインが特長的ですが、《日本の伝統色シリーズ》は和の要素をさり気なく取り入れ、「和モダン」なイメージに仕上げています。日本に伝わる「色」をデザインに落とし込んだ、新鮮な懐かしさを感じさせてくれる腕時計のある暮らしを覗いてみましょう。
ほっと一息つきたくなる《落栗色》
文字板はRIKIらしい、インデックスにアラビア数字を使ったシンプルモダンなデザイン。ほのかにアイボリーがかったダイヤルと、こげ茶色のアラビア数字で全体の調和がとれています。
今回のシリーズでモチーフになっている日本の伝統色は、「かさね色」と呼ばれる平安時代の服飾文化がルーツになっているもの。当時の衣装は、表と裏でそれぞれ違う色の薄い絹を重ねて一枚の生地に仕立てていたそう。お互いの色が重なったときに生まれる微妙な色合いが、その「かさね色」です。
《落栗色》は「香(こう)」というベージュに近い色と、ワイン色のような「蘇芳(すおう)」の2色のハーモニーから生まれる色を、ベルトで表現しています。この時計を眺めていると、コロンとした栗が目に浮かぶよう。
ときには淡い想いにぼんやりしてみる《鴨頭草》
ペールトーンのブルーを濃淡で2色重ねたカラーは《鴨頭草(つきくさ)》。あの“ツユクサ”の別名で、いにしえより草木染の材料に使われていたそう。夏から初秋にかけて、道端などでも見かける素朴な花ですが、朝に咲いて昼にはしぼんでしまう儚さに、当時の人々はどんな想いを重ね合わせていたのでしょうか。
鴨頭草色の腕時計とともに、儚い恋心を綴った小説を読むひととき――夢中になって、気がつけば「こんな時間に……。」確かめた手元には、ヒロインの心模様を写したような淡いブルーが佇みます。
文字板もトーンの違うブルーで、コントラストが効いています。アラビア数字と針は白く、やさしい印象を醸しながら、きちんと視認性も考えられた色使い。
気持ちが“しゃん”と切り替わる《萩》
朝、窓を開けて空気を入れ替えるように、腕時計を着ける。秋を代表する花のひとつ《萩》が由来になった紫と水色がかった白のかさね色は、今の季節を手元で感じられるよう。手首にそっと置くと、出かけるモードに切り替えてくれます。少し大きめのサイズ感はカジュアルな装いとも好相性です。
「日本の伝統色シリーズ」はケースのサイズが36mmと27mmの2サイズ展開ですが、萩色は36mmのみ。渋みのあるベルトとモノトーンの文字板の組み合わせと相まって、ユニセックスな印象に。
ほどよく乙女な気分を味わう《花菊》
オンの日でも、手元でさり気なく可愛らしさを演出したい――でも、甘すぎるのは苦手。そんな、大人の女性に似合うのは《花菊》色の小ぶりな腕時計。27mmのみの展開で、小さめのサイズ感ながらパッと華やかな雰囲気にしてくれます。
深みのある鮮やかなピンクとボルドーのかさね色は、今まで見たことのないような独特なカラーリング。可憐さと渋さが絶妙なバランスで、見れば見るほど愛おしく思えそう。居眠りから目を覚ましたら、泡沫の甘い夢に思わず微笑んでしまうかも。
白い文字板に、アラビア数字や針には濃茶色を使い、バンドの花菊色と相まって統一感のある仕上がりになっています。「日本の伝統色シリーズ」はどれも、ベルト以外の部分までも色へのこだわりが感じられますね。
丁寧に暮らす。その気持ちに、いつも寄り添ってくれそう
日本の伝統を大切に、シンプルモダンなデザインに思いを込めて作られた腕時計たちは、きっと何気ない日常に寄り添って、暮らしをささやかに彩ってくれるのではないでしょうか。
お知らせ ―「TiCTAC」限定モデルも新発売!
渡辺力氏の代表作の一つである東京・日比谷第一生命本社ビル前のポール時計をモチーフにした、シックな黒ダイヤルに四角い略字がスタイリッシュでモダンな印象の限定ペアモデルです。
休日の午後、時間を確かめようと手元をみたらカフェラテを飲んで一息入れたくなった――そんな気分にさせる《落栗(おちぐり)色》の腕時計。落栗色とは日本の伝統色で、文字通り、実り落ちた栗の色を表した色名です。秋の味覚を代表する食材でもあるから、スイーツ欲を刺激してしまうのかも……。