元々は信州の食べ方だった「ねぎ蕎麦」(別名:高遠そば)。信州で食べた味を忘れられなかった人々が会津で定着させたと言われています。大根おろしと鰹節がのった蕎麦を、一本のねぎを使ってすくいながら食べます。もちろん、ねぎは薬味としてかじりながら頂きます。

福島県南会津の「大内宿（おおうちじゅく）」は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。江戸時代へタイムスリップしたかのような体験ができ、観光地として人気です。そんな大内宿の「三澤屋」で、ねぎ蕎麦を頂くことができます。

こちらでは、季節によって数種類の大根をブレンドして大根おろしを作っています。そのため、ただ辛いだけではない、甘みやコクも楽しめます。「おろし蕎麦」は全国にありますが、ここでしか食べられない味が確かにあります！

茨城県では昔から日常食として食べられていたと言う「けんちん蕎麦」。その名の通り、けんちん汁の中に蕎麦が入ったもので、身体があたたまる一品です。

茨城県内にある「村屋東亭」。茨城には、そば職人からの評価も高い「常陸秋そば」というブランド品種があり、こちらの店主はその普及に尽力された方で、美味しい「常陸秋そば」が頂けます。

「常陸秋そば」は風味が豊かな蕎麦なので、蕎麦の歯ごたえと香りを楽しめる「つけけんちんそば」もおすすめのメニューですよ。

日本橋の「室町砂場」は『天ざる』『天もり』発祥のお店として知られています。今回紹介する「あられ蕎麦」や「花巻」という江戸の風情を表現したメニューも健在です。

こちらが「あられ蕎麦」。寒い季節限定で頂けるお蕎麦で、蕎麦の上に海苔を敷き小柱をのせたものです。これは、地表が暖かくても上空に湿った雲があるとあられが降ってくる天気を蕎麦で表現したもので、上にのった小柱が“あられ”なのだそう。

続いてこちらの「花巻」は、かけ蕎麦の上に海苔をトッピングしたものですが、これは桜の花びらをまいた様子に似ていることから名付けられたと言います。シンプルながらも、海苔の香りがふわっと広がる贅沢な一品です。

続いてご紹介するのは、山口県の「瓦そば」。熱した瓦の上に、茶蕎麦、錦糸卵、牛肉、海苔、レモンともみじおろしをのせます。茶蕎麦はバリバリと香ばしくなるまで熱した方が食感がよく美味しいです。西南戦争の時、兵士たちが瓦で野草や肉を焼いて食べていたことをヒントに、「たかせ」創業者が考案したと言われています。

その「たかせ」は、もちろん今も瓦そばで大人気のお店♪茶蕎麦は、北海道のそば粉と、京都の宇治抹茶を贅沢に使用しています。