おうちで映画、何を観よう?
今回のテーマは「ときめき」。何となく不安な日々がまだ続きますが、青春時代や初恋を思い出すような映画を観たら少し心が晴れそうです。
「ときめき」を思い出す映画
編集Hの選んだ4本
マイ・ブルーベリー・ナイツ
二人の交際の様子が描かれるラブロマンスのように思われるかもしれませんが、実際は文通したりして心通わせる、プラトニックなラブストーリー。SNS社会の私たちにはとっても新鮮。おのずと二人が結ばれますようにと感情移入してしまいます。
監督は香港のウォン・カーウァイで、「花様年華」や「恋する惑星」もおすすめ。ちょとした一言や表情やしぐさ、心象的情景など、余白を作るような「溜め」が印象的。おしゃれな映像で心地よく、恋のときめきに酔いしれて。
ラヴソング
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」に続き、「ラヴソング」も香港の映画監督が手がけた珠玉のラブストーリー。
香港返還前、中国大陸から香港にやってきた田舎者の男女二人。偶然にして出会い、同志のような信頼しあえる関係に。そしてだんだん互いに惹かれ合っていくのですが、二人の愛が本当に結ばれるまで・・・それが、とっても長い物語。本当に神頼みしたくなるくらい、一筋縄ではいかないのです。
日本に置き換えると、田舎から東京に出てきて、田舎者同士出会った男女の、あまりにも純粋で不器用すぎる恋。しかし本作は、舞台がニューヨークに移ったりと、驚くほどスケール大!この二人が本当に結ばれるまでをぜひご覧になってみてください。
ブレードランナー
SF映画の金字塔として名高い「ブレードランナー」。絶えず酸性雨が降り注ぐ未来都市が舞台で、レプリカントと呼ばれる人間そっくりのアンドロイドが登場。攻殻機動隊やAKIRA、弐瓶勉の作品など、サイバーパンク好きにはたまらない世界観・・!
そして、美人すぎるレプリカントであるレイチェルと、人間の捜査官デッカードの禁断の恋。
人間ではない者が人間に憧れる、恋をする、そして人間的な生気が宿ってくる――。二人が距離を縮めていく描写は、いつ見ても最高に美しいです。
聲の形
京都アニメーションの傑作「聲の形」。主人公は、小学校の頃転入してきた聴覚障害者である少女・西宮硝子をひどくいじめ、クラスから孤立した石田将也。5年後高校生となったときに彼女と再会し、過去にいじめてしまったことへの償いを試みる・・・という物語です。
二人のラブストーリーが描かれますが、本作の核となっているのは、きっと、もっと大きなラブ。みんな誰でも肯定して受け止めてくれるような、人間の不完全さを許容してくれる愛情に包まれますよ。
そして、加害者・被害者であった二人が、不器用に、手探りで心を通わせていくのが純粋なときめきポイント。二人は好きという感情が先走ることはなく、支え合いたいと思いあえる関係。二人にとっての救い、奇跡のように感じます。
編集Yの選んだ4本
10~20代の頃に「映画の見すぎ」と注意されるくらい映画の虜に。アラサーとなってからはちょっと距離を置いていたものの、人生において大切なことを教えてくれる映画は良き師のような存在です。今後も素敵な1本と出会えますようにー
Love Letter
手紙をモチーフにした初恋の映画といえばコレ、岩井俊二監督の長編デビュー作です。主人公の博子は亡くなった婚約者を忘れられず、ある日ふとしたことから彼が昔住んでいた住所に手紙を送ります。すると届くはずのない手紙の返事が返ってきて物語は急展開。過去と未来をつなぐ手紙はきっと博子の背中を押してくれるでしょう。涙なしでは見られない1本です。
ルーカスの初恋メモリー
飛び級で高校に進学したものの運動が苦手でいじめられっ子のルーカスが、2歳年上の転校生マギーと仲良しに。しかし、彼女はフットボール部のエースに一目ぼれして…スクールカーストも何のその。好きな人のために変わろうと奮闘する、ひたむきでピュアなルーカスの姿にほろり。80年代の青春ラブストーリーものの中で、きらりと光る特別な作品です。
世界一キライなあなたに
ラストで賛否が分かれるかもしれませんが、私は大好きです。“尊厳死”という重いテーマを明るいタッチで描いた勇気ある作品。大富豪ウィルと主人公ルーの最悪な出会いから、徐々に2人が心を開いていく過程は胸キュンの連続。愛には様々な形があるもの。ウィルは愛する人の将来の為に自分の意思を貫いたのでは?とにかく切ないお話なのでハンカチを忘れずに。
ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)
列車の中で偶然出会った男女が異国の街に降り立ち、束の間を共に過ごすストーリー。運命の人を前にしたら、自分ならどうする?なんて感情移入しながら、現実とロマンスの間で揺れる2人から目が離せません。「半年後の12/16にまたこのホームで会おう」と約束し別れた2人の恋の行方は、『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』の続編で楽しめますよ。
編集Mの選んだ4本
ミニシアターからシネコンまで、わりと雑食に映画を観ています。
おうちで映画を観るときは、少し照明を落として映画館気分に近づけることも。
her/世界でひとつの彼女
ラブレターの代筆を仕事とする主人公・セオドア。彼が恋したのは人口知能の女性、サマンサでした。近未来の荒唐無稽な設定に思えますが、セオドアとサマンサのテンポの良い会話は、恋のはじまりのときめきそのもの。心情描写がとてもリアルでストーリーにすんなり入り込めます。実体のない、声だけの存在との交流は、オンライン飲み会などが流行する昨今ではより切実に感じられるような気も。ときめきつつ、これからのコミュニケーションについてもヒントになる映画です。
夜は短し歩けよ乙女
京都の学生街で繰り広げられる、不思議なラブ・コメディ。主人公の「私」が恋したのは「黒髪の乙女」。明るくてお酒が強い彼女が夜の街を飲み歩き、不思議な人にたくさん出会います。主人公は「なるべく彼女の目に留まる=ナカメ作戦」という受動的極まりない作戦しか立てられない臆病な性格。学生時代の淡いときめきを思い出すとともに、京都の大学生って楽しそうだな…とちょっとうらやましくなる作品です。
キャロル
1950年代のニューヨークが舞台のラブストーリー。ケイト・ブランシェット演じるキャロルの気高い美しさ、ルーニー・マーラ演じるテレーズの透明感。50年代のニューヨークの街並みと相まって、最初から最後まで美しい映画です。運命的に恋を落ちた二人の視線の交流は、ときめきそのもの。女性同士の恋愛であるということ以上に様々な問題が二人の恋路を阻みます。お互いに代替不要な関係であるということがわかればわかるほど切なくなる映画です。
映画で「ときめき」をチャージしよう♪
次に観る映画の参考にしてみてくださいね。
ときめきは、自分で自分の機嫌を取りたいときの処方箋。最近おうちで観たときめき映画は「5つ数えれば君の夢」でした。