答えは、アメリカン・ビーフの「かたまり肉」
見つけたら3kgくらい買っておくのだと語るのは、『だれか来る日のメニュー』『19時から作るごはん』など、誰もが実践できるわかりやすいレシピが人気で、これまで39冊の著書がある料理研究家の行正り香さん。
学生時代に米国に留学した経験をもつ行正さん、そこでアメリカン・ビーフと出会ったとき「同じ牛でも、和牛とは別の食べ物だ」と感じたといいます。「それまでは輸入肉=カタイと思っていました。でもそもそも調理の仕方が違っていたんです」
牛肉先進国アメリカでは、牛肉は「かたまり」で購入するのが一般的。レアで焼いた上で分厚くカットして、「赤身」のやわらかさと旨みを堪能する食べ物だったのです。
学生時代に米国に留学した経験をもつ行正さん、そこでアメリカン・ビーフと出会ったとき「同じ牛でも、和牛とは別の食べ物だ」と感じたといいます。「それまでは輸入肉=カタイと思っていました。でもそもそも調理の仕方が違っていたんです」
牛肉先進国アメリカでは、牛肉は「かたまり」で購入するのが一般的。レアで焼いた上で分厚くカットして、「赤身」のやわらかさと旨みを堪能する食べ物だったのです。
赤身は家族の週末に「祝祭感」をくれるもの
留学中は家族の料理を作るという仕事をする代わりに、格安でホームステイさせてもらったという行正さん。米国では買い物は週に一度、そこで一週間分の食材を揃えなくてはなりません。月曜日は豚、火曜日は魚、とバランスよいメニューを心がけ、アメリカン・ビーフはだいたい週の終わり、と決めていたそうです。かたまり肉は日持ちするので買ったまま冷蔵庫に入れておけば大丈夫なのだとか。
赤身が週末の食卓の中心にくると「家族の時間がゴージャスになるんです」と語る行正さん。アメリカン・ビーフの赤身肉だと冷めてもやわらかいままでおいしいから、家族でゆったり食事をしながら会話を楽しめるのです。
赤身が週末の食卓の中心にくると「家族の時間がゴージャスになるんです」と語る行正さん。アメリカン・ビーフの赤身肉だと冷めてもやわらかいままでおいしいから、家族でゆったり食事をしながら会話を楽しめるのです。
実は、日本の食卓にこそアメリカン・ビーフはおすすめ
栄養豊富なトウモロコシや大豆を食べて育つので、旨みが強くジューシーな肉質が特長のアメリカン・ビーフですが、日本にやってくるうちにさらに旨みが増すのだとか。これには日本とアメリカの絶妙な位置関係が作用しています。
赤道を越える南半球からの輸送では「冷凍」で運搬しなければならないのですが、アメリカから日本までは「チルド(冷蔵)」で運べます。この2週間のチルド輸送中にアメリカン・ビーフは低温熟成され、旨みが更に増した状態で日本の食卓に届けられるのです。
赤道を越える南半球からの輸送では「冷凍」で運搬しなければならないのですが、アメリカから日本までは「チルド(冷蔵)」で運べます。この2週間のチルド輸送中にアメリカン・ビーフは低温熟成され、旨みが更に増した状態で日本の食卓に届けられるのです。
アメリカン・ビーフの「かたまり肉」を使ったシアワセ料理
週末に食べたい「バターステーキときのこのピラフ」
まずは王道のステーキから。お肉は日本だと「サーロイン」が有名ですが、行正さんが好きなのは赤身が多くサシが適度に入った「リブアイ」。少し多めのバターを溶かしたフライパンの中で「泳がせるように」して焼き上げるのがコツなのだとか。「塩は精製塩ではなく、旨みのあるあら塩を。胡椒はミルでお皿に散らすようにするときれいになります」
※店舗により「リブアイ」は「リブロース」として販売されている場合もあります
※店舗により「リブアイ」は「リブロース」として販売されている場合もあります
肉汁の旨みを凝縮「ローストビーフのタイ風サラダ」
ステーキが美味しいリブアイは、当然ローストビーフにしても最高。ここで絶対覚えておきたい赤身をおいしく食べる常識、それは「肉汁を出さないで切る」ということ。お肉の旨みは肉汁に凝縮されているから、温かいまま切ってしまうと肉汁が流れ出て旨みが逃げてしまいます。ローストビーフは焼き上げた後、真ん中までしっかり冷やしてから切りましょう。「急ぎの時はビニール袋に氷水を入れたもので冷やしても大丈夫ですよ」と、忙しい女性に嬉しいアドバイスも。
魚焼きグリルで、「アメリカン・ビーフおうち焼肉」を
家で焼肉といえばホットプレートで調理するのが一般的ですが、ここで行正さん直伝の裏技が。「ホットプレートは旨みをころしてしまいます。魚焼きグリルを使ってガス火で焼きあげるのがコツ」なのだそうです。
また、焼く前にタレに漬けこむ場合、早めに漬けこんだほうが味がしみるような気がしますが、タレに長時間漬けすぎると焼き上がりの肉が固くなってしまうのだとか。おうち焼肉の準備では、焼く直前に漬けこみを行うようにしましょう。
また、焼く前にタレに漬けこむ場合、早めに漬けこんだほうが味がしみるような気がしますが、タレに長時間漬けすぎると焼き上がりの肉が固くなってしまうのだとか。おうち焼肉の準備では、焼く直前に漬けこみを行うようにしましょう。
肉の旨みが鍋いっぱい「トマトココナツミルクカレー」
かたまり肉は煮込むと旨味が凝縮されてより美味しくなるのも魅力のひとつ。カレーのような煮込み料理や、さきほどの焼肉などにオススメの部位は「肩ロース」。赤身とサシのバランスが良く、スパイスにもよく合うのが特徴。
さらにかたまり肉で買えばお肉の旨みを充分楽しめるだけでなく、リーズナブルなのもうれしいポイント。良質なたんぱく質が豊富なビーフがたくさん入った優しい味のカレーなので、食べ盛りの子ども達にもおすすめです。
さらにかたまり肉で買えばお肉の旨みを充分楽しめるだけでなく、リーズナブルなのもうれしいポイント。良質なたんぱく質が豊富なビーフがたくさん入った優しい味のカレーなので、食べ盛りの子ども達にもおすすめです。
アメリカン・ビーフは、『シアワセのかたまり』
チェリーレッド色の赤身のアメリカン・ビーフを使った料理は、「それだけで食卓がエンターテインメントになる」という行正さん。最後に行正さんに、アメリカン・ビーフのかたまり肉の魅力を一言でいうと?とたずねたところ、ズバリ『Makes everyone HAPPY!』と返ってきました。
「和牛に比べて低脂肪・低カロリーでたんぱく質が豊富だから、育ち盛りの子ども達や体型が気になる男性、そして女性にももちろんオススメ。今の女性は健康のために野菜ばかりを摂りがち。でも実は、足りていないのは良質なたんぱく質」なのだとか。週末は、おいしくてカラダにうれしいアメリカン・ビーフを食卓に。
「和牛に比べて低脂肪・低カロリーでたんぱく質が豊富だから、育ち盛りの子ども達や体型が気になる男性、そして女性にももちろんオススメ。今の女性は健康のために野菜ばかりを摂りがち。でも実は、足りていないのは良質なたんぱく質」なのだとか。週末は、おいしくてカラダにうれしいアメリカン・ビーフを食卓に。