服の居場所、作れていますか?
欲しい服にばかりつい目が向きがちですが、その服の収納場所は用意できていますか?ごちゃっとしたクローゼットの中に押し込んでしまっては、可愛い服が台無しです。新しい服を手に取る前に、1度クローゼットを見直してみてはいかがでしょう。
「でも、どれももう着ないとは限らないし…」とためらう方も、いくつかのステップに沿って今ある服たちを分類してみてください。改めてのぞいてみると、意外と「タンスの肥やし」になっている服の多さに気づくはずです。
STEP1:1年以上着ていない服にはさよならを
STEP2:穴、ほつれ、シミ…疲れた服たちをまとめる
しばらくぶりに広げてみたら、洗濯で落とし切れていなかったシミが。他にも小さな穴が開いていたり、襟ぐりが伸びていたり。お気に入りの服ほど何度も着るので、生地がくたびれているケースが多いんです。
そんなお疲れ顔の服たちをまとめたら「はたして自分は、これを直してもう一度着るのか?」と自問自答してみてください。直してでも着たいのか、そうでないのか。本当に必要な服が何かわかる、いい機会になるはず。
STEP3:着なくなったイベント服たちをまとめる
イベント服とは、特定のタイミングでしか着ない服たちのこと。ドレスや浴衣、着物、礼服などが当てはまります。
結婚式に出席し始めた頃は、式があるたびに新しいドレスを買い足していた人も多いのではないでしょうか。こうしたイベント服たちは、そう何度も着るものではないので、どんなレパートリーを持っていたのかも忘れがち。1か所に集めてみると、こんなに持っていたのかと驚くかもしれません。
また、イベント服の中には自分で買ったのではなく、人から譲り受けた服があることも。特にドレス・着物は、購入価格が高かったり思い出と結びついていたりといった理由で「捨てるのはしのびない」と譲渡対象になることが多いです。
こうした服を集めて、これから先着る予定がありそうか、1着ずつ確かめてみてください。「着れるかどうか」ではなく「着たいかどうか」という軸で考えることが大切です。
不要なイベント服を捨てずに売れば、高い買い値がつくケースも
原価が安い服や汚れが目立つものは値段がつかないこともありますが、保存状態の良い原価の高い服であれば、予想以上の値段で売れるケースも。
原価の高い服が多いのは、イベント服。その中でも特に着物は、着物買取を行っている店などに査定に出した場合、値段のつくことが多いです。
もし、あなたの手元にある着ない服たちの中に着物があれば、次の条件に当てはまるものがないか探してみてください。
たとえば、こんな着物は高い価値の可能性アリ
教えてくれたのは、着物やブランド品の買取サービスを全国で展開している「バイセル」のベテラン査定員青木さん。「着物は、汚れていなければ大丈夫、ブランド品であればOKのように一概には言えません。有名な着物じゃないから…と持ち主の方が仰っていた場合も、査定してみたら非常に高級なお召し物だったということも少なくありません」とのこと。
お話をうかがった査定員の青木さん
着物の素材が「正絹(しょうけん)」
反対に、ウールや化繊でできた着物は価値が低く、値段がつかないこともあるようです。
証紙がついている
有名作家による着物
着物作家が作った着物には、上の写真のハンコのような「落款(落成款識)」と呼ばれるサインが入っているものが多いので、確認してみてください。着物の衿の先端か、おくみと呼ばれる前身頃に縫い付けられている布に入っているケースがほとんどです。
着物買取の相場はいくらくらい?
上記で挙げた以外にも、比較的高値になりやすい傾向にある着物は以下の通りです。
・作家物<有名作家物/人間国宝など>
・留袖<色留袖/黒留袖>
・振袖
・友禅<京友禅/加賀友禅/東京友禅/十日町友禅など>
・訪問着
・付け下げ
・紬<大島紬/結城紬/黄八丈紬/塩沢紬/牛首紬(うしくびつむぎ)など>
・小紋
・色無地
買い取りの価格相場はこちらです。価格は着物の状態に大きく左右されるため、あくまでも目安ではありますが、ぜひ参考にしてみてくださいね。
・作家物(有名作家物/人間国宝など):3,000円~800,000円
・留袖(色留袖/黒留袖):2,000円~200,000円
・振袖:2,000円~500,000円
・友禅(京友禅/加賀友禅/東京友禅/十日町友禅など):3,000円~500,000円
着物は時間がたつほど価値が下がってしまう
「着物は湿気に弱いんです。なので、クローゼットやタンスで眠らせているうちにどんどん状態が悪くなってしまうこともじゅうぶん考えられます。せっかく良いお着物でも、今と1年後では査定額に大きな差が出てしまうかもしれません。着物は寝かせず、整理を思い立ったタイミングで売ることをオススメします」
そもそも、着物を買い取ってもらうには着物の状態が良好であることが必須条件。大きなシワや汚れ、カビや虫食いなどがないかは、買い取りの問い合わせをする前に確認しておきましょう。
査定を頼むなら、着物専門の査定員がいるところで
「査定はもちろん無料ですし、バイセルの出張査定サービスを使ってもらえれば、お問い合わせから最短30分ほどでお伺いして、その場で査定いたします。
そのほかにも弊社に着物を送ってもらう宅配査定や、お近くの弊社営業所に持ち込んでいただく持ち込み査定というサービスも行っているので、使いやすい方法で試していただければ」と青木さん。
また、着物の査定はとても難しいもの。正しい価値での査定を行うには専門的な知識が必須のため、できればリサイクルショップなどではなく、着物専門の査定員がいるところにお願いした方が良いそう。
バイセルでは定期的に査定員に向けた研修や勉強会を開き、常に適正な査定ができる環境を整えているとのことです。
今の自分に必要な服を迎え入れる準備をしよう
新しい服を手に取る前に、次の休みはクローゼットの中身を見直してみませんか?
タンスの肥やしを作る一番の原因は「いつか着るかも」という気持ちです。でも、昨シーズンに着ていないものを、来シーズンに着ることはあるでしょうか。1年以上着ていない服は、思い切ってすべて処分すると決めてしまうのも手です。
流行も好みも変わるもの。数年前に流行っていたデザインのトップスや、今の自分の好みとはちがうテイストの服…かつてのお気に入りにはお別れして、そのスペースには新しいお気に入りを迎え入れてみてはいかがでしょう。