「平和の象徴」がもたらす家族再生への旅
祖父が大切にしていた樹齢2000年の樹を父が売ってしまった。
スペイン、バレンシアからドイツへ。
オリーブの樹を取り戻すため、孫娘と仲間たちの旅が始まる。
スペインのオリーブの樹が売られているという現実
スペインは世界一のオリーブ大国。古くからオリーブの栽培が行われ、樹齢1000年、2000年という樹も珍しくありません。スペインのオリーブオイルは品質も良く、世界でも最高水準を誇る特産物。しかし、その裏で不況にあえぐスペインでは、その樹齢1000年、2000年の立派な樹々が大地から引き抜かれ、売られているという現実があるのです。
高速道路の脇やオフィスの庭などに装飾的に置かれているオリーブの樹に、「どうしてここに?」と違和感を感じていた、脚本家のポール・ラヴァーティ。彼はバレンシア州のカステリョン県やカタルーニャ地方で2000年頃から不況の煽りで、オリーブの伐採がさかんに行われていることを新聞で読んで知り、ショックを受けました。
この話を妻で監督であるイシアル・ボジャインに話し、これを題材とした一つの家族の物語が「オリーブの樹は呼んでいる」です。社会問題と家族の問題、暗くなりがちなテーマでありながらもユーモアにあふれ、未来への希望を感じさせるヒューマンドラマです。
また、主演のアンナ・カスティーリョはこの作品でゴヤ賞新人女優賞に輝いた新星。さらに、祖父役のマヌエル・クカラは地元でオリーブ農園を実際に営んでいるそう。その演技も注目です。
【監督メッセージ】
この映画で私が伝えたいのは、もう一度信じてみてほしいということです。もう一度信頼する心を取り戻してほしい。なぜなら、8年以上も続くスペインの大不況下で私達が支払った最も高価な代償は、国が貧しくなっただけでなく、人間にとって不可欠なもの、すなわち“希望”を失ったことだからです。
ストーリー
この物語の主人公、アルマはスペインに住む20歳の女の子。自身は養鶏場で働き、気が強くてちょっと扱いにくい一面も。でも、オリーブ農園を営んでいる祖父とは幼いころから深い絆で結ばれていました。そんな大好きな祖父が、数年前から話しもせず、ついには食べることさえやめてしまい、アルマは心を痛めます。
その理由は、祖父がずっと大切にしていた樹齢2000年のオリーブの樹を、父親が先祖代々の土地から引き抜き、外国の企業に売り払ってしまったから。アルマにとってもその樹はとても神聖なもので、心の傷になっていました。
「祖父を救えるのは、あの樹を取り戻すこと」。そう考えたアルマは変わり者の叔父アーティチョークと同僚のラファと一緒にヨーロッパのどこかにあるオリーブの樹を取り戻す旅に出ることを計画します。
しかし、アルマのその計画は無謀で無計画でほぼ無一文。この事実を知る由もなくアーティチョークとラファは一緒にオリーブの樹を探す旅に出ます。それはまるでドン・キホーテのよう。
そして、彼女とその友人たちはオリーブの樹がドイツのデュッセルドルフの企業にあることを突き止め、そこへ向かいますが、やがてアルマが嘘をついていたことを知ります。オリーブの樹を返すために待ってくれている人など誰もいないことを…
果たして、オリーブの樹を取り返すことはできるのでしょうか。思いもよらない展開が待っています。
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投稿の際は、ハッシュタグをつけて「#映画オリーブの樹は呼んでいる」と写真に合わせた「#オリーブ料理」 「#この樹が好き」 「#樹の声を聞く人」と投稿してください。当選するとダイレクトメッセージが届きますのでお楽しみに♪チャンスは6月30日(金)までです。
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情熱的で無鉄砲ながらも、大好きな祖父のためにオリーブの樹を取り返そうと旅に出るアルマと仲間たち。未来に希望を感じさせる温かなストーリーは必見です。ぜひご覧になって、キャンペーンにも参加してくださいね。
原題:El Olivo|英語題:The Olive Tree|2016年|スペイン映画|99分
配給:アット エンタテインメント 宣伝:ムヴィオラ
監督:イシアル・ボジャイン『ザ・ウォーター・ウォー』 脚本:ポール・ラヴァーティ『天使の分け前』『わたしは、ダニエル・ブレイク』
キャスト:アンナ・カスティーリョ、ハビエル・グティエレス、ペップ・アンブロス
●お問い合わせ先
東京の場合は:シネスイッチ銀座 03-3561-0707
全国の場合は:アット エンタテインメント 03-6419-3737
5月20日(土)よりシネスイッチ銀座ほか、全国で公開されている「オリーブの樹は呼んでいる」。「麦の穂を揺らす風」や「わたしは、ダニエル・ブレイク」で2度のカンヌ国際映画祭パルムドールに輝き、イギリスの名匠ケン・ローチとのコンビで知られるポール・ラヴァーティの脚本と、その妻である監督のイシアル・ボジャインの夫婦コンビで描く感動作です。