列車で行く信州・木曽の旅

日々がんばる自分にそろそろご褒美を。
少し遅めの夏休みに、時間を気にせず自由気ままに楽しむ“列車旅”なんていかがでしょうか?旅路につくまでの時間さえもやすらぎ、思い出になる列車旅は大人にぴったりの余暇です。
少し遅めの夏休みに、時間を気にせず自由気ままに楽しむ“列車旅”なんていかがでしょうか?旅路につくまでの時間さえもやすらぎ、思い出になる列車旅は大人にぴったりの余暇です。

ゆったり列車旅を楽しみたいという方にうってつけなのが、信州・木曽。五街道の一つ中山道の街道整備とともに発達した宿場町で知られ、古くから信仰を集める「霊峰・御嶽山」やうつくしい清流が流れる「寝覚の床」などの景勝地が多いことでも有名です。観光客が多すぎず、自分の時間でゆったり巡れるのも魅力。豊かな自然と落ち着いた街並みは、日々の疲れた心を癒してくれるはず。
自分のペースを取り戻す、大人のスロートリップへいざ出発。
特急「しなの」でゆったり旅路を満喫

木曽へ向かうには、名古屋駅から特急「しなの」へ乗り込むのがおすすめ。山間部を走るため、木曽のうつくしい山々を眺めながら目的地へ向かうことができます。ノスタルジックな内装の列車に足を踏み入れると、なんだか懐かしい感覚に。
特急「しなの」ってどんな列車?

自分や景色に没頭。心やすらぐ旅道中

せっかくの旅路。スマホは置いて景色を眺めたり、音楽を聴いたり、自分自身を見つめ直す時間にしたり……。“なにもしない”というのも選択肢のひとつ。ただぼーっと景色を眺めているだけで、頭の中にある雑念が消え、だんだんと心がほぐれていきます。

車窓からは、田畑や山々など気持ちのいい自然風景が眺められます。都会では味わえない景色は、思わずカメラに収めたくなるはず。
読書好きならぜひ道中に読んでほしいのが、島崎藤村の長編小説『夜明け前』。中山道「馬籠宿」が舞台で、藤村の父をモデルに、幕末に生きた男の一生を描いた物語です。「木曽路はすべて山の中である」という有名な書出しで始まり、今もなお残る木曽の名所が数々登場します。読み終わった後、ゆかりの地を巡る文学散策をしてみるのもいいですね。

グリーン車の先頭は前面展望型になっていて、パノラミックな眺望が楽しめます。大きい窓から見える景色や線路、臨場感のある運行の様子は迫力満点。

車窓から見える景色で必見なのが、木曽エリア有数の景勝地「寝覚の床」。花崗岩の岩盤が木曽川の流れで浸食されてできた地形で、箱状に削られた巨岩から自然の悠久さを感じることができます。木曽福島駅に到着する前の一瞬のタイミングを、逃さないようにしましょう。
列車を降りて、一息ついたら観光へ!

途中で普通列車に乗り換え、降り立ったのは長野県塩尻市にある奈良井駅。風情を感じる佇まいの駅舎は、ほぼ開業当時のまま残されています。観光案内所も兼ねているので、待合所で一息つきながら旅のプランを練るのも◎

レトロなトラス小屋組の屋根が特徴的な駅舎は、近代化遺産としても非常に価値の高い建築物なんだとか。
風情ある街並みを訪ねて。木曽十一宿巡り

列車を降りたら、いよいよ木曽観光へ。
木曽といえば、江戸時代に京都と江戸を結んだ五街道のひとつ・中山道で知られています。「木曽路」とも呼ばれ、参勤交代や大名、皇族のお輿入れにも盛んに利用されました。約540kmの街道には69ヶ所の宿場が置かれ、そのうち11宿が木曽に点在しています。木曽の山河情景は多くの文化人を魅了し、詩歌や版画となって世に知らしめられ、宿場は旅人や地場産地の生産・販売・流通の拠点として賑わいました。町を歩くと、遠い時代の面影が今もなお感じられます。
木曽といえば、江戸時代に京都と江戸を結んだ五街道のひとつ・中山道で知られています。「木曽路」とも呼ばれ、参勤交代や大名、皇族のお輿入れにも盛んに利用されました。約540kmの街道には69ヶ所の宿場が置かれ、そのうち11宿が木曽に点在しています。木曽の山河情景は多くの文化人を魅了し、詩歌や版画となって世に知らしめられ、宿場は旅人や地場産地の生産・販売・流通の拠点として賑わいました。町を歩くと、遠い時代の面影が今もなお感じられます。
日本最長の宿場町「奈良井宿」

難所・鳥居峠のふもとにある「奈良井宿」は、約1kmにわたり街並みが続く日本最長の宿場町。江戸時代には「奈良井千軒」と謳われ、木曽路一番の賑わいをみせました。現在は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、古きよき日本の原風景を色濃く残しています。

かつて水の不便がほとんどないことから、女性の旅人も多くいたといわれる中山道。奈良井宿にも6ヶ所の水場があり、鳥居峠へ赴く人々の喉の渇きを癒していました。現在も山から湧き出る清水が流れています。

奈良井川にかかる「木曽の大橋」は、樹齢300年以上の総檜造りの太鼓橋。下部の木組からは匠の技を垣間見ることができます。橋の上からの眺めも絶景!
名物の五平餅やおやきでお腹を満たす

旅の醍醐味といえば、やっぱりご当地グルメ。
豊かな水源と冷涼な気候に恵まれた木曽では、手打ちそばや地酒、高原野菜、川魚など、ここでしか味わえない食がいただけます。奈良井宿にも多くの飲食店があり、店内でじっくり食べるのもよし、名物のおやきや五平餅などを食べ歩きしながら散策するのもいいですね。
豊かな水源と冷涼な気候に恵まれた木曽では、手打ちそばや地酒、高原野菜、川魚など、ここでしか味わえない食がいただけます。奈良井宿にも多くの飲食店があり、店内でじっくり食べるのもよし、名物のおやきや五平餅などを食べ歩きしながら散策するのもいいですね。

五平餅・おやき 各300円
長野県産の地粉と自家製の野沢菜を用い、約20年この地で手作りおやきを販売している『てずから』。素朴でやさしい味わいのおやきは、心をほっと温かい気持ちにさせてくれます。
伝統工芸の魅力に触れる

古くから豊かな資源と湿潤な気候を生かし、漆器づくりが盛んだった木曽。
もとは奈良井宿の白木細工に漆塗りを施すことからはじまったといわれ、丈夫でうつくしい木曽漆器は旅人たちがお土産に買って帰ったことで全国に広がっていきました。
もとは奈良井宿の白木細工に漆塗りを施すことからはじまったといわれ、丈夫でうつくしい木曽漆器は旅人たちがお土産に買って帰ったことで全国に広がっていきました。
伝統を現代の文脈で進化させる 「漆硝子」

蕾(tsubomi)盃・線 赤/青 各8,800円 ※受注生産品
木曽漆器の職人が集まる街・木曽平沢で、約80年以上3代にわたり続く『丸嘉小坂漆器店』。伝統の技を受け継ぎながら、現代のライフスタイルに合わせたものづくりを行なっています。ガラスに漆をまとわせた「漆硝子」は、従来の漆器のイメージを大きく変える新しいテーブルウェア。光が透き通るガラスと鮮やかな漆のコントラストがうつくしく、使う人の心を楽しませてくれます。

今年の春にリニューアルした店内では、グラスやお皿、ボウルなどの食器のほか、漆塗りのお弁当箱「めんぱ」やガラスのアクセサリーなども販売。繊細な漆の表情を眺めていると、つい時間を忘れてしまいます。

一年を通して湿度や温度が管理された工房内では、職人が一つずつ手作業で制作を行っています。本来ガラスと漆の相性は悪く、定着させるために特殊な加工を施しているそう。

漆で一本ずつ線を描く繊細な作業。うつくしい曲線ながら、筆の揺らぎや手作業による温かみが感じられます。完成するまでには10日間以上もかかるのだとか。ものづくりの背景を知ると、より一層手に取りたくなりますね。

お店があるのは奈良井宿の北に位置し、今もなお漆器店が軒を連ねる木曽平沢。漆工町として唯一国の重要伝統的建物群保存地区に選定されています。
自然の中で深呼吸

木曽エリアは日本百名山「霊峰・御嶽山」や中央アルプス「木曽駒ケ岳」、エメラルドグリーンの清流が流れる「阿寺渓谷」など雄大な自然を有しています。春や夏は木々たちの澄んだ香りを浴び、秋は紅葉を愛で、冬は雪景色を楽しむ……。木曽路の豊かな自然は、旅人たちに四季織々で異なる表情をみせてくれます。
木曽路が誇る名勝「寝覚の床」

特急「しなの」の車窓から見えた「寝覚の床」は、中山道の景勝地であり、木曽路のランドマークとしても親しまれてきました。木曽川の激流が長い年月をかけて花崗岩地帯の地形を削ってできたもので、国の史跡名勝天然記念物に指定されています。

周辺の空気は澄み切っていて、思わず深呼吸したくなるほど。奥へ進むと橋が架けられていて、そこから岩の上へと降り立つことができます。

一説によれば、竜宮城から戻った浦島太郎が岩の上で玉手箱を開けてしまい、夢から覚めたように感じたことが名前の由来だとか。花崗岩の上には小さな祠・浦島堂が祀られています。
旅路を楽しむ大人のトリップへ

ゆったり楽しむ列車旅から始まり、豊かな自然や伝統文化に触れる木曽の旅はいかがでしたか?
忙しい日々を過ごしているからこそ、ゆっくりと心を落ち着かせ、歴史や自然に想いを馳せる旅はかけがえのないものになりそう。ぜひ次の旅先の候補に"木曽の列車旅"を入れてみてくださいね。
列車旅に興味を抱いたら、JR東海の在来線エリアを中心とした沿線の魅力をお届けしている「TAVISIT」をぜひ覗いてみてください。きっとたくさんの魅力的な旅先に出合えるはず。
忙しい日々を過ごしているからこそ、ゆっくりと心を落ち着かせ、歴史や自然に想いを馳せる旅はかけがえのないものになりそう。ぜひ次の旅先の候補に"木曽の列車旅"を入れてみてくださいね。
列車旅に興味を抱いたら、JR東海の在来線エリアを中心とした沿線の魅力をお届けしている「TAVISIT」をぜひ覗いてみてください。きっとたくさんの魅力的な旅先に出合えるはず。
木曽へ行くなら「木曽エリアフリーきっぷ」で

特急「しなの」で木曽へ行くなら「木曽エリアフリーきっぷ」の購入がおすすめです。特急の普通車指定席に加え、JR線フリー区間内(中津川~洗馬間)の特急列車および快速・普通列車の普通車自由席に自由に乗り降りできます。さらに、お食事券やお買物券が付いた「エンジョイチケット」の引換券もセットに◎。快適&おトクに旅をすることができます。
みなさんの旅がすてきなものになりますように。
※2025年8月28日時点の情報です
※すべて税込金額です
※すべて税込金額です
photo/Miho Morito(LOVABLE)
styling/Saori Ikeda
hair&make/Karen Suzuki
model/Yuuka Nakashima
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hair&make/Karen Suzuki
model/Yuuka Nakashima

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名古屋と長野方面を結ぶ特急列車。383系という振り子車両を使用しているので、山間部のカーブが多い区間も高速かつ快適に走行できるよう工夫されています。写真のように、一部の車両はグリーン車が前面展望となっており、開放的な眺めを楽しむことができます。