平安時代から桜の植栽が行なわれ続けている吉野山は、「日本一の桜」とも形容されており、吉野山、大峰山脈の尾根一体が桜色に染まります。

その数約3万本に及ぶ吉野山の桜は、一目で視界に1000本もの桜が見えることから「一目千本」と呼ばれています。

約500ヘクタールの広大な敷地を誇る奈良公園は、国の名勝に指定されています。景勝地の宝庫である奈良公園には、ヒガンザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ナラノココノエザクラなど約1700本の桜が植栽されています。

シダレザクラの大木が、満開の花を咲かせ、視界を桜色に染める様子は、まるで春そのものが舞い降りたかのようです。

江戸時代初期の天守閣や櫓などが現存している姫路城は、国宝、重要文化財に指定されているほか、世界遺産にも登録されています。また、「日本100名城」の一つに選定されており、洗練された優美さを持つ姫路城には、約1000本の桜が植栽されています。

抜けるような青空、傑出した美しさを持つ白亜の天守閣、春爛漫の中で咲き誇る桜が織りなす景色は、絶景そのものです。

姫路城では、夜になるとライトアップが行われます。光を浴びて輝く桜が、漆黒の闇夜に浮かび上がる白い城郭の美しさを引き立て、夜の姫路城は幻想的な雰囲気に包まれます。

大阪造幣局には、134品種350本を超える桜が植栽されています。毎年恒例で行われる「桜の通り抜け」として大阪の春を彩る風物詩となっており、大勢の人々で賑わいます。

874年に創建された醍醐寺は古くから桜の名所として親しまれており、豊臣秀吉が「醍醐の花見」と呼ばれる盛大な花の宴を行ったことで有名です。

京都屈指の桜の名所である醍醐寺境内には、ソメイヨシノ、シダレザクラ、ヤマザクラなど約800本を超える桜が植栽されています。シダレザクラの巨木が満開に花を咲かせ、視界を桜色で染める様は、天女の羽衣のような美しさです。

景勝地の宝庫として知られている名勝・嵐山では、春は桜、夏は深緑、秋は紅葉と四季折々で美しい景色を見せてくれます。

毎年3月下旬から4月上旬にかけて嵐山、小倉山麓の桜が見事に開花し、平安時代から貴族達の別荘地として栄えた風光明美な景色を引き立てています。

琵琶湖八景の一つである海津大崎は、日本最大の淡水湖、琵琶湖畔北部に位置する岩礁地帯です。滋賀県有数の桜の名所である海津大崎では約800本のソメイヨシノが植栽されており、琵琶湖の春に彩りを与えています。

国の名勝に指定されている三多気の桜は、三重県を代表する桜の名所です。茅葺屋根の民家が残る日本の原風景が広がる三多気では、まるで日本昔話の中に入り込んだような錯覚を感じます。

なだらかな丘陵地帯、折り重なる棚田、のどかな里山風景と満開のヤマザクラが織りなす景色は、まるで一枚の絵画のようです。