桜舞い散る季節が過ぎても。
京都は、春夏秋冬、花々や草木で彩られる“花の都“。
洛南・宇治の「花の寺」
その中でも、晩春から夏にかけて、一際賑わう“花の名所”があります。
光仁天皇の勅願により、三室戸寺の奥の山中から出現した千手観音菩薩を本尊として建立したのが始まりと伝わる古刹です。
開創以後は、天皇や貴族らの崇拝を集め、堂塔や伽藍が整備され、後年は*西国観音霊場三十三ヶ所の一つとして人々の篤い信仰を集めてきました。
杉木立の花園「三室戸寺」
また、「アジサイ」が終わる初夏の頃からは、本堂前の「ハスの花」が次々と開花し、その様は、まるで極楽浄土を思わせるかのような美しさです。
鳥の囀りが聞こえる杉木立の参道は清々しく、緑の中に建つ堂塔伽藍は、京都の古刹ならではの趣きがあります。
寺内には、民話や伝説にまつわる像や石碑も多く、御神籤(おみくじ)や御守も個性的です。さらに花の庭園には、宇治ならではのスウィーツや食事が楽しめる茶屋もあります。

【「アジサイ園」内にある「花の茶屋」。紫陽花を模したかき氷『あじさい氷』】
桜散る頃からは、本格的な旅行シーズンが始まります。ぜひ記事を参考に宇治「三室戸寺」へと足を運び、花と共に清々しい季節を満喫しましょう。
◆以下の目次◆
1.“花の園” 三室戸寺
1-1.躑躅(ツツジ)・石楠花(シャクナゲ)
1-2.紫陽花(アジサイ)
1-3.蓮(ハス)の花
1-4.白砂と水の景色。
2.運気を上げる!「三室戸寺」のパワースポット
2-1.財運金運の蛇の神様「狛蛇」
2-2.勝運の牛「宝勝牛」
2-3.“福徳兎”「狛兎」
2-4.なでるとお金(鐘)が返る「朝鮮鐘の龍頭」
2-5.境内にある三つの龍
3.個性的な御守と御神籤
4.花とともに、美味しい一時。「花の茶屋」
5.“さわらびの道”を歩いて周辺観光
5-1.世界文化遺産「宇治上神社」
5-2.「宇治神社」
5-3.宇治市源氏物語ミュージアム
5-4.宇治川の絶景を楽しんで「宇治橋」&「朝霧橋」
6.宇治茶づくしで美味しい一時。
6-1.宇治川東で。-茶の香りに包まれる一時を-
通圓 宇治本店・福寿園 宇治工房・伊藤久右衛門 宇治本店・
6-2.京阪宇治駅周辺で。-宇治茶スウィーツのお土産探し-
駿河屋・シェ・アガタ・菓子工房KAMANARIYA 宇治本店
旅のInformation
旅のおわりに
1.“花の園” 三室戸寺
庭園内には散策路が設けられているので、山の緑や空気とともに花々の中を心ゆくまで歩き回れます。また本堂西側でも、紫陽花やツツジ、秋に見頃となる秋明菊(シュウメイギク)が楽しめます。
1-1.躑躅(ツツジ)・石楠花(シャクナゲ)
その多くは「平戸ツツジ」ですが、その他にも「霧島ツヅジ」、「久留米ツツジ」等、珍しい品種も多く、色も様々。一面を覆い尽くす花の色は、山の緑、新緑とのコントラストも鮮やかで、眩しいくらいです。
1-2.紫陽花(アジサイ)

【ツツジが終わりを迎える頃に開花し始めるアジサイ】

恋する人は、ハートを見つけて!
ハート型の紫陽花を見つけると“恋が成就する”と云われ、メディアでも注目を集めています。その中でも、紅色の紫陽花は珍しく、多くの観光客がその姿を求めて園内を散策しています。
ライトアップで幻想的に。
1-3.蓮(ハス)の花
本堂前の「蓮園」には、250鉢ものハスの花が並んでいます。特筆すべきは、規模よりも、その種類の多さです。有名な「大賀ハス」の他、「古代ハズ」や「青円寺ハス」、「陽山紅」や珍種の「大洒錦」等など色とりどり。その種類は、100種にも及びます。

【八重の睡蓮】
健康長寿を願って。“ハス酒を楽しむ会”
1-4.白砂と水の景色。
2.運気を上げる!「三室戸寺」のパワースポット
境内には、古刹らしく、民話や伝説にまつわる個性的な見所が数々あります。その中で人気を博しているのが、以下で紹介する5つのパワースポット。それぞれに金運や健康運等ご利益があります。ぜひ楽しみながら、境内を周ってみましょう。
2-1.財運金運の蛇の神様「狛蛇」
2-2.勝運の牛「宝勝牛」
2-3.“福徳兎”「狛兎」
2-4.なでるとお金(鐘)が返る「朝鮮鐘の龍頭」
「龍頭」は、かつて「三室戸寺」の古い鐘に付属していたものです。
室町末期、寺の僧が、室町幕府最後の将軍・足利義昭に味方したことによって、伽藍が破壊され、梵鐘も没収となったことから「龍頭」の歴史が始まります。梵鐘は解体され、「龍頭」のみが切り取られて、戦国期の大名・増田長盛の床の置物となりました。
置物として飾った長盛は、その後すぐに病に伏せてしまい、病の原因を梵鐘を破壊した祟りと思い、寺へ「龍頭」を返還しようとしましたが、当山の僧に断られてしまいます。長盛は深く陳謝するとともに、病気平癒の祈願を願ったところ、病気はたちどころに治り、その後、毎年お供米百俵を送るようになりました。
この鐘が寺へ返還されたことから、「鐘の龍頭をなでると鐘(=金)が返る」と古くから伝えられています。
2-5.境内にある三つの龍
3.個性的な御守と御神籤
4.花とともに、美味しい一時。「花の茶屋」
- 住所
- 宇治市菟道滋賀谷21 三室戸寺内
- 営業時間
- 【営業期間】毎年4月から7月中旬※つつじ、シャクナゲ、紫陽花庭園のオープン期間中のみ営業
【営業時間】午前8:30から午後4:30※紫陽花ライトアップ開催の土曜・日曜午前8:30から4:30 午後7:00から午後9:00
- 定休日
- 平均予算
- ~¥999
5.“さわらびの道”を歩いて周辺観光
かつて宇治の中心であった、宇治川東岸界隈は、平等院がある左岸側と趣きが異なり、緑多く閑静なエリア。
「三室戸寺」界隈を散策するのなら、“さわらびの道”を歩いてみましょう。「さわらびの道」は、宇治橋から川沿いを通り、源氏物語の宇治十帖ゆかりの古跡へと続く散策路です。
5-1.世界文化遺産「宇治上神社」
5-2.“菟(うさぎ)”の伝説「宇治神社」
5-3.宇治市源氏物語ミュージアム
5-4.宇治川の絶景を楽しんで「朝霧橋」&「宇治橋」
東岸から西岸に渡るなら「宇治神社」から伸びる「朝霧橋」か、日本三古橋」の一つとして名高い「宇治橋」を歩き、宇治川の素晴らしい眺めをぜひ満喫して下さい。
京阪宇治駅のすぐ目の前に伸びる「宇治橋」は、歴史的な趣きを色濃く残す橋で、“日本三古橋”の一つとして良く知られています。
大化2(646)年(奈良期)に架橋されたと伝わりますが、戦乱や洪水によって幾度も流失し、交通の要衝として機能してきた「宇治橋」は、その度に再生してきました。現在架かる橋は、平成8(1996)年に架けかえられたもので、橋の構造自体は、コンクリート製ではあるものの、周囲の自然景観、歴史的背景を踏まえて、木材を巧みに用い、伝統様式の木造橋のように仕上げられています。
宇治橋の中で、最も特徴的なのが中央部の「三ノ間」と呼ばれる、外側に張り出した部分です。この「三ノ間」には、かつて橋の守護神「橋姫」が祀られた「橋姫神社」がありました。(現在「橋姫神社」は、宇治川西側のあがた通り沿い「辻利一本店」隣に鎮座する)。
三の間から汲みあげた汲みあげた水は、“宇治川の名水”として茶人らに愛され、現在も毎年10月第一日曜日には「名水汲みあげの儀」が行われています。
6.宇治茶づくしで美味しい一時
宇治は、茶どころです。
宇治の街には、茶店や茶問屋の有名店が沢山軒を連ねています。以下で紹介するのは、1.宇治川東岸、2.京阪宇治駅周辺のお店からそれぞれピックアップした6店舗です。せっかく宇治へ足を運ぶのなら、茶の香りでお腹も心も満たして帰りましょう。
6-1.宇治川東で。-茶の香りに包まれる一時を-
通圓(つうゑん)宇治本店
福寿園 宇治工房
伊藤久右衛門 宇治本店
6-2.京阪宇治駅周辺で。-宇治茶スウィーツのお土産探し-
駿河屋
シェ・アガタ(Chez Hagata)
菓子工房KAMANARIYA 宇治本店
旅のInformation
「三室戸寺」へのアクセス
「三室戸寺」&「宇治市観光協会」公式サイト
「平等院」も花の名所
旅のおわりに
桜の季節は、新年度を迎え、慌ただしい頃。
路上の花びらや若葉を目にして、ちょっぴり物悲しさを覚える人もきっと少なくないはずです。
桜の季節が終わり、陽射しに張りがでる頃から、盛りを迎える花の名所も数多くあります。
新緑を背景に照り輝く花々もまた、桜に負けない美しさです。

素晴らしい“花景色”を眺めに、宇治「三室戸寺」へお出で下さい。きっと、心に残る素敵な旅が出来るはずです。
【平等院鳳凰堂】