春日大社や東大寺といった観光名所に隣接し、野生の鹿が生息する奈良公園には「片岡梅林」と呼ばれる梅の名所があります。

片岡梅林には、紅梅、白梅など約250本の梅が植栽されています。

世界遺産に登録されている薬師寺は、680年に天武天皇によって開祖された法相宗の大本山です。

毎年1月下旬から3月上旬は、境内に植林された紅梅、白梅などが競うように咲き誇り、見ごろを迎えます。

国宝・東塔（五重塔）を背景に、枝垂梅が可憐に咲き、まるで一幅の掛け軸のような風景を作り出しています。

古くから梅の名所として知られる月ヶ瀬梅林は、五月川渓谷沿いに約13000本の梅林が広がる国の名勝です。

月ヶ瀬梅林は、国が初めて名勝として指定した場所で、関西屈指の梅の名所として知られています。梅が見頃を迎える3月上旬頃になると、紅白の梅の花が渓谷一面を覆い尽くす様は見事で、訪れる者を圧倒します。

無限に続く梅林を歩いていると、淡桃色をした梅の花の雨が降り注いでいるかのような気分を覚えます。

賀名生梅林には、紅梅、白梅だけでなく様々な品種の梅が植栽されています。山里全体が薄桃色に染まる中、なだらかな丘陵地帯を歩くのは気持ちよく、ちょっとしたハイキング気分を味わうことができます。

月ヶ瀬梅林と並び、関西における梅の名所として知られる賀名生梅林には約20000本もの梅が植栽されています。

丘陵地帯を覆い尽くす梅林を登る途中で、立ち止まって歩いてきた道を見渡してみましょう。日本の原風景ともいえる、のどかな田園風景と梅林が見事に融和し、水墨画のような景色が広がっています。

奈良県三大梅林（月ヶ瀬梅林、賀名生梅林、広橋梅林）のひとつに数えられる広橋梅林は、広橋峠の斜面一帯に約5000本の梅が植栽されています。

よく整備された散策道からは、金剛葛城山系を見渡すことができ、素晴らしい眺望が待っています。

山里を覆う約5000本の梅林を歩いていると、ほんのりと梅の良い香りが漂ってくるような気分を覚えます。見上げると、抜けるような青空と、可憐に咲く白い花びらが織りなす素晴らしいコントラストを見ることができます。