世界的な観光地である京都。四季折々楽しむことができますが、夏の京都と言えば「床」ですよね。ランチまたはディナーの時には、せっかく京都に来たなら…ということで「床」で食事をしたいという人も多いかと思いますが、よく耳にするのは「川床へ行く」という言葉。

でも実は「納涼床」「川床」という2つの呼び方があり、それぞれ違うものなんです。今回はそれぞれの魅力と、おすすめのお店を合わせてご紹介していきます！

京都ならではの豆腐料理を存分に楽しむことができる「豆水楼」。細い路地裏にある町屋を利用してオープンした店内は、京都らしさをあちらこちらで感じることができます。名物は国産100%の大豆を使い昔ながらの製法にこだわったおぼろ豆腐です。それに加え、生麩の田楽や季節に合わせた豆腐料理を組み合わせた会席料理が人気。

本格的な京料理をリーズナブルに楽しめるということで人気の「露瑚」。築100年と言われる京町家を活かし、石畳の路地奥にひっそりと佇んでいるのも趣きがありますね。6000円くらいから会席料理が用意されていて、この時期に美味しい鮎の塩焼きや鱧の冷やし茶わん蒸しが食欲をそそります。

明治2年創業の老舗和牛店「モリタ屋」。京都初と言われている牛肉専門店で京都肉をはじめA5ランクの黒毛和牛など、厳選された牛肉のみを使っています。すき焼きはもちろんしゃぶしゃぶも人気メニューで、肉寿司など様々な牛肉を使った料理を堪能できます。

店内はとても風情のある京町家造りで、納涼床も格式高い雰囲気。日が暮れるとともに行燈の温かい光に一帯が包まれ、よりさらに趣きを感じることができます。お値段は少し高くなりますが、せっかく来たなら本格的な納涼床を体験したいという人にはぜひおすすめのお店です。

納涼床でとくに和食だと座敷形式で直に座ることが多いのですが、こちらはすべてテーブル席。座敷だと女性はスカートでは気を使いますし、ご年配の方も足腰の心配がありますが、椅子に座るテーブル席ならそんな心配も必要なし！ランチもディナーもともにお財布に優しいお値段なので、納涼床デビューにはおすすめのお店です。

四条河原町からすぐの好立地にある「四季彩しをり」。和モダンな造りの京町家で、契約農家から仕入れている地元野菜や京都丹波和牛・地ビールなど、様々な地元食材を使った創作メニューを楽しむことができます。その中でも人気なのが名物の栞屋バーグ。京都丹波和牛100%で作られたハンバーグは300gでボリューム感もたっぷり！しゃぶしゃぶや牛しぐれご飯も一緒になった肉会席が人気です。

タイの本場で10年以上修行したタイ人シェフが1989年に創業した実力店「佛沙羅館」。人気のプレートでは特製グリーンカレーや揚げ春巻きなど定番の間違いない美味しさを体験できます。京都の有機野菜を中心に使いながら自家製ハーブやタイ現地で仕入れた香辛料など、見た目の美しさや味だけでなく食材にもこだわっています。

1935年創業の老舗ショコラトリーが新店舗として2012年にオープンした「サロンドロワイヤル京都」。ショーケースにはカカオの風味がしっかりと感じられるエッフェル塔を模したチョコレートや、国産の柚子が香る濃厚なミルクチョコレートなどさまざまなテイストのチョコレートが並んでいます。またケーキも取り揃えられており、多くのスイーツを楽しめます。

1983年創業の幻想的な雰囲気漂う「セントジェームス」。常連さんだけでなく遠方からも訪れることが多い人気のバーで、照明は最小限にキャンドルと月の明かりで店内は包み込まれています。この雰囲気に魅了されて足しげく通う人もいるのだとか。

貴船の川床発祥と言われている「貴船ふじや」が営んでいた茶店で、五～六尺の畳くらいの座敷を設けておもてなしをしたのが始まりなんだとか。冷たい山水を使い調理直前まで泳がせた川魚は、身がキュッと引き締まり絶品。

岩の苔肌や樹々が生い茂る中、間近で清流を臨むことができ、真夏でも涼しく感じられます。どこのお店に行くか悩んだ時には、まず発祥の地のこちらがおすすめです。

貴船川に面した白壁がひときわ目を引く佇まいの「ひろや」は、芸術的な料理が人気。枯山水の美しさを表現したとする鮎の石庭盛りや、氷鉢に盛り付けられたお造りなど、見た目にも非常にこだわった品々が並びます。

ヒーリングソングのように流れる川のせせらぎは本当に心地よく、席の間隔もゆったりしているので周りを気にせずに素敵な時間を過ごすことができます。頭上高くには青く生い茂った青楓からの木漏れ日が差し込み、マイナスイオンに包まれるような感覚を楽しむこともできますよ。

比較的リーズナブルにいただけるメニューのあるこちらのお店。鮎の塩焼きをはじめ、夏にピッタリな料理がセットになった御膳が人気ですが、麺物も美味しいと評判のお店です。気軽に立ち寄ることができるお値段設定なので、川床が初めてというビギナーさんも気軽に立ち寄れそうです。

貴船神社の結社の横に立つ風情ある佇まい「ひろ文」。鮎を含む夏の味覚を楽しめるコースは比較的リーズナブルで人気メニューのひとつですが、こちらでおすすめなのが流しそうめん。最初はキャッチするのがなかなか難しいですが、それがまた楽しい！最後には終わりの目印であるピンク色の梅そうめんが流れてくるのも何だか粋ですね。

広々とした川床が三段に分けて備えられていてゆったりと過ごすことができます。また三段のうちどの場所かによって少し違った風景を楽しめるのも魅力のひとつ。豪快に流れる川の水しぶきを体感しながら食べる料理は、全身でも美味しさを感じることができますよ。

清滝川の横に位置し北山杉を使った屋根の少し高さがある川床「錦水亭」。自然豊かな中、渓谷でとれたばかりの鮎はもちろんのこと、さまざまな会席料理が用意されています。お昼のプラン、夜のプランと用意された日帰りコースもおすすめですが、時間を忘れてゆっくりと過ごしたい方には、川床ディナーと宿泊がセットになった宿泊プランがおすすめ◎

貴船の川床ほど川との距離は近くありませんが、もみじが有名な高雄ではこの時期、新緑を一緒に楽しむことができます。ディナータイムには提灯も灯り、さらに幻想的な雰囲気の中で料理を楽しめます。

明治40年創業の老舗料亭旅館「もみぢ家」。展望露天風呂があり宿泊プランも人気で川床から臨む新緑は絶景です。さまざまなな川床料理のコースがあり、他にもしゃぶしゃぶやすき焼きのコースもあるので、どれにしようか迷ってしまいそうです。ディナーでは、舞妓さんとの歓談や写真撮影ができるそうなので京都を満喫できること間違いなしです。

清滝川沿いに造られた屋根付きの川床は新緑から射す日の光が美しく、幻想的な雰囲気を作り出してくれます。市内からさほど離れていないのに、そこにいるだけで時間の流れを忘れてしまうほどです。涼を楽しむ避暑地としてはもちろん、日々の疲れを癒すプチ旅行として訪れるのも良いですね。