埼玉県・秩父には、秩父地方をずっと守り続けている由緒正しい神社があります。ご利益を求めて訪れる人はもちろん、周囲の豊かな自然や、歴史を感じる建築を楽しみに出かける人も多いのだとか。魅力溢れる秩父の神社と、周辺の見どころをご紹介します。

「秩父三社」とは、秩父神社、三峯神社、宝登山神社の総称です。古くより秩父地方に鎮座するこの3つの神社へ、まずはお参りへ行きましょう。美しく、また歴史ある社殿彫刻も見どころです。

秩父鉄道の秩父駅からは徒歩約3分、西武鉄道の西武秩父駅から徒歩約15分と、アクセスしやすい場所にある「秩父神社」。創建2100年以上といわれる、歴史ある神社です。家内安全や商売繁盛をはじめ、さまざまな祈願を行っており、全国から人が集まっています。水に濡らすことで結果を見ることができる「水占いみくじ」が参拝客に人気です。

秩父神社を訪れたら、ぜひ社殿をゆっくり眺めてみてください。徳川家康が寄進したという現在の社殿は、色鮮やかな彫刻がとても美しく、埼玉県の有形文化財にも指定されています。東西南北に彫られている虎・龍・猿・フクロウにはそれぞれに込められた意味があり、寄進された当時の信仰や歴史に触れることができます。この動物たちをモチーフにしたお守りや絵馬もあるので、参拝のときにあわせてどうぞ。

毎年12月には、地域の神様に感謝するお祭り「秩父夜祭」が行われています。豪華な屋台と笠鉾（かさぼこ）が町の中を練り歩く光景は、まさに圧巻。ユネスコの無形文化財にも指定されています。秩父神社のお隣には「秩父まつり会館」があり、秩父夜祭の装飾（展示用）を見学することができます。

杉の木に囲まれた境内で、拝殿に施された極彩色の彫刻に目を奪われます。また、境内には「えんむずびの木」と呼ばれる御神木や、三峯山の宝物や秩父宮家ゆかりの品々を展示する「三峯山博物館」もあるので、隅々までお参りくださいね。

拝殿の左にある石畳には、2012年に突然浮かび上がったという龍の模様があり、とても神秘的。ご利益があるといわれているので、ぜひあわせてお参りしてくださいね。

標高約1100ｍもの高さの三峯山に鎮座する三峯神社。駐車場もあるので車で来る方も多いようです。年始の初詣など、混雑することもあるので参拝には時間に余裕をもってお出かけくださいね。

「宝登山神社」は秩父市長瀞町に位置し、心洗われるような周辺の自然と調和しています。火災盗難よけ・諸難よけなどのご利益があるとして、多くの人が訪れています。江戸時代末～明治初頭に修復された現在の社殿は、欄間の繊細な彫刻が見どころです。

こちらは宝登山ロープウェイに乗り、少し歩いた先にある「奥宮」からの景色です。広い境内には、神の水が流れ出ていると伝えられる「水神社」や、学問の神様と言われる菅原道真公を祀ったお宮など、見どころがたくさんあります。参拝の後はお守りや御朱印帳をいただきつつ、境内もゆっくり巡ってみてくださいね。歩き疲れたときにひと息つけるお茶屋さんもありますよ。

秩父三社へ訪れたら、参拝の証でもある御朱印をいただきたいところです。三社が揃うと見事ですね。画像にあるお守りは三峯神社のもの。「白い氣守」は、毎月1日だけ頒布されていたため貴重とされ。大変な人気となってしまったので、現在は頒布を休止しているそうです。（白色以外の氣守は頒布されています）

秩父市黒谷に位置する「聖神社」は、日本最初の流通貨幣「和同開珎」に所縁のある神社です。708年、日本で最初の自然銅がこの地で見つかり、これがきっかけで「和同開珎」が鋳造され、聖神社も創建されたと言われています。創建当時に採掘された和銅石が祀られ、「銭神様」とも呼ばれる聖神社は、金運祈願や宝くじ当選のお礼参りに訪れる人が多いそうです。

聖神社の境内にある御神木には、金運だけでなく夫婦円満や子宝に恵まれるなどのご利益があると言われています。また、金運がアップしそうな黄色の御朱印帳や宝くじ入れも見逃せません。お参りの際にはぜひご一緒にどうぞ。

「泰山堂カフェ」は秩父鉄道の秩父駅から徒歩約8分の距離にあります。秩父神社からも程近いので、立ち寄りたいですね。古民家を改装したレトロな雰囲気の外観から、もう期待が高まります♪

こちらも秩父三社参拝の道中に訪れたいお店「カルネ」です。秩父鉄道・御花畑駅から徒歩5分ほどのところにあります。ぬくもりのある木製家具で調えられた店内は、ガラス張りで明るく素敵な印象。「珈琲とカレーの店」というだけあって、カウンターの後ろにはセンス抜群のカップや食器が並びます。

アラビアのお皿に盛られた「2種盛カレー」は、スパイシーでクセになるという「ポークビンダルー」と食べやすい「チキンキーマ」の2種類。カレー通も唸ると噂の、本格的なこだわりのスパイスカレーです。また、「オールドビーンズ」を使って淹れたコーヒーも絶品とのこと。時間を作ってぜひ味わいに行きたいですね。

こちらのかき氷は、抹茶や黒蜜をかけていただく「和スペシャル」のメニュー。他にも、季節オリジナルのシロップや、秘伝のみつや白玉を自分でトッピングして食べるものがあります。天然氷を使っているので、フワフワで優しい口どけです。夏だけではなく、一年中いつでも食べたくなるようなかき氷です。

東京から電車で行くことができる秩父は、週末のショートトリップにぴったりのスポット。自然豊かな景観や、素敵なカフェも楽しみながら、伝統ある神社でパワーをもらいましょう。帰るころには、きっと心も身体もリフレッシュしているはず。今回ご紹介した以外にも、温泉や、長瀞のライン下り、そして素敵なカフェもたくさんあります。1度といわず何度でも、秩父へ足を運んでみてくださいね。