世界遺産、歴史的建造物、古い町並み、豊かな自然、子供も楽しめる施設など見どころが多い岐阜県は、季節、国内外問わず観光客が大勢訪ずれています。

世界遺産にも登録されている白川郷は、岐阜県の庄川流域の呼称であり、中でも荻町地区は合掌造りの集落として有名で、現在も荻町地区は、実生活の場として使われています。1976年に重要伝統的建造物群保存地区として選定され、さらに1995年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。

急勾配の茅葺きの屋根が特徴的な木造家屋「合掌造り」。その名称の由来は、掌を合わせたような三角の形に組む丸太組みのことを「合掌」と呼ぶことから来たと言われています。

こちらは築後約300年の国指定重要文化財である「和田家」。白川郷の代表的な、茅葺き合掌造りの住宅で、今も生活が営まれ続けています。1階の一部と2階が公開されており、和田家代々で使用されてきた遺物や民具なども見ることができます。

他にも世界遺産白川郷合掌造り集落には、長瀬家、神田家、明善寺庫裡郷土館や、飲食の施設などがあり、一日いても飽きることなく、昔懐かしい光景の中、ゆったりと観光を楽しめそう。ただし世界遺産集落は今も実際に生活している集落なので、住民の方々のプライバシーに配慮しマナーを守って散策し、素晴らしい世界文化遺産をいつまでも美しく後世に伝えたいですね。

豪雪地帯である白川郷。雪景色も絵になり冬でも寒い中、大勢の観光客が訪れています。さらに毎年2月頃の週末には夜間ライトアップが開催され、絵はがきのような幻想的な光景を観ることができます。

集落が見渡せる最高の撮影ポイントとして人気の「荻町城跡展望台」。前述した和田家から歩道を登って行くコースの他、国道360号沿いの自動車道から入るコースがあります。

冬のライトアップ期間の光景。近くで見るライトアップも素敵ですが、高台から眼前に広がる光景は一段と美しく、童話の世界に迷い込んだかのよう。

岐阜県の飛騨地方に位置する高山市。中でも江戸時代から城下町、商人町として発達してきた上町、下町の三筋の町並みを合わせ「古い町並」と呼び、これらの趣のある町並みは、国選定重要伝統的建造物群保存地区として保護されています。

用水路が流れ、出格子のある町家風の建物など、風情ある景観は「飛騨の小京都」とも呼ばれ、連日多くの観光客が訪れています。古い町並みをゆったり徒歩で散策するのも素敵ですが、人力車での観光も人気があり、他にも食べ歩き、ショッピングなど、楽しみもいっぱい。

JR高山駅から徒歩10分ほどの距離にあり、アクセスも抜群。お天気の良い日だけでなく、雨の日もしっとりとした情緒があり、フォトジェニックな光景はまるで昔にタイムスリップしたかのよう。

江戸日本橋を起点に、京都まで約530km、69ヶ所の宿場がおかれていた中山道。その中山道43番目の宿場で、木曽11宿の一番南に位置する宿場町の「馬籠宿（まごめじゅく）」は、石畳の敷かれた坂に沿う風情ある光景が人気で、多くの観光客が連日訪れています。

JR中津川駅からバスで約25分。石畳の坂道は、上からの眺めも素敵ですが下からの眺めも◎。他にも、文豪 島崎藤村の生家の藤村記念館や馬籠脇本陣資料館などの観光施設や、お土産屋さんや雑貨屋さん巡りをしたり、レトロなカフェでお茶したり、食べ歩きも人気があります。

春夏秋冬、いつ訪れても楽しめますが、毎年11月に開催される「馬籠宿場まつり」では、週末になると夕暮れの馬籠宿をおだやかな灯りで照らす「灯り街道」が開催され、灯ともし頃の光景は忘れがたいものになりそう。この時期の週末は泊まりがけで訪れるのも良いかも。

JR岐阜駅、名鉄岐阜駅からバスで約15分 の距離にある「岐阜公園」。岐阜市の中央にある人気観光スポット、金華山のふもとに広がる水と緑が美しい公園には、信長庭園や信長居館跡、岐阜市歴史博物館など見どころがいっぱい。噴水や池もあり、暑い時期でも歩いているだけで癒されそう。

春や新緑の頃も気持ちよく散策できますが、岐阜公園で毎年10月下旬～11月下旬に開催される「菊人形・菊花展」もおすすめです。愛好家の方々が大切に育ててきた約3,000鉢の菊が一同に展示される他、菊人形も見応えがあります。

池に設えた舞台にも菊人形が飾られ、周囲の紅葉と見事に調和し、幽玄な雰囲気を醸し出しています。

前述した岐阜公園から金華山の山頂まで、約4分で結ぶロープウェー。乗っている間も、眼下に広がる四季折々の絶景も楽しめて◎。時期によって営業時間が違うので訪れる前に公式サイトをチェックしておいた方が良さそう。

展望台から広がる絶景。岐阜を流れる長良川の美しい光景や緑あふれる金華山、市内のその向こうに連なる山々の眺望など、いつまでも眺めていたくなります。他にもこの後紹介しますが、子供も大人も楽しめるリス村、岐阜城などあり、岐阜公園と合わせて一日満喫できそう。

夜間営業の期間は、金華山サンセットビアガーデンもオープンし、常に予約でいっぱいだとか。こんな絶景を見渡しながらビールで乾杯すれば、日ごろの疲れも一気に吹き飛びそう。

昭和40年に当時の日本で初めての「リス村」がこちらの金華山に開村しました。開村からさかのぼること約30年。昭和11年に開催された「躍進日本大博覧会」の際、観衆の見せ物として多数持ち込まれたタイワンリスが集団で金華山に逃げ込み、その後、野生化したと言われています。

リスの食べるシイの実やドングリの実が豊富な金華山は、他に天敵も少ないため、リスの環境に大変良く、今でも多数生息しています。これら金華山の野生のリスを、そのままの状態で自然の中で子供たちと遊ばせたいと願い、長い年月をかけて調教してできたのが「リス村」です。

自然の中でのびのびと暮らすリス達を見たり、餌をあげたりできます。間近で見るリスの可愛さに、大人も虜になりそう。

同じく金華山にある人気観光スポット「岐阜城」。岐阜城は戦国時代には斎藤道三の居城でもありました。その後、1567年に織田信長がこの「稲葉山城」と呼ばれていた城を攻略して城主となり、その後「稲葉山城」を「岐阜城」に改めたと言われています。

現在の岐阜城は昭和31年に、岐阜城再建期成同盟によって復興されたものですが、城内には史料展示室があり、楼上の展望台からは、長良川や岐阜市内が眺望できます。

夜の岐阜城と月の組み合わせも、フォトジェニックだと人気があります。月明かりを受けてそびえ立つ岐阜城の勇姿はまるで戦国時代に戻ったかのよう。

建築史家、建築家である藤森照信氏が設計した、すり鉢状の緑の斜面に立つ土の建物。思わず足を止めて見入ってしまうこの不思議な建物は、多治見市笠原町にある「多治見市モザイクタイルミュージアム」という、タイルについての情報が何でも揃い、タイルの新たな可能性を生み出すミュージアムなんです。

内部の展示も工夫されており、中でも4階の床から天井まで白いタイルに覆われた空間は実は半屋外になっており、実に開放的。

自然光を受けて輝く色とりどりのタイル。お天気の良い日も魅力的な光景を見ることが出来ますが、雨の日もまたしっとりとしていて素敵。雨でもタイルは水に強いのでこのような展示ができるそう。

他にも展示室にはたくさんのタイルコレクションがあり、特別展が開催されたり、美術館主菜の見学ツアーが開催されたり、体験工房では、タイルを使った小物も作れたりするので、訪れる前に公式サイトをチェックしておくとより楽しめそう。