十二湖とは、白神山地西側に位置し、津軽国定公園内に点在する湖沼群の総称です。

湖沼群が「十二湖」と呼ばれる理由は、大崩展望所から白神山地を臨むと、12の湖が見えたためです。

形成時は、33の湖沼群があると推察されている十二湖ですが、偶然にも湖面積が1万平方メートルを超える湖が12個となっているのは、大自然がもたらしたイタズラのようです。

やわらかな陽射し、光り輝く水面、抜群の透明度、豊かな森の饗宴はまるで絵画のように素晴らしく、十二湖では、どこを切り取っても絵になる風景が広がっています。

刻一刻と時間によって色を変えてゆく不思議な水面を持つ青池は、白神山地を代表する景勝地です。

水深9メートルの青池は、抜群の透明度です。鬱蒼と茂る深い緑の森に、陽射しを浴びて青く煌めく水面を持つ湖が佇む様は神秘的で、まるでこの場所が神の棲家であるかのような気分を覚えます。

青池の美しさは、傑出しています。深みのある青色と陽射しを浴びて淡く煌めく碧色が入り混じった青池の水面は、深山幽谷とした雰囲気が漂っており、心を奪われずにはいられない不思議な魅力を放っています。

湖底が透けて見える沸壷の池は、湖面積が575平方メートルで、湖沼としては小さい方に該当します。しかし、青く煌めく美しい水面は青池の美しさに匹敵する程で、十二湖の中でも特に人気がある池の一つです。

沸壷の池近くには、茶屋「十二湖庵」があります。お茶とお菓子をいただきながら、十二湖庵で、湖沼めぐりによって疲れた足を休めてみるのもおすすめです。

清らかな湧水、沸壺池の清水で淹れられたお抹茶の味は格別です。美しい湖沼群を眺めながら、お茶をいただき、のんびり過ごしてみてはいかがでしょうか。

41150平方メートルの湖面積を誇る鶏頭場の池は、十二湖の中でも大きな池です。池の周りには、豊かなブナの原生林が生い茂っています。深い緑の山々を鏡のように映し出す鶏頭場の池では、「逆さブナ林」を臨むことができます。

エメラルドグリーンの水面を持つ中の池は、水深14.4メートルを誇ります。池を取り囲む樹々の緑と、水面の碧が見事に調和した中の池は、まるで森の妖精の棲家であるかのようです。

開けた眺望を持つ王池は、33以上もの湖沼を形成している十二湖の中でも屈指の大きさを誇り、その表面積は53500平方メートルに及びます。

比較的規模が大きい落口の池は、水深20メートル、表面積27200平方メートルの池です。

紅葉の名所として知られる落口の池は、晩秋になると池の周りの樹々が鮮やかに彩ります。紅、朱、黄など色とりどりに染まった樹々は、落口の池の美しさを引き立てています。