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私たちは、何をしていれば幸せなのか。どう生きるべきなのか。考えれば考えるほど堂々巡りな気がして、考えるのを諦めたくなってしまう時があります。時には、無慈悲なニュースに「私たちがいくら頑張ってみたって変わらない」と無力感で体がだるく重くなってしまうことも。
でも、絶対にそんなことはないと私は断言がしたいです。私たちの営みがいかに小さくても、少しの言動がたとえ大海の1滴の雫にさえ満たないとしても、その1滴が必要です。今問題視されている環境汚染は、「これぐらい大丈夫」と思われた少しの物事が積み重なって起こった出来事です。これは悪い例ですが、私たちの営みは決して小さくなどないのだと考える材料としては適していると思います。
今、何をするべきなのか。これからどうやって生きていくのが、私にとって正しいのか。自分に向き合う時間が増えた今、その問題で頭を抱えて苦しくなっている方におすすめしたい12冊をご紹介します。その悩みの苦しさからは、逃げないでいただきたいと思います。1人で悩むのではなく、相談すること。最も気軽で有効なのは、読書という行為です。
自分の感情や感覚も、実は案外もやがかっているものです。「何をしたいですか?」と聞かれて答えようとしても、「あれ?私って何がしたかったんだっけ…?」と不安な気持ちになってしまったり、今置かれている状況は過去に望んだものだったはずなのに、満たされた気持ちにはならなかったり。そんな時は、同じような状況下にいる人たちよりも、全く違う環境下で暮らす、価値観の異なる人々の意見を取り入れてみるべきです。幸福とは何のことなのか。私たちはどう生きるのが正しいのか?答えを探すのではなく、ヒントを探すための本4冊です。
■『デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義』 マイク・ヴァイキング 著、枇谷玲子 訳
世界一幸せな国だと言われている、デンマーク。国民の幸福度が総じて高く、高福祉社会として満たされた生活を送っていると言われています。しかし、“抗うつ剤の処方量も世界一”という実情もこの本の中では紹介されています。
デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義
1,925円(税込)
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実際に北欧は日照時間が短く、ネガティブ思考に陥りやすい環境であるのも事実。すぐにメンタル面のケアを受けることができるものの、そのケアの手早さと処方された薬の量は、幸福な社会を表現するものなのでしょうか?それははたして《幸福な社会》と言えるのでしょうか?改めて考えさせられる1冊です。
■『パリジェンヌのつくりかた』 カトリーヌ・ド・メグレ 著、古谷ゆう子 訳(ハヤカワ・ノンフィクション)
世界中の女性の憧れ、パリジェンヌ。かっこよくてお洒落で、都会的で、でもノンシャランで、知的に自立していて…。しかし、彼女たち自身の、彼女たちにまとわりつく記号としての《パリジェンヌ》とはどのようなものなのかを、生粋パリ育ちの女性たちが赤裸々に語ります。
パリジェンヌのつくりかた
2,199円(税込)
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「スノッブって言われやすいけど、それも嫌いじゃない」と言い張ったり、ぶっちゃけ話の連発。パリジェンヌに憧れる人は、ちょっと興醒めしてしまうかも?でも、彼女たちも私たちと何も変わらない人間です。「気持ちはわかる」と頷きながらどうぞ。
■『たそがれビール』小川糸 著(幻冬社文庫)
作家の小川糸さんの日常が語られるエッセイ集。日記のような形式です。ご近所の方からもらった野菜でスープを作ったり、買い物をしたり、お酒を飲んだり、ゆったりと過ごす小川さん。しかし、たまに語られるのが、現在の世情や政治体制への怒り……。
たそがれビール (幻冬舎文庫)
594円(税込)
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穏やかな言葉の裏には、静かな炎がゆらめいているのがわかります。小川さんの語り口調はいつも優しく、こまごまと生活圏を整えることをよしとするライフスタイルですが、自らの生活圏のみに目を向けているだけではないのです。
■『ムーミン谷の仲間たち』トーベ・ヤンソン 著、山室静 訳(講談社文庫)
みんなに愛されるムーミン谷の仲間たち。皆さんは、どのキャラクターが好きですか?悩める私たちにとって、参考になるのは旅人スナフキンだと思います。彼はとってもクールな態度でムーミンたちに接しているように見えますが、実際じっくりと見ていると、彼はとても人の話をよく聞く人だとわかります。
新装版 ムーミン谷の仲間たち (講談社文庫)
693円(税込)
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「時間がないから、誰にでも優しくはできない」。それでも、スナフキンは谷に必ず帰ってきます。スナフキンの帰りをいつも心待ちにしているムーミンとのあたたかい関係性に着目してみてください。
ずっとグルグルと考え事をしていると、気が沈んでばかり。マイナス思考に陥りがちですが、そんな時こそ、生きることを考え尽くした先人たちの出番です。私たちの悩みは、過去の頭のいい人たちもたくさん悩んできています。これは希望のひとつ。とても賢い人たちが、時代や場所を超えて、1人ずつ向かい合って対話をしてくれる。これが読書の醍醐味だと思うのです。
■『ダンディズムの系譜 男が憧れた男たち』中野香織 著(新潮選書)
「哲学なのにダンディ…?」と思うなかれ。ダンディズムの歴史をファッションと絡めて紐解く中で、男たちが憧れた男の人生を辿るこの1冊には、自由に人生を全うした人々のモットーや人生論が詰まっているのです。
ダンディズムの系譜―男が憧れた男たち (新潮選書)
1,430円(税込)
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ダンディな男は、《完璧》な男ではありません。「世間や社会の目を気にしてやるまい」と矜持を高く保つ気高さの周りには、常に彼らを蹴落とそうとする誰か、破滅の一歩手前の綱渡りが潜んでいました。それらにさえも「俺の精神の行手を阻むなら」と堂々立ち向かった姿を、是非辿ってみてください。
■『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』國分功一郎 著(講談社現代新書)
哲学者・スピノザをご存知でしょうか?彼はたった2冊しか本を刊行しなかった、いわゆる《レアキャラ》的存在。彼は今現在の近現代的思想とは、ちょっと違った考え方をしている人でした。しかし、著者は彼の思想をあり得たかもしれないもうひとつの現代思想と定義します。
はじめてのスピノザ 自由へのエチカ (講談社現代新書)
946円(税込)
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私たちは思想や思考回路に根拠や理論を求めますが、スピノザは「真理は他人と論理で共有できるものではないよ」と言い切っているのです。私たちの思う良い行い・悪い行いの違い、他人との価値観の衝突に、どう対処していくべきか?いつもとは違う角度からヒントをくれる1冊です。
■『暇と退屈の倫理学』國分功一郎 著(大原出版)
こちらも國分先生の著作。お金と買い物への態度を考え直すことができる本です。私たちは買う物・持っている物によって自分をどのような人間か定義しようとしますが、その自己実現方法の裏には世界史的な《事情》と企業側の《戦略》がありました。
暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator)
1,320円(税込)
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著者は「この本を最後まで読んだとしても、大した答えは書いていない」と堂々言い放ちながら、なんだか習ったことがあるような気がする歴史や倫理の授業をしてくれます。最終的な結論は自分で出すことが必要だという哲学の基本姿勢を学べます。
■『墨子よみがえる “非戦”への奮闘努力のために』半藤一利 著(平凡社ライブラリー)
中国の思想家、墨子。今、彼の思想が現代社会に必要なのではないかと見直されています。彼が生涯言い続けたのは《博愛》の大切さでした。墨子が生きたのは、国内で何百年も戦争が続いている時代。人が人を殺めて当たり前という世の中で、誰も納得してくれない状況下「人を傷つけてはならない」と諦めずに言い続けたのです。
墨子よみがえる: “非戦”への奮闘努力のために (919) (平凡社ライブラリー は 26-11)
1,540円(税込)
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彼の主張は死後に見直されました。人生の中では報われなかった墨子ですが、注目したいのは、それでも社会に与えた影響は大きかったということ。すぐに結果に結びつかなくても、自分自身の良識に基づいた主張を続けることには意味があるのだと勇気をもらえます。
自分から何かをやりたくても、「じゃあ、具体的には何をしたらいいの…?」「私は活動家でもなんでもないし」と立ち止まってしまう気持ちはよくわかります。世間のニュースを見ていると無力感に襲われることも。しかし、あなたは《良くも悪くも必ず誰かや社会そのものに影響を与えられる》ということを忘れないでください。
■『シンプルなクローゼットが地球を救う ファッション革命実践ガイド』エリザベス・L・クライン 著、加藤輝美 訳(春秋社)
お洋服選びひとつとっても、社会的な主義主張の表明方法になります。若者たちが韓国ファッションが好きだと1人ひとりが表現すれば、韓国風のカフェや、KPOPアイドルに準じたスタイルの音楽が増えるのですから。
シンプルなクローゼットが地球を救う: ファッション革命実践ガイド
1,920円(税込)
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この本は、ファッションで地球を救うというタイトル。大袈裟に捉えられるかもしれませんが、上記の例を考えるとあながち難しくもない話だったりするのです。環境に優しい、持続的なファッションって?敏腕ジャーナリストによる、新しいお洒落のあり方を学べます。
■『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話』ヤマザキOKコンピュータ ちょし(タバブックス)
パンクロッカー兼個人投資家の著者が教えてくれるのは、お金に支配されないようにお金を使おうというスタンス。「お金が大好きな人たちだけが投資をしていたら、世界はお金に支配されてしまう」。言われてみれば…そうだよね?と目から鱗が落ちる人がきっと多いと思います。
くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話 (シリーズ3/4)
1,386円(税込)
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欧米に比べて投資リテラシーが低いと言われている日本。iDeCoやNISAの導入、コロナ禍の影響で、お金への向き合い方を見直す人が増えましたが、「そもそも投資とは、お金持ちになるためだけにやるのではない!」という《基本中の基本》は忘れてはいけません。
■『みんなの「わがまま」入門』富永恭子 著(左右社)
社会運動家というと、どうにもどこか《面倒》で《怒りっぽい》人がやること…というイメージを持つ人がいるように感じます。著者もその1人ですが、「こうしたい」「ああしたい」という欲求を人に伝えることを我慢する必要はない!と堂々と、しかし優しく伝えてくれるのがこの1冊。
みんなの「わがまま」入門
1,925円(税込)
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幅広い世代に向けて、我慢よりも権利の主張をすること・そして相手との対話を行うことの意味やハウツーを教えてくれています。人に対して「ずるい」「ろくに何もしていないくせに」と我慢を強いる行為には、意味がありません。より多くの人間が今より楽に楽しく過ごせる社会を作るには?を学んでいきましょう。
■『何とかならない時代の幸福論』ブレイディみかこ・鴻上尚史 著(朝日新聞出版)
最後は、お子さんがいる方に是非読んでいただきたい1冊です。ブレイディみかこさんはイギリスで保育士の資格を保有する方です。対談集の中で、英国の教育システムと日本のそれを比較しながら、「これからの子育てや教育に何が必要になってくるのか?」を問いかけます。
何とかならない時代の幸福論
1,200円(税込)
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こうしなさい・ああしなさいではなく、子供のなぜ?どうして?を大切に、自分で考える力を養うには、どうすればいいのでしょうか。大人である私たちも、これから意識していきたい事項がたくさん。昨今の社会情勢についても学び直すことができます。
人は誰かから学生・社会人・主婦というような役割を与えられて、初めて存在を証明されているように感じてしまいます。しかし、実際のところ、それは誤りです。私たちは誰でも、社会に対して影響を及ぼすことができます。ニート・引きこもりの人でさえ、その存在そのものが、「いる」というだけで周囲や他の人々に対して何かしらの考えや想いを抱かせるのですから。国や自治体に無職の国民の割合という形でカウントもされますし、何かしらの対策が打たれもします。私たちには「幸せに生きるにはどうしたらいいだろう」と考え、「こうしたいです!」と声をあげる価値も、及ぼすことができる影響力も、きちんと兼ね備えていることを意識しましょう。前向きな心や行動の第一歩だと思います。
■『デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義』 マイク・ヴァイキング 著、枇谷玲子 訳
世界一幸せな国だと言われている、デンマーク。国民の幸福度が総じて高く、高福祉社会として満たされた生活を送っていると言われています。しかし、“抗うつ剤の処方量も世界一”という実情もこの本の中では紹介されています。