美味しそうに見える角度はどこに?
料理には、もっとも美しく見える「正面」があるものです。美味しさを追求しているプロたちは、五感で料理を楽しめるように器や盛り付けにまでこだわっています。そのビジュアルを意識すると、目でもたっぷり美味しさを実感することができますよ。
料理写真を上手に撮るポイントはいくつかありますが、今回は「盛り付け」と「料理の正面」に焦点を絞ってコツを探ってみましょう。
真向いだけが「正面」ではない?
料理の盛り付けと、写真の撮り方
刺身は左側が正面
「放射盛り」は上から撮影
異なる素材を1つの皿に盛り付ける場合は、上下左右を均等に配置することがあります。これを「放射盛り」といいます。
放射盛りは真上が正面。色合いやバランスが考えられた美しさを、真上から撮影してみましょう。
握り寿司はシャリのちょい見せが美しい
西洋料理はサイドのバランスも意識して
洋食は付け合わせが奥に盛り付けられます。写真を撮る時には手前にあるメイン料理にズームを合わせがちですが、画面の真ん中を目立たせるだけでは少し雰囲気が物足りないかも……。
サイドに添えられた野菜やソースが全体のバランスを保つ大事な役割を持っていることがあります。料理によっては正面を左右どちらかに少しズラし、メインにピントを合わせてからサイドを少しぼかすようにフレームインさせると美味しそうに写せますよ。
時には「断面」を正面に
テリーヌやミートローフなどは、きれいな断面が見せどころ。目線を少し低い位置にして、形の良さを強調してみて。
この写真は実際に食べる時にはわさびが手前にくるようにお皿が置かれるのではないでしょうか。けれど、思い切って角度を変えたことで、中にぎっしり詰まった具が美味しそうに見えますね。
器とセットで魅せる写真
器に個性がある場合は、斜めからではなく、器全体が写るように俯瞰で。
いくつかの具材が使われている料理の場合は、特に正面がありません。特に器と料理のコントラストがキレイな時には器全体を写し込むと絵になります。画面に余白を入れると、さらにセンス良く見えますよ。
素朴な家庭料理にも正面ルールはありません。サラダや煮物などは、むしろざっくり盛っているのが美味しそう。普通に撮影していては地味におさまってしまうので、器と小物で彩りを添えて。
いろんな角度で見てみよう!
自分で盛り付けをして自宅で撮影する場合にも、ぜひ角度とバランスを研究してみてください。
料理写真を撮る時は、できるだけ美味しそうに見せたいと思いますよね。そんな思いで角度を探すうち、無意識にお皿を動かしていることがありませんか?実はこれがかえって逆効果になる場合も。角度を変えることで「お肉の一番美味しそうなところが見えない!」「なんとなく立体感がなくなってノッペリしてしまった!」となることがあります。