わんこの活躍に拍手喝采!な絵本
「Ralf」 Jean Jullien (著) Seuil Jeunesse
「マドレーヌといぬ」ルドウィッヒ・ベーメルマンス (著) 瀬田 貞二 (翻訳) 福音館書店

パリの寄宿舎に暮らす12人の女の子たち。その中でも一番おてんばなマドレーヌは、ある日お散歩中に川に落ちてしまいます。溺れかけたマドレーヌを助けた犬はジュヌビエーブと名付けられ、一緒に暮らすことになるのですが…。賢く優しいジュヌビエーブと女の子たちの暮らしぶりが賑やかに描かれます。実際のパリの名所が軽妙なタッチで描かれた背景にも注目です。
「フリックス」 トミ ・ウンゲラー (著) 今江 祥智 (翻訳) BL出版
仲良しになるのに種は関係ない!犬と猫どっちも大好きなあなたにおすすめの1冊。
ウィットに富んだわんこの絵本
「いぬ おことわり! 」マーガレット・W ・ブラウン (著) H.A. レイ (イラスト) ふくもと ゆみこ (翻訳) 偕成社
「おやすみなさいおつきさま」で知られる児童文学作家で児童書の編集者マーガレット・ワイズ・ブラウンと「おさるのジョージ」の作者H.A.レイがタッグを組んだ絵本。
動物園に行ってみたいけれど、動物園は犬の入場おことわり。飼い主のおじさんは犬を変装させて動物園に連れて行ってあげようとします。二本足で歩く練習をしたり、身だしなみをバッチリコーディネートしたり...読み進めていくうちに登場人物たちと一緒になって面白おかしい作戦にワクワクしている自分に気づくはず。
「しりたがりやの こいぬとおひさま」イバ・ヘルツィーコバー (著) ズデネック・ミレル (イラスト) ちの えいいち (翻訳) 偕成社
チェコの国民的アニメ「もぐらくん」でおなじみの絵本作家・アニメ監督が手がけた絵本。とぼけた表情の可愛らしい絵柄と、ユーモラスなストーリーが微笑ましい絵本。お昼寝の間になくなってしまった水を探しにいくこいぬ。好奇心旺盛なこいぬの冒険にちょっとドキドキしながら楽しく読み進められます。
切なくなったりほっこりしたり。犬との絆を感じる絵本
「アンジュール―ある犬の物語」ガブリエル・ バンサン (著) ブックローン出版

文字のない絵本。車からポイッと捨てられた犬がさまよい、うろつき、あてどなく歩く1日が描かれます。ラフでいて的確な筆致で描かれる、悲しげな表情、うらぶれた後ろ姿にページをめくるごとに切ない気持ちがこみあげてきて...白黒のみの表現がかえって、事故現場の騒然とした雰囲気や水平線をのぞむ清々しい海辺など、主人公の犬が見たままのリアルな景色を読者に鮮明に伝えてくれます。切ないお話ですが最後は心温まるカットにホッと癒されるのが嬉しい。
「ともだちがほしかったこいぬ」奈良 美智(著)マガジンハウス
「いぬはてんごくで…」シンシア ライラント (著) 中村 妙子 (翻訳) 偕成社
死んでしまった犬たちが天国でのびのびと暮らしている様子が描かれた絵本。走り回って遊び疲れ、雲のベッドでゆっくり眠って、楽しそうな様子に心が慰められます。大切なペットを亡くした人にも読んで欲しい一冊です。
犬との暮らしを描く絵本
「どろんこハリー」 ジーン・ジオン (著) マーガレット・ブロイ・グレアム (イラスト) わたなべ しげお (翻訳) 福音館書店

お風呂が嫌いなぶち犬ハリー。お風呂用のブラシを隠して遊びに出かけ、やりたい放題、泥だらけになって遊びます。どろんこになったハリーが家に帰ると家族からは他の犬だと思われてしまい…?わんぱくハリーの仕草や表情が可愛らしいです。
「ゆうたとかぞく」 きたやま ようこ (著) あかね書房

ハスキー犬のじんぺいを中心に家族や友達とのやり取りを描いた人気絵本シリーズ。ちょっと強面のじんぺいですが、飼い主のゆうたとのやり取りや様々な経験を通して人と暮らす知恵を身につけていきます。犬の視点で家族を描いたこの絵本は、幼児向けで短いですが、犬も家族一人一人にそれぞれの愛情を感じている様が伝わってきます。
同シリーズの9冊の絵本の他、スピンオフとして「じんぺいの絵日記」が刊行されています。文字が少し多めの「りっぱな犬になる方法」「なかよし取扱説明書(犬式)」などなど、著者・きたやまようこさんの犬愛にあふれた作品は、犬好きさんへのプレゼントにおすすめです。
「子いぬのかいかたしってるかい?」モーリス・センダック (著, イラスト) マシュー・マーゴーリス (著) やました はるお (翻訳) 偕成社
「かいじゅうたちのいるところ」「まよなかのだいどころ」などでおなじみの巨匠モーリス・センダックの絵本。
男の子と女の子が子犬を飼い、しつけ、お世話しようとするのですが、子犬とのやり取りに悪戦苦闘。育てようとする子供達も育てられる犬もお互いに経験を重ねて成長していく様に笑いながらほっこりとした気持ちになれます。漫画風のコマ割もユニーク。
「Beloved Dog」 Maira Kalman (著) Penguin Press
犬たちをもっと近くに感じて

あくせくした忙しい毎日の中で心が疲れてしまった時も、無条件に寄り添ってくれる犬たちは、特別な存在。犬を飼っている人は、無邪気な犬たちにホッとさせられることも多いのでは。犬を飼っていない人も、犬の愛らしさや人との絆が伝わる絵本を手にとって、リラックスした絵本時間をお楽しみくださいね。
人の良き友になれる犬は、いつの時代も人気者。仕草の一つ一つが可愛らしく、悪気はなくとも飼い主さんを困らせることがあるかと思えば、悲しい時にはさりげなく寄り添ってくれたりと、その存在はかけがえのないものです。そんな犬たちが活躍する絵本を読んで、犬への愛をもっと深めてみませんか?